『グーグルを生むビジネス風土/シリコンバレー精神』
『グーグルを生むビジネス風土/シリコンバレー精神』 梅田望夫著、ちくま文庫
Web3.0の予感を残しつつ 本文庫の価値は、シリコンバレーからの手紙、ではなく、 「文庫のための長いあとがき」という題における、 「これまでのシリコンバレーを振り返り」、来るべき近未来を 展望するところにあります。つまり、ジェットコースターの ように、人類の歴史にない、経済のメカニズムを、怒涛の速度で 生み出していった、シリコンバレーモデルを、その肌で感じた 著者による、ネットの速度のエコノミーのアナトミーです。 その解剖を、将来へ敷衍すると、Web1.0で沸いている時代に グーグルがWeb2.0の基幹検索技術にまい進し、開花したように、 きっと今どこかで次代の覇者となる誰かが、何かに夢中でまい進 している・・それが、シリコンバレー精神だ、という主旨だと 思います。 その地に身をおいて見聞し、投資もし、自らシリコンバレーの人と なった梅田氏による、まだまだ終わっていない、同時代のルポであり、 平行して現代の先端経済の壮大な実験場でもある世界の分析と 予測の書でもあり、『ウエブ進化論』への道程でもある本文庫は、 今でも少しも古くなく、かえって今となってみれば、ということで、 過去の出来事を分析する貴重な証明でもあります。 特に、どんな段階、どんな登場人物、どんな力学で今日に 至り、これから何がおころうとしているのか、を予見する姿勢は 鋭くも、背筋がゾクゾクするところでもあります。
Posted by fukumoto [Books] ( 11月 07, 2006 06:51 午後 ) Permalink
『グリッド—情報社会の未来を紡ぐ 産総研シリーズ』(丸善)
過日の一冊『グリッド—情報社会の未来を紡ぐ 産総研シリーズ』(丸善)http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/462107430X/qid=1110358996/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/250-8917111-1653059 どなたでもそうだと思いますが、色々な必要に迫られて、日本語の「グリッド」本を検索すると、 現時点では、だいたい2冊くらい検索できます。 そこで両方購入するわけですが、まずは、こちらの『産総研』のグリッドコンピューティングに関する書籍がいいと思います。 グリッドコンピューティングというと、各ベンダーや研究所も、国をあげてとりくんでいる最先端(ホットな)分野ですが、 本書には、詳細に、どのような実証実験が行われているか、が図や絵を駆使して描かれています。 また、産総研を核としたグリッドの推進組織(国家事業)にも触れられていますので、その重要性も公平な立場で書かれています。 国家事業ですから、予算のもとは、一部税金だと思いますので、「わかりやすい啓蒙書」ではなく、 「白書」(国家事業の報告書)だと理解して読む本だと感じています。本の体裁が小型なせいか、 字が細かく、内容はかなり専門家向けですが、 この分野に関係ある方なら読みこなせます。
Posted by fukumoto [Books] ( 3月 09, 2005 06:03 午後 ) Permalink | 投稿されたコメント[0]
『暗号と認証』(日経NETWORK編)★★★☆☆
日経ネットワーク雑誌の連載記事をまとめた、入門書で、大変わかりやすかったです。 構成としては、暗号の基礎、対象鍵暗号、公開鍵暗号、暗号化方式など、だいたいの知識範囲は、わかりやすくカバー されています。 認証方式は、方式とキーワードを理解する程度には書かれており入門としては十分でしょう。 最後は、IPSecの基礎知識の理解と、トラブルシューティングですが、 ここを読むと、IPSecを使いこなすには、対応機器などの知識 が必要ということで、二の足を踏みそうになります。 この分野では、最初に読むにはお奨めです。 難点をあえてあげれば、暗号基礎と暗号の中身の章が重複している ことでしょうか。記事再編本ですので、ある程度は仕方ないかもしれません。
Posted by fukumoto [Books] ( 3月 07, 2005 06:14 午後 ) Permalink | 投稿されたコメント[0]
『勝者のIT戦略—ユビキタス時代のウェブメソッド革命』★★★☆☆
