2006年 4月 18日 火曜日
今週、金曜日、米国から来日した Java Performance Engineer の
Menasse Zaudou (フランス語読みでメナス・ゾウドゥ)を迎えて
Java Performance Seminarを行います。
緊急開催のセミナーにもかかわらず、いつも以上の集客があり 今日午後の段階で、募集を締め切らせていただきました。
応募しそこねた皆様、申し訳ありません。 資料はできればセミナー直前にでも SDC サイトにアップいたしますので ご覧ください。
それにしても、パフォーマンスに関するテーマは最近、JavaOne でも 人気の高いトピックです。 今回の応募数の多さは予想以上でした。当日のフィードバックしだいでは またパフォーマンス関連のセミナーを行いたいと思っております。
今年も JavaOne SF が近づいてきました。今年の JavaOne ウィークは、San Francisco 界隈の ホテルが満室のところが多いようですね。 US も景気が持ち直してきたということでしょうか。
さて、JavaOne の技術的な見所を書く前に non-technical な話題をひとつ。 いつも聞かれる質問で今年の JavaOne でも話題になりそうなことのひとつは、 JRE (JDK) の再配布のライセンス問題です。 最近、導入された JRL や JIUL, あるいは JDL は、オープンソースに近いものだし 実運用上、それで不都合なことはほとんどないと思われます。 ただ、現行のライセンス(昔に比べれば大幅に緩和されている)を Sun 社内の人間ですら 理解していないことがあるので、いまだに大きな問題と考えている方も少なくはないと思います。
ここで、現行のライセンスの要点をまとめておきたいと思います。 下記のライセンス条項 JRE 5.0 Binary Code License Agreement 特に SUPPLEMENTAL LICENSE TERMS の B (i) が重要です。
| you distribute the Software complete and unmodified and only bundled as part of, and for the sole purpose of running, your Programs |
とあります。つまり、JRE の再配布は、自分の作成したプログラムの配布が目的であれば かまわないのです。 自分の作成したプログラムとは、商用の製品かもしれませんし、たんなる Hello World レベルの ものかもしれません。プログラムの種別に言及はありません。 それ以外の用途に使うのならともかく、自分のプログラムの実行環境として配布するのは なんら問題ないのです。(もちろん、厳密にいえば、上記条項以外の細かな条件をすべてクリアする必要は ありますが、どの項目も常識的な制限であると思います。)
多くの人が誤解しているような、厳しい条件ではないとわかっていただけるかと思います。 ただ、例外の方もいるにはいらっしゃいます。たとえば、Linux OS のディストリビュータ。 アプリケーションの実行環境としてではなく、OS のライブラリの一部として Java プラットフォームを 提供したい方は、上記条項に抵触していしまいます。 そして、それが多くの Linux サポーターが現行の Java ライセンスに不満を感じている点でしょう。 では、これが解決するのか?
結論は、JavaOne が始まってみないとわかりません。社内の人間にすら、どういう決定が行われるか 直前までわかりませんし、担当者自身が JavaOne 基調講演のその場で初めて聞くこともよくあります。 ただ、Sun が、上記問題について考えているのは確かです。 そして、今年の JavaOne でそれらを解決する新しいライセンスが導入される、発表される可能性はあります。
技術的な発表も楽しみな JavaOne ですが、それ以外の点にも要注意していただきたいと思います。

Sun Enterprise News 4月号が、今日から配信しております。
先のエントリや4月号のフィーチャーストーリーでも紹介したとおり、今月号から大幅にコンテンツを拡充しました。
フィーチャーストーリーで書ききれなかった部分も解説したいと思います。
昨年、後半以降、急速に浸透した「Web2.0」という言葉も、開発者にとってはいささか混乱を呼び起こす Buzz Word (流行ことば)と化している感があります。
今、様々な企業アクティビティは、単なる新しいフレイバーとして単に Web 2.0 を枕詞にしているだけにも見えます。ただ、確実なのは Web の世界で、Web が誕生して以来、もっとも大きなパラダイムシフトが起きていることです。
本稿では、Web2.0 が意味するところが何か、そして開発者にとってのインパクトは何か、決して浮つかない中立的な立場から、藤井さんに読みきりで解説していただきました。Web2.0という言葉はよく聞くものの、正確な意味をつかみ損ねていた人はぜひご覧ください。開発者だけなく、ビジネスパーソンでも理解できるようわかりやすく解説しています。(ビジネスパーソン向けの記事も、今月号以降、増やす予定です)
話題のキーワードといえば、Web2.0とも関係のある AJAX です。Java News でも有名な(今では Night For Java Technology の仕掛け人としても有名な)安藤幸央さんに今月から、Java 開発者のための AJAX 解説をしていただきます。
少し前まで、「Web アプリケーション対リッチクライアント」というクライアント層の二項対立で議論されることが多かったのですが、この図式はいまや意味がなくなりつつあります。リッチクライアントの側では、急速な開発、再利用性を高めるために、XMLベースで記述し、ビジネロジックの処理を Web アプリケーションと同様にサーバーサイドに投げてしまうアーキテクチャーが Java の世界以外でも急速に広がりつつあります。(Java の世界では JDNC が有名でしょう。)
