2006年 5月 19日 金曜日
三日目の朝は、IBM の General Session です。スピーカーは Eclipse のキーパーソン、Erich Gamma と John Wiegand です。Eclipse の開発プロセスについて丁寧に45分間解説を行いました。General Session というよりは Breakout Session あるいはむしろ BOF 的な抑制の効いたトーンだったのですが、開発者的にはむしろ好感がもてたのではないでしょうか。
初日の Sun の General Session といい、今年はテクニカルな比重が高いのが大きな特徴といえるかもしれません。
さて、昨日の Script 言語の続きです。
乱暴なのを承知で今年の JavaOne のテクニカルな傾向を一言で言い表すならば、猫も杓子も AJAX ということになるでしょうか。 どの会社も AJAX (あるいはそれをラップする用語としての Web2.0)について言及し、AJAX 関連セッションはどれも満員盛況。 AJAX 関連エンジニアはコンベンションセンター内でもパーティ会場内でも引っ張りだこ。
ただ、AJAX のキーパーソンと言われるスピーカーたちに直接話を聞いてみると、以外に冷静に AJAX を考えていることがわかってきました。AJAX によって、User Interface の利便性は向上しますが、あくまで UIをよりきれいに見せるためのデザイン上のテクニックの延長であって、システムにとっての根幹的な要素とは捕らえていないようです。
AJAX は、Web2.0 にとっての中心的なテクノロジーですが、エンタープライズシステムからみたときの重要性はそれほど高くないということかもしれません。
昨年のテクニカルなテーマは JBI に代表される SOA だったと思います。今年は AJAX (Web2.0)、そして来年はおそらく Script 言語になるでしょう。buz word に踊らされるのではなく、それぞれの実態を見極めた上で、開発に必要な技術を適切に取捨選択を行うことが重要だと言う気がしてなりません。
さて、今日は最終日、いよいよ James Gosling の General Session です。
三日目の夜は Mark Hapner、稚内北星学園大学の丸山先生たちとの夕食で過ごしました。 昨年華々しくデビューを飾った JBI のその後の展開について貴重な話を聞けました。 その内容については後述するとして、JavaOne でなぜパーティが大事か説明しておきたいと思います。
日本人でもそうですが、アメリカ人でもやはりネット上だけの関わりしかない人との人間関係はやはり希薄です。 いったん直接会って、打ち解けて話た後では、その後のコミュニケーションが非常に楽ですし、協力的です。 アメリカに住む人たちはとくにその傾向が強い気がしています。
また、お酒の席ですと、公式の場、セッション会場などでは言ってくれない、キーパーソンの本音が聞き出すことができます。ハイテク業界全般にいえることですが、会社の公式見解としての方向性と、エンジニアとしての志向は往々にして違います。 そして、表面上に現れないエンジニアの思いの総和は、技術の進化の方向性を決める上で非常に大きな役割を果たしています。
公式なセッション会場だけでは、特に、Buz Word に踊らされがちなのですが、そうではない、実態を見極める上で、パーティへの参加は非常に有意義です。 スポンサーにしてみても意味なくパーティを開いているのではないのです。自分たちの開発者コミュニティを育てる上でアンオフィシャルな場を提供することが必須だと知っているからこそ、少なからぬ資金を提供しているのです。やはり歴史は夜に作られるのです。