Japan Akihito Fujii's Weblog 日々是新 Akihito Fujii's Weblog

木曜日 9 29, 2005

English Translation: (Google) / (Yahoo!)

StarSuite 8を使い始めました。MS officeを意識したつくりと操作性と機能向上については、初期のbetaで知っていましたが、デフォルトのファイル保存形式が変わってる・・・OASIS Open Document Formatになってます。すばらしい!さすが。やっとオフィスドキュメントの標準化が現実になってきました。マサチューセッツ州のOpen Document Formatの採用のように日本の官公庁、自治体に使ってもらってオフィスドキュメントのオープン化を支援して欲しいものです。
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現在IT産業においてオープンソースの普及に異を唱える企業は殆どおらず、かつすべての企業が避けることが出来ない大きな動きであるが、オープンソースの 普及は、はたしてIT産業全体を本当に潤しているのだろうか、すこし整理しつつ考えてみたい。

●それぞれの立場から
ソフトウェアベンダー

自社ソフトウェア製品を販売するソフトウェアベンダー(OSベンダを含む)にとっては、自社ソフトウェア製品と同一カテゴリのオープンソースソフトウェア の登場は、単純に考えればマイナスである。オープンソースソフトウェアは、多くがフリー(無償)であり、フリーオープンソースソフトウェアは、有償で販売 してきた同一カテゴリの自社製品に対して悪影響を与えることは明らかである。プラスの面も勿論存在する。第1のプラス要素は、対象マーケットの拡大と規模 の確保である。特定のソフトウェアのマーケット自体を拡大するには大きな労力を必要とするが、フリーオープンソースソフトウェアはフリー、かつオープンな 性質から、対象となるソフトウェア製品の市場を大きく拡大させる。フリーオープンソースソフトウェアで獲得した規模をベースに独自機能を追加した有償版の 自社製品のライセンス販売や、サポートサービス、コンサルティングサービスを展開し、収益を得ることになる。第2のプラス要因は自社ソフトウェア製品の基 盤部分の開発にオープンソースソフトウェアを利用することである。開発コストの削減だけであれば、既存製品を持ち、独自コントロール可能な自前の開発の方 がメリットが大きいように思われるが、オープンソースは通常コミュニティによって運営され、ユーザコミュニティを形成するため、対象ユーザ層に受け入れら れやすい間接的な効果が期待できる。加えて、自社開発要員だけでは到底実現できないInnovationを外部から受け入れることが可能となる。ソフト ウェアベンダーにとってのオープンソースのメリットは、これらのプラス、マイナスを総合して判断されることとなる。プラスとなる条件は、追加機能の value addを有償製品で提供できるか、サポート、コンサルティングといったアフターサービスを効果的に提供可能かということとなる。

システムインテグレーター

システムインテグレータにとってはどうだろうか、プラス面はわかりやすい。フリーオープンソースソフトウェアを利用することでインフラ整備のためのソフト ウェアコストを削減することが可能で他社が有償の商用ソフトウェアを提案している場合には商談獲得の確率を向上させる。マイナス面も勿論ある。1つ目はマ イナス面だけでなく、プラス面も持っているが、サポートの問題である。商用ソフトウェアの場合には通常ソフトウェアベンダーがそのサポートについて責任を 持つが、フリーオープンソースの場合サポート先を確保しなければならない。現在ではオープンソースソフトウェアのサポートを提供する企業も多数存在するた め問題ない場合もあるが、多くの場合は、商用ソフトウェアに安価な有償サポートを加えた場合とオープンソースソフトウェアに有償サポートを加えた場合の サービス内容とコストを検討しなければならない。パッチの提供の可否なサービス内容を除いても、オープンソースソフトウェアベースのコストが商用版有償ソ フトウェアのコストを上回ることもある。第2のマイナス面は、大手SIに顕著であるが、他社との技術面での差別化が困難になることである。現在では開発フ レームワークや方法論に至るまでオープンソースソフトウェアの影響が大きいため、単純に人月単価の安い方向にビジネスが流れがちとなる。オープンソースソ フトウェアでの開発に非常に精通したエンジニアの確保によるSI作業はプラス要因であるが、技術の移り変わりのスピードに追従しかつ、広くそのノウハウを 共有することは容易ではない。オープンソース上の独自コンポーネントを差別化要素とする場合もあるが、短期的な対応であり、しばらく後にソフトウェアベン ダーと同様のジレンマに陥ることとなるため前述と同様の検討が必要となる。数年前に各社が開発したJ2EEコンポーネントは今やオープンソースソフトウェ アのフレームワーク部品に取って代わられていることがその一例である。ソフトウェアベンダーと同様に、より上位の業務コンサルティングやアウトソーシン グ、ASP化、新たなアーキテクチャの提案などが、SIとしてオープンソースソフトウェアを自社にプラスに持っていく要素となる。エキスパートを有する小 規模なベンチャーSIerにとっては大規模SIerと戦うチャンスとなる。

ユーザ

IT産業というカテゴリではないが、IT産業の顧客、ユーザにとってはどうだろうか、プラス面はコストの削減とベンダロックオンの回避がその代表である。 SIerにオープンソースの有効活用を的確に指示、または比較した上での既存ソフトウェアのコスト削減検討を行うスキルが必要となるが、コスト削減だけで なく開発内容の明確化も可能となり、オープンシステム上のSIer独自アプリをできるだけ回避させることが可能となる。マイナス面もある。過去、オープン ソースソフトウェアは、フリーオープンソフトウェアが殆どであったため、フリーツールの活用をオープンソースの活用と勘違いしてるユーザが存在した。現在 では、オープンソースソフトウェアは、フリーオープンソースソフトウェアを意味せず、サポートやアフターフォローを含めたコスト計算が必要である。オープ ンソースソフトウェアは絶対に安いは前述同様に誤りである。またオープンソースソフトウェアの多くは、ある意味ではベンチャー企業の製品と同じである。将 来性、存続性などもオープンソースを選択する際に自らのリスクとして検討しなければならない。ユーザにもプラス面マイナス面があるが、ソフトウェアベン ダーやSIerにくらべプラス面が非常に大きい。前述のマイナス面はオープンソースソフトウェア固有の問題でなく、かつSIer丸投げ形式でない場合、 ユーザ側で対処すべき項目である。

