水曜日 1 23, 2008

まもなく1月16日版ブログの翻訳が出来上がります。今回はMySQL ABの買収の話なので興味のある人も多いでしょう。ひとつ面白い表現があったので紹介します。"arm's length"という表現です。ブログでは2箇所に出てきますが、微妙に異なる意味で使われています。

1) We've historically worked at arm's length to optimize MySQL on Sun's platforms.

2) I've asked our team to negotiate an arms' length commercial transaction, prior to closing,

 "arm's length"は文字通り「腕を伸ばせば届く距離」という意味ですが、これを近いと感じるかは状況によります。会社の同僚ならば「近い」という感じになりますが、恋人ならば「よそよそしい」感じにもなります。上記においては、1)は「近い」に力点があるのに対して、2)では、「近過ぎない」に力点があります。細かな部分ですが、まさにMySQLとSunの関係の変遷を反映しているのが面白いです。

ちなみに、"arm's length transaction"で検索して調べてみたところ、契約書等で使われる専門用語であることが分りました。互いに独立した主体として行う取引とのことです。翻訳では、正確を期すために「アームス・レングス取引」とする方法もありますが、これだと一般には何を言っているのか分らないという問題があります。さて、どうするか。。。

 

火曜日 11 06, 2007

カタカナ英語は、その元となった英語とは異なった意味で理解され、使われることが少なくありません。そのひとつが、「ダイエット」です。日本では「痩せること」という意味に理解している人が多いように感じます。私の周りでは、「痩せるための努力」と誤解しているのでは、と思われる人さえ見受けられます。

"diet"には「痩せる」という意味はありません。もともと食べ物や食事という意味ですが、規則に従って用意された美味しくないものという印象があります。"diet"が痩せることと幾分でも関連して使われるのは、食事制限の意味においてです。食べ物の量や質をコントロールすることにより、減量を図るという意味で使われることがあります。英語の表現で言えば"go on a diet"等がこれにあたります。商品名ですが"Diet Coke"も分りやすい例でしょう。日本語の使用例では、「りんごダイエット」とか「黒酢ダイエット」はまだ良いのですが、「ジョギング・ダイエット」とか「二の腕ダイエット」とかになると、わけが分らなくなってきます。

 今回のJonathanのブログで問題になったのは、次の表現です。

It's one thing for waist-conscious consumers to avoid high carb diets.

翻訳のドラフトでは『ウエスト・サイズが気になる消費者が高炭水化物ダイエッ トを避けることと、。。。』となっていましたが、これだと意味がとおりません。『ダイエットを避ける』ともっと太るのではないでしょうか。翻訳では"diets"を『ダイエット』とカタカナ表記にしているだけなので、間違いとまでは言えませんが、そもそも『ダイエット』の意味を誤解している日本の読者には分り難い表現です。そこで『高炭水化物食品を避けること』というように直しました。 『食品』という漢字を用いることにより誤解の余地はなくなったと思います。翻訳としては正しいにも関わらず、日本の読者には誤って理解される例として面白いと思いました。

今回のブログは、最新のNiagara 2 のチップが如何にエネルギー効率が良いかという話です。黒酢ダイエットや二の腕ダイエットとかとはあまり関係ありません。

木曜日 11 01, 2007

Jonathanのブログは日本語を含め10ヶ国語に翻訳されています。しかしその翻訳は簡単ではありません。Jonathanの新しいブログが出るたびに世界各地の翻訳者からの悲鳴が聞こえてくるようです。

翻訳を難しくしている理由のひとつがJonathanが多用する比喩です。最新の技術や業界の動向を良く理解していないと訳し損ねます。日本の読者にも比喩が正しく伝わるようにと努力しているのですが、あまり説明的になるとJonathanが比喩を使った意図からずれていってしまいます。

内容が理解出来ない場合には、インターネットで検索したり、人にたずねたりします。先日の「ボリウッド」は意味は分ったのですが、それがブログの内容とどう関連しているかについて、今ひとつ理解出来ませんでした。しかし、おかざきさんや工藤さんのおかげで疑問氷解です。確かにボリウッドにはたくさんの映像データがあるはずですので、ブログの内容 ― 増えつづける映像産業のデータにSunはどう対応するか ― に合致します。さらにその上に"Going Hollywood"という映画があったことまで指摘できれば満点かと思います。

翻訳では「ボリウッドで行こう」になっています。"Going Hollywood"からの連想では、「ボリウッドへ行こう」でも良かったかもしれませんが、実際に行くわけではないので、気弱に「で」になっています。

月曜日 10 29, 2007

まもなく10月7日の翻訳が出来上がります。

そのタイトルが本日の話題です。「ボリウッド」、地名なのでそのままカタカナにしてありますが、これだと意味は分からないですよね。

調べてみるとBollywood(ボリウッド)は、Bombay(今のムンバイ)とHollywoodから成り、米国のハリウッドに対応するインドの映画産業を指す言葉であることが分かりました。しかし、Jonathanのブログの中ではBombayのこともインドの映画産業のことも触れられていません。では、なぜ、この言葉をタイトルに使ったのでしょう?これはJonathanの新たな造語ではないかというのが私の想像です。

Binary + Hollywood ! 

きっとそうだと思うのですが、根拠があるわけではありません。。。

 

水曜日 10 24, 2007

もうじき10月1日のブログの翻訳が出来上がります。

"All the Wood Behind One Arrowhead"も"The Network is the Computer"ほどは有名ではありませんが、Sunの経営者が重要な決断をした際によく使われるスローガンのひとつです。最初は、それまで使っていたモトローラのチップを止めて、SPARCチップに注力することを宣言した際にScott McNealyによって使われました。私はそのときには社員ではなかったのですが、それがどれだけ重要な決断であったかは良く理解できます。

Sunは技術革新の会社です。技術の革新そのものは技術者によってもたらされるものですが、それをどう取捨選択して、経営資源を分配するかはSunのような会社の経営者にとって重要な決断となります。もちろん決断するだけでは不十分で、それを社内の人や組織に徹底しなければなりません。そのときに使われるのがこの"All the Wood Behind one Arrowhead"というスローガンです。その意味で、"The Network is the Computer"は外向けのメッセージであるのに対して、この"All the Wood Behind One Arrowhead"は内向けのメッセージであると言えるかもしれません。

さて今回Jonathanはどんな決断をしたのでしょうか。それはブログをお読み下さい。

This blog copyright 2008 by Yasushi Iwakata