ウエブメソッド・統合ソフトの解説本。 といってしまうと、それだけですが、実は、本書では、経営革新、企業組織改革 の重要なテーマが細かく論じられています。 部分最適システムを乱立した結果、無政府状態になったシステムを、企業内ならず、 企業間連携(企業間取引)で、シームレス統合、システム統合を指向している 経営者、管理者、CTO、CIOの方にとっては、大変啓蒙される良書です。 (技術解説も豊富ですので、情報システムを知らないと、読むのは厳しい) 「システム統合」は「ビジネス統合」と不可分。さらに、俊敏な経営、企業間連携を 行って勝ち残っていくためには、「システムのシームレスな統合」「コクピット経営 (ダッシュボード経営)」「標準化への素早い対応」が必要と説きます。 前半は、ウエブメソッドの製品体系、モジュールの詳細な技術解説が続きますが、 それぞれは、経営革新にどう関連しているのか、も書かれており、勉強になります。 後半は、RFIDへの対応、ウエブメソッド社の取り組み、それと、標準化への対応、 Webサービスへの積極的な取り組みが、かなりつっこんで説明されています。 製品仕様本、といって片づけるにはもったいないです。本書で、経営の進むべき道程 と、それを実現するシステムの思想、技術を表裏一体として学ぶことが得策だと 思います。 残念なのは、文章が多く、図表が少ないので、理解するのに、かなり苦労する点も 多々あることです。また技術用語も縦書きでは、ちとつらいです。 いっそ、横組みにして、図版をもっといれれば読みやすかったのではないでしょうか。 章ごとに、ウエブメソッド社の取締役とのインタビューが掲載されており、最後は 共同著者の意見交換の再録になっています。 この辺、構成的に、堅い文章が連続する間に、ブレイクを入れているので、その変は 若干息抜きができるかもしれません。 宣伝が鼻につくのを我慢すれば、経営書として良質です。
Posted by fukumoto [Books] ( 3月 07, 2005 06:11 午後 ) Permalink | 投稿されたコメント[0]
最近の本2冊
『オートノミック・コンピューティングとは何か』(ソフトバンク・パブリッシング)http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797330376/qid%3D1109831943/250-3170416-5160216 ISBN: 4797330376 あまり役にたちませんね、本書。 先進的なテーマとタイトルで早めに出版して、 先行者利得をねらった本としか思えません。 入門書としても大変中途半端です。 どうせこのテーマに取り組みのなら、もっと解説を詳しく書き込んでほしかったです。 最初はいいのです。 現在のITシステムの問題点を整理し、自律コンピューティングへのロードマップと展望を解説していますので、 ある程度の参考にはなりますが、ネット上で読める情報以上のものはありません。 次からがいけません。 各社の同行は、おそらく、各社の情報源やカタログ、発表資料からそのままをもってきて掲載しただけ。 その後は、コアテクノロジー、標準技術の解説で、ここも抽象的な概観まで。 詳細は省略です。説明不足ですね。 それから後半、本書の半分は、ACツールキットの実際のインストール から、デモ環境構築までのマニュアル(でもなく、概説)が延々画面のスナップを使って解説されます。 こんな解説の章、読み手はおもしろいと思うでしょうか? 個人的には、大いに疑問です。 ACツールキットの解説は概要にして、歴史的な経緯や、標準化技術、アーキテクチャや思想などをもっと細かく解説したほうが よかったのではないでしょうか。 このテーマに関わる方は、読まないより読んでおいたほうがいいと思いますが、テーマが広範で深いだけに、用語をちりばめて、概念 先行で入門書とするには、かなり無理があると思います。 カタログ代わりの情報収集と割り切れば、本棚においておいても損は ないでしょうけど、技術はどんどん進歩変化することを思えば、 今読む必要がどれだけあるか、疑問です。
『グリッド・コンピューティングとは何か』(ソフトバンク・パブリッシング)http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797323396/ref=pd_sim_dp_1/250-3170416-5160216 ISBN: 4797323396 グリッドコンピューティングの全貌が実装レベルで学べます 外見からは、このテーマのわかりやすい入門書のように見えますが、まったく違います。 グリッド・コンピューティング自体、歴史、思想、広範な要素技術、標準化技術の総合テクノロジーですから、 本書を読むには、かなりの下地になるIT、Web系の知識、特に、 用語知識や概念、さらに、Java,UNIXなどの実装知識が必要です。 なお、本書の分量の目安ですが。 前半は、グリッド・コンピューティングの概説で、歴史的経緯の考察、関連プロジェクト、必要な技術を概観しています。 「砂時計モデル」を使ってレイヤリングの解説をしていますが、ここは勉強になります。 中盤は、Globus Toolkit 2をベースにした各種サービスの詳細な解説が続きます。かなり細かな仕様解説になります。 最後は、Globus Toolkit 3の2からの相違点、Webサービスの標準、実装、記述の詳細。その後、Toolkitを使った実際の簡単な構築 のマニュアルもどきになっています。 本書の残りの4分の1は、付録で、Toolkit3の手引き書です。 