同時に、Web アプリケーションも従来の単純な HTTP REQUEST/RESPONSE をそのまま利用するのではなく、先読みしたデーターローディングをすることであたかもリッチクライアントのようなインターフェースを実現しつつあります。その中核にあるのが、この Ajax なのです。
Ajax 自体は、バックエンド側に特定のプログラミング言語を要求する言語ではありません。PHP でも、Java でも問題ありません。ただ、様々な理由から、Ajax ベースで開発するには Java 開発者が最も Ajax 開発に適しているだろうと、安藤さんは記事の中でも指摘されています。その詳細については、ぜひ記事をご覧いただきたいと思います。
ビギナー向け記事
春といえば、新入生、新入社員が学校、職場に入ってくる季節です。研修や教育を担当される方も大変な時期だと思います。プログラミングの教育に関しても、最近では、Java 以前に本格的なプログラミング言語を全く経験したことのない方が増えています。
そういった方々には、従来のような C言語などを参考にした説明では理解していただくのが難しいものです。
そこで、SDC では、先月からはじめてのJavaというタイトルで、プログラミング経験のない方でも容易にプログラミングが覚えられるような連載記事をスタートさせました。
同時に、それを補足する形で、Java 初心者が、開発の様々な場面(情報がほしい場合、プログラムが動かない場合)で、必要な手がかりのありかを指し示す記事を今月号からスタートさせました。Sun の教育部門にいた間宮さんが担当しています。彼女が自分自身が苦労した体験を元に書いていますので、Java 初心者の方にはかゆいところに手の届く内容になっています。
開発ツール
皆さんは、Java 開発ツールというと、たいていの場合、Eclipse を真っ先に思い浮かべられると思います。ただ、Eclipse の対抗馬として、NetBeans の名前も最近、あちらこちらで少しは耳にするようになってきたのではないでしょうか。
(正確なことを言えば、オープンソース開発ツールとしては、NetBeans の方が歴史はずっと古いのですが)
Eclipse よりパフォーマンスで優れる点(意外に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、今の NetBeans は Eclipse よりむしろ軽快に動作します)、インストール直後から十分な機能を持っている点(Eclipse は、多くの便利な機能は、Plug-in の形で後からインストールしなければならない)、初心者に優しいチュートリアルが充実している点、SWTより美しいGUIセットの Swing が使用できる点など、Eclipse ユーザの中にも最近では、とりあえず NetBeans を一度は評価してみようという動きが出ているようです。
北米では、Eclipse にはもちろん及ばないものの、決して低からぬシェア(20%)を獲得しているという調査結果もあるようです
ただ、特に日本では、日本語情報の不足のためか、世界的に見ても、ユーザ数が少ないのが現状です。実は、日本語ドキュメントそのものは必要最低限なものは用意されているのですが、その存在場所がわからないというのが実情なのです。
そこで、SDC では、今月号より、NetBeans をひととおり使って評価するために必要な情報を指し示し、補足する連載をスタートさせます。何人かのエキスパートに連載をしていただく予定ですが、インストールを中心とした第一回は主婦デベロッパーとしても有名な清水美紀さん(通称のに子さん)に担当していただきました。
Java ME 分野
最近、様々な方面から、Micro Edition 系の開発者が増えている、需要が増えている。Java に限らず組み込み系の世界の盛り上がりを感じる情報が入ってきています。もちろん、国の政策に代表されるようないくつかの理由はありますが、面白い意見を先日、某企業の取締役の方から伺いました。
PC 向けの製品、サービスに比べて、携帯ビジネスはクリティカルマスが一桁低いのではないか、ということです。
たとえば、匿名性の高い PC の世界では、100万や200万ユーザ集めなければ、スポンサーもつかず、ビジネスとして成立しにくいところが、ユーザの特定が比較的容易な携帯では、10万ユーザ、20万ユーザでビジネスをスタートさせられる。
そして、PC以上に行き渡ったデバイスの広がりがそれをさらに容易にさせる。
また、Felica 等の搭載によって、従来以上に集金が確実になった点も大きい。
これらのことを考えると、今、急速に組み込み系、Java の世界では、Java ME ビジネスが大きく動き出そうとしている現状がうかがえます。それにあわせたかのように、SDC へも ME 関連の記事への要望が急速に増えています。
ここ数年、SE/EE あるいは SOA のレイヤーに記事が集中していた点を反省し、ME の世界の記事を今号以降、増やしていきたいと思います。まず手始めに、現在の Java ME の状況を俯瞰する記事を掲載いたしました。
理由があって誌面上には、筆者名を出していませんが、この記事は Sun の日本人の中でも ME の世界の第一人者といってよかった門間純一さんに書いていただきました。
非常に多くのコンテンツが盛り込まれた SDC の今月号ですが、来月以降はさらに大型連載が開始されます。ビジネスパーソン向けには「Java ビジネス事例最前線」(仮題)、稚内北星学園大学の浅海智晴先生には、「Java 開発者のためのモデリング講座」(仮題)、同大学植田先生には「Java ME 技術解説」(仮題)、Sun のコンサルティング部隊が豊富な経験を交えて書く「SOA 最新事情」(仮題)、JavaOne 前後には、その予告/レポート記事など、盛りだくさんな内容を予定しておりますので、今後も SDC にご期待ください。
もし、SDC に関してコメントやフィードバックがありましたら、このブログのコメント欄、あるいは以下の問合せ先にお送りください。Java 開発者座談会も6月頃、また開催させていただく予定です。
お問い合わせ先 Developer Contact Center(DCC) FAX: 03-5331-8894 E-mail: sdc@sun.co.jp 住所: 〒161-0034 東京都新宿区上落合 2-28-7 落合高山ビル 5F |