http://blogs.sun.com/fukumoto/date/20061107 2006年 11月 07日 火曜日

『グーグルを生むビジネス風土/シリコンバレー精神』


『グーグルを生むビジネス風土/シリコンバレー精神』
梅田望夫著、ちくま文庫


Web3.0の予感を残しつつ 本文庫の価値は、シリコンバレーからの手紙、ではなく、 「文庫のための長いあとがき」という題における、 「これまでのシリコンバレーを振り返り」、来るべき近未来を 展望するところにあります。つまり、ジェットコースターの ように、人類の歴史にない、経済のメカニズムを、怒涛の速度で 生み出していった、シリコンバレーモデルを、その肌で感じた 著者による、ネットの速度のエコノミーのアナトミーです。 その解剖を、将来へ敷衍すると、Web1.0で沸いている時代に グーグルがWeb2.0の基幹検索技術にまい進し、開花したように、 きっと今どこかで次代の覇者となる誰かが、何かに夢中でまい進 している・・それが、シリコンバレー精神だ、という主旨だと 思います。 その地に身をおいて見聞し、投資もし、自らシリコンバレーの人と なった梅田氏による、まだまだ終わっていない、同時代のルポであり、 平行して現代の先端経済の壮大な実験場でもある世界の分析と 予測の書でもあり、『ウエブ進化論』への道程でもある本文庫は、 今でも少しも古くなく、かえって今となってみれば、ということで、 過去の出来事を分析する貴重な証明でもあります。 特に、どんな段階、どんな登場人物、どんな力学で今日に 至り、これから何がおころうとしているのか、を予見する姿勢は 鋭くも、背筋がゾクゾクするところでもあります。


Posted by fukumoto [Books] ( 11月 07, 2006 06:51 午後 ) Permalink
http://blogs.sun.com/fukumoto/date/20050309 2005年 3月 09日 水曜日

『グリッド—情報社会の未来を紡ぐ 産総研シリーズ』(丸善)


過日の一冊『グリッド—情報社会の未来を紡ぐ    産総研シリーズ』(丸善)



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/462107430X/qid=1110358996/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/250-8917111-1653059

どなたでもそうだと思いますが、色々な必要に迫られて、日本語の「グリッド」本を検索すると、
現時点では、だいたい2冊くらい検索できます。

そこで両方購入するわけですが、まずは、こちらの『産総研』のグリッドコンピューティングに関する書籍がいいと思います。

グリッドコンピューティングというと、各ベンダーや研究所も、国をあげてとりくんでいる最先端(ホットな)分野ですが、
本書には、詳細に、どのような実証実験が行われているか、が図や絵を駆使して描かれています。

また、産総研を核としたグリッドの推進組織(国家事業)にも触れられていますので、その重要性も公平な立場で書かれています。

国家事業ですから、予算のもとは、一部税金だと思いますので、「わかりやすい啓蒙書」ではなく、
「白書」(国家事業の報告書)だと理解して読む本だと感じています。本の体裁が小型なせいか、
字が細かく、内容はかなり専門家向けですが、
この分野に関係ある方なら読みこなせます。 



Posted by fukumoto [Books] ( 3月 09, 2005 06:03 午後 ) Permalink | 投稿されたコメント[0]
http://blogs.sun.com/fukumoto/date/20050307 2005年 3月 07日 月曜日

『暗号と認証』(日経NETWORK編)★★★☆☆

日経ネットワーク雑誌の連載記事をまとめた、入門書で、大変わかりやすかったです。

構成としては、暗号の基礎、対象鍵暗号、公開鍵暗号、暗号化方式など、だいたいの知識範囲は、わかりやすくカバー
されています。

認証方式は、方式とキーワードを理解する程度には書かれており入門としては十分でしょう。

最後は、IPSecの基礎知識の理解と、トラブルシューティングですが、
ここを読むと、IPSecを使いこなすには、対応機器などの知識
が必要ということで、二の足を踏みそうになります。

この分野では、最初に読むにはお奨めです。

難点をあえてあげれば、暗号基礎と暗号の中身の章が重複している
ことでしょうか。記事再編本ですので、ある程度は仕方ないかもしれません。



Posted by fukumoto [Books] ( 3月 07, 2005 06:14 午後 ) Permalink | 投稿されたコメント[0]