特に、ハードルが高そうなのは、Toolkitのセキュリティである、 PKI、公開鍵暗号方式の解説は、PKIの勉強経験がないと、かなり高度 なじみがない方には理解が困難と思われます。 さらに、中盤、Webサービスの解説も、事前に知識がないとつきていけないと思われます。 これ以外に、当然、Globus Grid Forum(GGF)が策定したスキームや アーキテクチャ、用語、さらに加えて、技術用語、ネットワークなど 広範囲な技術用語が山盛りで書かれていますが、 それぞれは、簡単な説明になっていますので、理解するにはかなりホネがおれます。 まじめに読むと、仕様説明書をただただ、読んでいくような、 結構つらい作業になります。 でも、関係する方は、一度は読んでおいて損はありません。 といいますか、読まないと、仕事にならないのでは? 現在、このテーマで、ここまで実装レベルに関して詳細に解説された 日本語の書籍は、たぶん、まだないと思いますので。 [注]『グリッド・コンピューティング』(丸善、産業総合研究所)は、以前読みましたが、こちらも かなりヘビーな内容でした。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/462107430X/qid=1109831974/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/250-3170416-5160216 ISBN: 462107430X
Posted by fukumoto [Books] ( 3月 03, 2005 03:34 午後 ) Permalink | 投稿されたコメント[0]
今日の一冊『いつも「忙しい」を言い訳にする人たち』
【今日の一冊『いつも「忙しい」を言い訳にする人たち』】ヴィレッジブックス(文庫) ベス・ソーイ著 大野晶子訳 仕事と家庭、さらに自分の本当に大切なものに時間や資源を 「バランス」させて生きていくための指南書です。 著者は、女性で、チャールズ・シュワブ証券元副社長という 立派な肩書きです。 がむしゃらに仕事に邁進するより、スローキャリア?な生き方をする方へのガイドです。 著名人の名言がたくさんちりばめられていると同時に、たとえ話で章を初めており、 おもしろく読めます。 翻訳は大変こなれており、違和感はありません。 -- ここからは、あま*ん、に出した書評です。念のため。 -- 限られた人生の時間を、どうバランスをとって生きていくか? 職業人(男性も女性も、単身者も既婚者も)として、仕事に生きるのか、生活の糧としての仕事と、 本当に自分のやりたいことを両立させて生きていくのか? この難問に、元チャールズ・シュワブ副社長のキャリア・ウーマンが挑んだのが本書です。人生指南書です。 「バランスのとれた」生き方をするには、自分の価値基準を確立し、時間配分の優先順位をつける必要があると説きます。 その上で、「仕事に対する新しい概念」として、 1, 時間の使い方は自分で決める(上司や会社や仕事でなく) 2, 家庭生活を大切にしながら、キャリアアップできる選択肢はある (家庭を大事にしたら、キャリアアップの望みはなくなる) 3, 自分にとって本当に大切なものなら、そのすべてをこなす時間は 十分にある(なにもかもやる時間はない) を提案するところから始まります。 いろいろなシチュエーションと著者自身の経験や意見、提言がいっぱいつまったよいガイドですが、 最後にでてくる「80歳の自分から今の自分への手紙」を書いてみる、というのは、ちょっと心に引っかかりました。 実践してみる価値はあります。 いづれにしても「(仕事がすべてで流されて)忙しい」という人の、価値基準の再考を促し、 時間の使い方、人間関係、仕事のこなし方、E-Mailなどのこなし方を経て、子育て、 単身者の「バランス」のとれた生き方の指南書です。 私もそうですが、日常「振り回されている」自分を感じたら、 一度走るのをやめて、立ち止まって、本書をお読み、各章にある 課題(?)を試してみることもお奨めします。 (私はこれから試してみようと思っています) ----
Posted by fukumoto [Books] ( 12月 08, 2004 10:38 午前 ) Permalink

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/462107430X/qid=1110358996/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/250-8917111-1653059
どなたでもそうだと思いますが、色々な必要に迫られて、日本語の「グリッド」本を検索すると、
現時点では、だいたい2冊くらい検索できます。
そこで両方購入するわけですが、まずは、こちらの『産総研』のグリッドコンピューティングに関する書籍がいいと思います。
グリッドコンピューティングというと、各ベンダーや研究所も、国をあげてとりくんでいる最先端(ホットな)分野ですが、
本書には、詳細に、どのような実証実験が行われているか、が図や絵を駆使して描かれています。