技術者、開発者

最後に、オープンソースソフトウェアにかかわる技術者にとってはどうだろうか。プラス面はこれまで製品の大手ITベンダーのR&D組織に所属しな ければ経験できなかったことがある程度経験でき、自身の飛躍的な技術力向上に役立つということであろう。オープンソースソフトウェアの開発を推進するコ ミュニティへの参加はオープンであり、だれでも参加可能である。学歴や現在の職業、職種に影響されることもなく、興味のあるコミュニティに、興味を持って いる期間だけ参加すればよい。有名なコミュニティで重要な役割を果たすことは自身のキャリアパスに非常にプラスであることは言うまでもない。マイナス面 は、通常こういったオープンソースソフトウェアのコミュニティに対する作業はボランティアであることである。自身の貢献や自身スキルアップが金銭的な見返 りに直結しないことである。技術そのものに興味を持ち参加する献身的な技術者が多いため大きな問題とはなっていないが、オープンソースソフトウェアを実現 するコミュニティを利用してビジネスをする上では認識すべき事柄である。現在では、企業が積極的にこのコミュニティのサポートに技術者を派遣する場合が多 い。これはオープンソフトウェアを活用したソフトウェア製品ビジネスを行う上で、オープンソース分野での自社ステータスの向上だけでなく、サービスレベル の向上、製品の方向性の決定にかかわることができるという意味で重要である。

競合の視点からのオープンソース化

それぞれの立場オープンソースソフトウェアのプラス面とマイナス面をから整理したが、ソフトウェアベンダーとしての競合優位を保つための方法論としての、 製品のオープンソース化、オープンソースソフトウェアの組み込み、ということも検討しなければならない。あるシェア上位のA社に対抗するために同一カテゴ リのソフトウェアをシェア拡大のために下位シェアのB社が製品をフリーオープンソース化するケースがある。根底にある思想はシェア獲得と市場規模の拡大で ある。基本部分をオープンソース化し、独自機能を有償版で提供する携帯については前でも触れたが、オープンソース化した製品のシェアが飛躍的に向上し、か つマーケットを拡大させる原動力をもっていれば、非常に有効な戦略となりうる。IBM Eclipseはそのよい例であろう。
地位を確立しているオープンソースソフトウェアを自社製品の基盤として、取り込むケースも多数存在する。これは前節でも触れている通りであるが、コストの 削減、外部Innovationの享受、サポートリソースの外部確保等を教授することができる。技術者に対する企業イメージの向上も無視できない。
これらのプラス面を教授できるのは、競合力がある程度あり、または明確にある程度普及した競合製品の存在する製品カテゴリでのオープンソース化、または汎 用的なミドルウェアである場合が多い。

●誰が勝者なのか

誰がオープンソース時代の勝者なのだろうか。それぞれにプラス、マイナス両面をもっているため、一概には結論付けることはできないことは明白であるが、比 較的プラス面が大きく出るのは、やはりユーザである。既成のシステム構築概念を分解し、それぞれのプレーヤーが切磋琢磨することは何よりのプラスとなる。 特にITの基本機能をフル活用したネット上のサービスベンダーのプラス面は大きい。ソフトウェアベンダーでもなく、エンタープライズの複雑な制御を行うシ ステムの構築を必要とするわけでない、ネット上のサービスを提供する事業者である場合、活用可能なオープンソースソフトウェアの選択肢が多く、新しいサー ビスビジネスのアイデアを様々なオープンソースソフトウェアを駆使して安価に、small startで実現することが可能となる。
ソフトウェアベンダーにおいて勝者となる条件は、対象オープンソフトウェアの展開規模を確保できることを第1に、技術者コミュニティとの連携度と貢献度の 大きさ、有償付加機能を提供可能な技術力、サービス、コンサルティングなど周辺分野での収益の確保である。
以前は、オープンソースソフトウェアでのビジネスは、純粋なコミュニティとの対話から始まったかもしれないが、現在は多くの大手ソフトウェアベンダーが オープンソースで既存のビジネスのルールを変えようと懸命に動いている。オープンソースソフトウェアを活用することは今後も減速することはないのであろ う。

●Sunは?(Sun社員の私見ではありますが・・・)

Eclipseの成功でIBMの動きに比べ遅い感じもするが、客観的に特にここ数年のオープンソース化には社員ながら目を見張るものがある (Solaris, App server, NetBeans, Open office, Java, etc...)。Sunの、自ら1から開発したものをオープンソース化する手法には、NFSからの歴史さえ感じる。また、これだけ大量にオープンソース化 し、ビジネスを展開する企業も珍しい(他にない様に思う)。IBMに関しては、Eclipse等をのぞくと、IB既存の成功した、またはしつつあるオープ ンコミュニティに自社エンジニアを注入していく手法の方が多いようにも見える。
オープンソフトウェア化による新しいモデルの試みは、最初にコミュニティの活性化となって現れることになる。Sun Fanの開発者がSunの公開した技術に興味をもってくれることがそのキーになる。個人としてはその内容に自身を持っているが(Solarisはその塊と いえる)、今後のコミュニティの発展に注目したい。

(長文になりすぎたので、ちょっと尻切れ・・・)
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