木曜日 3 26, 2009

サンのネットワーク技術の革新 (3/4)

前回のブログ(英語)で述べたように、私は現在、サンの3つの重要な戦略的責務と来年度に向けた進捗を再確認しているところです。サンの戦略的責務を優先順に挙げると次のようになります。

1. テクノロジーの選択
2. 市場革新
3. 1と2の効率的な関連付け

今回のブログでは、2番目の市場革新を中心に、サンの収益を生み出す中核的製品、サービス、および戦略についてお話します。

これまでの記事から、市場拡大のためにサンがとっているアプローチは、主要テクノロジーの選択により市場を拡大していることであるとご理解いただいている と思います。サンの基盤技術を1つでも使い始めたときから、それらの技術の革新は利用するユーザの皆さんにも影響を与えることになります。無償で配布され るオープンソース・ソフトウェアの利点は、サンがお客様を開拓しなくてもユーザの方からサンを選択してくれる点です。

無償のソフトウェア配布から、3つの非常に重要な市場が生まれました。ここでは、最初の2つである、製品とサービスの販売を中心にお話しましょう。

1つ目の市場は明らかです。ダウンロードしたソフトウェアは、何かの上で実行する必要があります。

システムの技術革新
ソフトウェアを実行する場合、それを支えるプラットフォームが必ず存在します。もちろん、それは学生が使ってい るようなラップトップでも構いません。* しかし、Fortune 500企業なら、おそらくサーバやストレージ、ネットワーク機器が該当するでしょう。データセンター・システム市場は、今や年間1,500億ドルを超える 市場です。

このデータセンター市場に対して、サンは非常に高速なエントリ・レベルのサーバから、効率性に優れたメインフレーム・クラスのシステムまで、他に 類を見ないシステムを提供しています。超高速ストレージとしては、新しいフラッシュ・ベースのプラットフォームから環境効率の高いテープ・ソリューション やアーカイブ・ソリューションまで取り揃えています。さらに、世界最大のスーパー・コンピュータをサポートする世界最速のネットワーク・スイッチを開発し ました。このような多彩な製品展開とともに、業界有数のパートナー企業と連携して世界中のお客様をサポートしています。JavaやMySQL、 Lustreをはじめとする自社テクノロジーに力を入れているだけでなく、VMwareやMicrosoft Windowsにも最適化しています。またサンのプラットフォームは、Oracleの性能を最も引き出すシステムとして一般的に認知されています。

皆さんは、私がこれらのシステムを「ハードウェア製品」ではなく「システム製品」と呼ぶことに気付かれたでしょうか。これらのシステムは、単なるハード ウェア・コンポーネントとは明らかに一線を画しており、リモート管理とリモート監視、冗長化コンポーネント、仮想化技術の統合、オンボードのストレージと ネットワーキングを搭載しています。サンの利益率が業界標準より高いのはそのためです。*** 私はサンのシステムズ・チームをとても誇りに思っています。世界で最も優秀なエンジニアであり、製品レビュー(英語)でも常に高い評価を得ています。

ところでこの市場は今後どのような方向に進んでいくのでしょうか?以下では、今後、面白い展開になりそうな分野についてお話します。

データセンター・システムの収束化 - プレーヤーは誰か?そして勝者は?
すでにお話したように、汎用マイクロプロセッサとオペレーティング・システムとの速度が向上した結果、専用デバイスの必要性が希薄になりつつあります。つ まり、サーバを使ってルータを構築することはできますが、どんなに頑張ってもルータを使ってサーバを構築できないのと同じです。ストレージ・デバイスにつ いても同様です。

このことは、サンの幅広いストレージ・システムが、オープンソース・ファイル・システムのSolarisやZFSを含む、汎用サーバ部品 を使って構築されているという事実からも明らかです。その結果、他のベンダが自社シリコンを開発するか、価格を上げるかの選択に迫られている間に、サンは ソフトウェアの技術革新を推進しています。また、すでにサンのポートフォリオで提供しているシリコンとソフトウェアをベースとした同様の幅広さを提供する ネットワーキング・プラットフォームの開発も計画しています。

ストレージ業界とネットワーキング業界の専有アプローチ (およびその総利益の流れ) が、今やサンのような汎用プラットフォームを提供する陣営に開かれようとしています。これはお客様にとっても、もちろんサンにとっても嬉しい変化です。

この収束化の中核にあるのはSolarisとそれをサポートするZFS (サンの全ストレージ・ラインの主軸) やCrossbow (サンの魅力的なネットワーク製品) などのテクノロジーです。ZFSやCrossbowに興味をお持ちの技術者の方は、OpenSolaris.orgをご覧いただくか、 OpenSolaris CDを取得してください (CDの画像をクリックしてください)。