『勝者のIT戦略—ユビキタス時代のウェブメソッド革命』★★★☆☆



ウエブメソッド・統合ソフトの解説本。

といってしまうと、それだけですが、実は、本書では、経営革新、企業組織改革
の重要なテーマが細かく論じられています。

部分最適システムを乱立した結果、無政府状態になったシステムを、企業内ならず、
企業間連携(企業間取引)で、シームレス統合、システム統合を指向している
経営者、管理者、CTO、CIOの方にとっては、大変啓蒙される良書です。

(技術解説も豊富ですので、情報システムを知らないと、読むのは厳しい)

「システム統合」は「ビジネス統合」と不可分。さらに、俊敏な経営、企業間連携を
行って勝ち残っていくためには、「システムのシームレスな統合」「コクピット経営
(ダッシュボード経営)」「標準化への素早い対応」が必要と説きます。

前半は、ウエブメソッドの製品体系、モジュールの詳細な技術解説が続きますが、

それぞれは、経営革新にどう関連しているのか、も書かれており、勉強になります。

後半は、RFIDへの対応、ウエブメソッド社の取り組み、それと、標準化への対応、
Webサービスへの積極的な取り組みが、かなりつっこんで説明されています。

製品仕様本、といって片づけるにはもったいないです。本書で、経営の進むべき道程
と、それを実現するシステムの思想、技術を表裏一体として学ぶことが得策だと
思います。

残念なのは、文章が多く、図表が少ないので、理解するのに、かなり苦労する点も
多々あることです。また技術用語も縦書きでは、ちとつらいです。

いっそ、横組みにして、図版をもっといれれば読みやすかったのではないでしょうか。

章ごとに、ウエブメソッド社の取締役とのインタビューが掲載されており、最後は

共同著者の意見交換の再録になっています。

この辺、構成的に、堅い文章が連続する間に、ブレイクを入れているので、その変は
若干息抜きができるかもしれません。

宣伝が鼻につくのを我慢すれば、経営書として良質です。



Posted by fukumoto [Books] ( 3月 07, 2005 06:11 午後 ) Permalink | 投稿されたコメント[0]
http://blogs.sun.com/fukumoto/date/20050303 2005年 3月 03日 木曜日

最近の本2冊


『オートノミック・コンピューティングとは何か』(ソフトバンク・パブリッシング)



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797330376/qid%3D1109831943/250-3170416-5160216
ISBN: 4797330376

あまり役にたちませんね、本書。

先進的なテーマとタイトルで早めに出版して、
先行者利得をねらった本としか思えません。

入門書としても大変中途半端です。

どうせこのテーマに取り組みのなら、もっと解説を詳しく書き込んでほしかったです。

最初はいいのです。

現在のITシステムの問題点を整理し、自律コンピューティングへのロードマップと展望を解説していますので、
ある程度の参考にはなりますが、ネット上で読める情報以上のものはありません。

次からがいけません。

各社の同行は、おそらく、各社の情報源やカタログ、発表資料からそのままをもってきて掲載しただけ。

その後は、コアテクノロジー、標準技術の解説で、ここも抽象的な概観まで。

詳細は省略です。説明不足ですね。

それから後半、本書の半分は、ACツールキットの実際のインストール
から、デモ環境構築までのマニュアル(でもなく、概説)が延々画面のスナップを使って解説されます。

こんな解説の章、読み手はおもしろいと思うでしょうか?

個人的には、大いに疑問です。

ACツールキットの解説は概要にして、歴史的な経緯や、標準化技術、アーキテクチャや思想などをもっと細かく解説したほうが

よかったのではないでしょうか。

このテーマに関わる方は、読まないより読んでおいたほうがいいと思いますが、テーマが広範で深いだけに、用語をちりばめて、概念
先行で入門書とするには、かなり無理があると思います。

カタログ代わりの情報収集と割り切れば、本棚においておいても損は
ないでしょうけど、技術はどんどん進歩変化することを思えば、
今読む必要がどれだけあるか、疑問です。


