
サ
ンフランシスコへの機中、題名だけで買ってしまった本があまりにも面白く、一気に読みきってしまいました。こやつ何者かと作者を見ればMITのスローン経
営大学院の教授様でした。(失礼しました・・・)メーカー・イノベーションでなく、リード・ユーザのイノベーションに狙いを定めることについては、そのま
ま聞いても驚きませんが、Open Source, Open
CommunityによるInnovationを体系的に解説するための論理展開には感動を覚えてしまいました。Open Source, Open
Communityの重要性と新たなソフトウェアにおけるイノベーションの発生源について考えている自分にとっては、本当に有難い良書でした。
しかし、何度も出てくるカイトサーフィンの話は面白い。カイトサーフィンのユーザ・イノベータ向けサイトから、カイトのデザインだけでなく、通常ならメー
カしか提供不可能と思われているCADを利用した設計図まで入手可能で、製帆工場にそのままCADファイルを送れば有形製品が市販の物より安いそうです。
イノベーションを引き起こすのは、その当事者でなく、メタ層、つまりその製品のユーザ側からというのは、(ITの技術者の変遷もそのひとつだと私は理解し
ています。)頭では理解していてもなかなかデジタルな説明が面倒なものです。こういった本があるとありがたい限りです。2005年4月の英語で出版された
ものが訳書でもう読めることも感動ものです。
すこし脱線しますが・・・この記述・・日本の情報政策担当者に呼んでもらいたい・・・
「社会がイノベーターに対して知的財産権を付与することを選択する基本的な理由は、イノベーションに対する私的な投資を増加させたいからである。同時にこ
うした権利の付与が、社会福祉の損失を伴うことに経済学者は以前から気づいていた。」
「無料公開されるユーザ・イノベーションには福祉向上効果が見出されるのであり、この点を鑑みるならば、政策と法令を立案する政策立案者はユーザ・イノ
ベーションに必要な条件を考慮すべきではないか。」
日本の技術者の底上げを真に願うなら、本当にこの動きこそを国として支援すべきなのでしょう。自治体の情報システムの少なくとも、Open
Source Communityの活動形態にして、Commonsとして共有し、イノベーションを誘発すべきなのでしょう。OSS,
e-Japanの政策は、Commonsを充実させ、Communityに参加させることで、Innovationを集積し、技術者のスキルアップを行う
ことにもっと注力せねばなりません。Open Sourceを安いから使うといった安易なOpen
Sourceの活用推進は、全く戦略的な情報施策ではありませんから・・・
(終盤のTool kit云々はちょっとIT業界には既に過去のことのような感じがしますが・・・)