また、産総研を核としたグリッドの推進組織(国家事業)にも触れられていますので、その重要性も公平な立場で書かれています。
国家事業ですから、予算のもとは、一部税金だと思いますので、「わかりやすい啓蒙書」ではなく、
「白書」(国家事業の報告書)だと理解して読む本だと感じています。本の体裁が小型なせいか、
字が細かく、内容はかなり専門家向けですが、
この分野に関係ある方なら読みこなせます。
ウエブメソッド・統合ソフトの解説本。
といってしまうと、それだけですが、実は、本書では、経営革新、企業組織改革
の重要なテーマが細かく論じられています。
部分最適システムを乱立した結果、無政府状態になったシステムを、企業内ならず、
企業間連携(企業間取引)で、シームレス統合、システム統合を指向している
経営者、管理者、CTO、CIOの方にとっては、大変啓蒙される良書です。
(技術解説も豊富ですので、情報システムを知らないと、読むのは厳しい)
「システム統合」は「ビジネス統合」と不可分。さらに、俊敏な経営、企業間連携を
行って勝ち残っていくためには、「システムのシームレスな統合」「コクピット経営
(ダッシュボード経営)」「標準化への素早い対応」が必要と説きます。
前半は、ウエブメソッドの製品体系、モジュールの詳細な技術解説が続きますが、
それぞれは、経営革新にどう関連しているのか、も書かれており、勉強になります。
後半は、RFIDへの対応、ウエブメソッド社の取り組み、それと、標準化への対応、
Webサービスへの積極的な取り組みが、かなりつっこんで説明されています。
製品仕様本、といって片づけるにはもったいないです。本書で、経営の進むべき道程
と、それを実現するシステムの思想、技術を表裏一体として学ぶことが得策だと
思います。
残念なのは、文章が多く、図表が少ないので、理解するのに、かなり苦労する点も
多々あることです。また技術用語も縦書きでは、ちとつらいです。
いっそ、横組みにして、図版をもっといれれば読みやすかったのではないでしょうか。
章ごとに、ウエブメソッド社の取締役とのインタビューが掲載されており、最後は
共同著者の意見交換の再録になっています。
この辺、構成的に、堅い文章が連続する間に、ブレイクを入れているので、その変は
若干息抜きができるかもしれません。
宣伝が鼻につくのを我慢すれば、経営書として良質です。
ヴィレッジブックス(文庫)
ベス・ソーイ著
大野晶子訳
仕事と家庭、さらに自分の本当に大切なものに時間や資源を
「バランス」させて生きていくための指南書です。
著者は、女性で、チャールズ・シュワブ証券元副社長という
立派な肩書きです。
がむしゃらに仕事に邁進するより、スローキャリア?な生き方をする方へのガイドです。
著名人の名言がたくさんちりばめられていると同時に、たとえ話で章を初めており、
おもしろく読めます。
翻訳は大変こなれており、違和感はありません。
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ここからは、あま*ん、に出した書評です。念のため。
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限られた人生の時間を、どうバランスをとって生きていくか?
職業人(男性も女性も、単身者も既婚者も)として、仕事に生きるのか、生活の糧としての仕事と、
本当に自分のやりたいことを両立させて生きていくのか?
この難問に、元チャールズ・シュワブ副社長のキャリア・ウーマンが挑んだのが本書です。人生指南書です。
「バランスのとれた」生き方をするには、自分の価値基準を確立し、時間配分の優先順位をつける必要があると説きます。
その上で、「仕事に対する新しい概念」として、
1, 時間の使い方は自分で決める(上司や会社や仕事でなく)
2, 家庭生活を大切にしながら、キャリアアップできる選択肢はある
(家庭を大事にしたら、キャリアアップの望みはなくなる)
3, 自分にとって本当に大切なものなら、そのすべてをこなす時間は
十分にある(なにもかもやる時間はない)
を提案するところから始まります。
いろいろなシチュエーションと著者自身の経験や意見、提言がいっぱいつまったよいガイドですが、
最後にでてくる「80歳の自分から今の自分への手紙」を書いてみる、というのは、ちょっと心に引っかかりました。
実践してみる価値はあります。
いづれにしても「(仕事がすべてで流されて)忙しい」という人の、価値基準の再考を促し、
時間の使い方、人間関係、仕事のこなし方、E-Mailなどのこなし方を経て、子育て、
単身者の「バランス」のとれた生き方の指南書です。
私もそうですが、日常「振り回されている」自分を感じたら、
一度走るのをやめて、立ち止まって、本書をお読み、各章にある
課題(?)を試してみることもお奨めします。
(私はこれから試してみようと思っています)
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