『グリッド・コンピューティングとは何か』(ソフトバンク・パブリッシング) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797323396/ref=pd_sim_dp_1/250-3170416-5160216 ISBN: 4797323396 グリッドコンピューティングの全貌が実装レベルで学べます 外見からは、このテーマのわかりやすい入門書のように見えますが、まったく違います。 グリッド・コンピューティング自体、歴史、思想、広範な要素技術、標準化技術の総合テクノロジーですから、 本書を読むには、かなりの下地になるIT、Web系の知識、特に、 用語知識や概念、さらに、Java,UNIXなどの実装知識が必要です。 なお、本書の分量の目安ですが。 前半は、グリッド・コンピューティングの概説で、歴史的経緯の考察、関連プロジェクト、必要な技術を概観しています。 「砂時計モデル」を使ってレイヤリングの解説をしていますが、ここは勉強になります。 中盤は、Globus Toolkit 2をベースにした各種サービスの詳細な解説が続きます。かなり細かな仕様解説になります。 最後は、Globus Toolkit 3の2からの相違点、Webサービスの標準、実装、記述の詳細。その後、Toolkitを使った実際の簡単な構築 のマニュアルもどきになっています。 本書の残りの4分の1は、付録で、Toolkit3の手引き書です。 特に、ハードルが高そうなのは、Toolkitのセキュリティである、 PKI、公開鍵暗号方式の解説は、PKIの勉強経験がないと、かなり高度 なじみがない方には理解が困難と思われます。 さらに、中盤、Webサービスの解説も、事前に知識がないとつきていけないと思われます。 これ以外に、当然、Globus Grid Forum(GGF)が策定したスキームや アーキテクチャ、用語、さらに加えて、技術用語、ネットワークなど 広範囲な技術用語が山盛りで書かれていますが、 それぞれは、簡単な説明になっていますので、理解するにはかなりホネがおれます。 まじめに読むと、仕様説明書をただただ、読んでいくような、 結構つらい作業になります。 でも、関係する方は、一度は読んでおいて損はありません。 といいますか、読まないと、仕事にならないのでは? 現在、このテーマで、ここまで実装レベルに関して詳細に解説された 日本語の書籍は、たぶん、まだないと思いますので。 [注]『グリッド・コンピューティング』(丸善、産業総合研究所)は、以前読みましたが、こちらも かなりヘビーな内容でした。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/462107430X/qid=1109831974/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/250-3170416-5160216 ISBN: 462107430X


Posted by fukumoto [Books] ( 3月 03, 2005 03:34 午後 ) Permalink | 投稿されたコメント[0]
http://blogs.sun.com/fukumoto/date/20041208 2004年 12月 08日 水曜日

今日の一冊『いつも「忙しい」を言い訳にする人たち』

【今日の一冊『いつも「忙しい」を言い訳にする人たち』】



ヴィレッジブックス(文庫)
ベス・ソーイ著
大野晶子訳

仕事と家庭、さらに自分の本当に大切なものに時間や資源を
「バランス」させて生きていくための指南書です。

著者は、女性で、チャールズ・シュワブ証券元副社長という
立派な肩書きです。

がむしゃらに仕事に邁進するより、スローキャリア?な生き方をする方へのガイドです。
著名人の名言がたくさんちりばめられていると同時に、たとえ話で章を初めており、
おもしろく読めます。

翻訳は大変こなれており、違和感はありません。


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ここからは、あま*ん、に出した書評です。念のため。

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限られた人生の時間を、どうバランスをとって生きていくか?

職業人(男性も女性も、単身者も既婚者も)として、仕事に生きるのか、生活の糧としての仕事と、
本当に自分のやりたいことを両立させて生きていくのか?

この難問に、元チャールズ・シュワブ副社長のキャリア・ウーマンが挑んだのが本書です。人生指南書です。

「バランスのとれた」生き方をするには、自分の価値基準を確立し、時間配分の優先順位をつける必要があると説きます。

その上で、「仕事に対する新しい概念」として、

1, 時間の使い方は自分で決める(上司や会社や仕事でなく)

2, 家庭生活を大切にしながら、キャリアアップできる選択肢はある

   (家庭を大事にしたら、キャリアアップの望みはなくなる)

3, 自分にとって本当に大切なものなら、そのすべてをこなす時間は
   十分にある(なにもかもやる時間はない)

を提案するところから始まります。

いろいろなシチュエーションと著者自身の経験や意見、提言がいっぱいつまったよいガイドですが、
最後にでてくる「80歳の自分から今の自分への手紙」を書いてみる、というのは、ちょっと心に引っかかりました。

実践してみる価値はあります。

いづれにしても「(仕事がすべてで流されて)忙しい」という人の、価値基準の再考を促し、
時間の使い方、人間関係、仕事のこなし方、E-Mailなどのこなし方を経て、子育て、
単身者の「バランス」のとれた生き方の指南書です。

私もそうですが、日常「振り回されている」自分を感じたら、
一度走るのをやめて、立ち止まって、本書をお読み、各章にある

課題(?)を試してみることもお奨めします。

(私はこれから試してみようと思っています)

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Posted by fukumoto [Books] ( 12月 08, 2004 10:38 午前 ) Permalink