明確に説明するため、以下に図を掲載します。これら3つの市場 (サーバ、ストレージ、ネットワーク) は、基盤となるサーバ・オペレーティング・システムとマイクロプロセッサの純粋な機能によって収束化が推進されました。

つまり、この隣接する市場がすべて、サンとSolarisコミュニティに開かれているのです。安価な汎用コンポーネントはサンの大きな強みの1つですが、そのほかにも有利な点がいくつかあります。汎用OSを使用することで、専用コンポーネント (フラッシュメモリ(英語)か らGPUまで) にも対応でき、ソフトウェアによって新しいストレージやネットワーク・プロトコルすべてに適応します。基盤となるOSとサーバが非常に高速なので、これら の拡張や強化は機能のアップデートにすぎません。またサーバ、ストレージ、およびネットワーク全体で利用できます。

私は、ネットワーキング・コンポーネントやストレージ・コンポーネントが独自のオペレーティング・システムを持たないと言っているわけではありま せん。独自のオペレーティング・システムは存在します。しかし、いずれにしてもそれらは専有OSでありユーザ数はきわめて少数です。オープン・スタンダー ドやLinuxコミュニティに属していると言うものの、そのコア・オペレーティング・ソフトウェアは開発者に公開されていません。つまり実際は専有的なの です。このようにニッチなOSには、業界をまたいだサポートもありません。IBM、Dell、Intel、富士通、HPとの間で結ばれたSolaris OEM契約が当社のエンド・ユーザにとって重要である理由がここにあります。つまり、多くのパートナーを持つサンなら、閉じた専有的な製品に完全に依存し てしまうことがありません。現在のストレージ・ベンダとネットワーク・ベンダは、高価なソフトウェアが高価なハードウェアに拘束されていた1990年代後 半のサーバ・ベンダを思い起こさせます。これらの閉じたサーバ製品は、最終的に技術革新によってオープンにならざるを得ませんでした。

サンでは、オープン・ソースはサーバに限られたものとは考えていません。データセンター全体でオープン・ソースを利用すべきです。

利益はどこから?
では、この収束化の経済的背景を考えてみましょう。サーバ市場は、ストレージ市場やネットワーキング市場よりはるかに競争が激しいので、ネットワーク・ベンダやストレージ・ベンダがサーバ市場に参入しようとする場合、利益率の低下は免れません。

しかし、サンはストレージ市場やネットワーク市場での拡張に伴い、利益率も向上しました。プラットフォーム・ベンダの中でもサンは独自の存 在です。サーバ、ストレージ、ネットワーク、仮想化技術を独自の方法で非常にスムーズに統合し、サンが設定した価格で販売しています。サンは、同業他社と どのように差別化をしていくのでしょうか。

答えは簡単です。サンでは、統合、技術革新、そしてオープン・ソースおよびコモディティ化されたコンポーネントを基盤にするため、低コストで製品を供給す ることができます。しかし競合他社は、あらゆる不本意なパートナーシップや複雑なリセール契約を結ばざるを得ません。その結果、製品を販売しても、プラッ トフォーム・ソフトウェアや収益の流れをコントロールすることができません。

現在、サンのシステムズ関連の業績はどうなっているでしょうか?ソフトウェアの導入によって大きく影響を受ける部分、つまり主としてすべての製品 のローエンド部門の業績は、成長率が10%を超えるなど極めて順調です。システムズ関連の業績で伸び悩んでいるのは、ハイエンド・システム市場なのです。 これは、2つの事情を反映しています。第1に、ハイエンド・システムの導入が先送りされているという事実です。わずか1年前、サンのハイエンド部門は 20%の成長率を示していました。ところが2008年の12月四半期に20%以上も下落したのです。業界全体で、お客様が高額な購入を見合わせています。

第2に、おそらくより重要な問題は1990年代に決定された、Intel版Solarisの提供中止です。この決定は、サンのSPARC ハードウェア・ビジネスが保護されるだろう、という考えに基づいた結果でした。しかしこの失策により、Solarisは1世代分の開発者を失い従来の SPARCハードウェアの代替品が急速に台頭したのです。サンが開発者を大切にするのはこのためです。開発者は豊かな森を育てるための種子なのです。根に 水をやらなければ、木は枯れてしまいます。

しかし、開発者にソフトウェアを無償で提供し、どのようにして利益を得ることができるのでしょうか。そこで次に、ソフトウェアとサービスについてお話しましょう。

タダほど高いものはない
私のお気に入りの逸話を1つ紹介しましょう。ある米国企業は、クリスマス当日だけで年間売上の約30%を得 ていました。その企業は携帯電話を販売しており、その端末はクリスマス・プレゼントとして人気でした。そのほとんどが、約48時間以内に箱から取り出さ れ、インターネット上でセットアップされるのでした。あるとき、サンはこの企業のデータセンター・システムを落札したのですが、その企業のCIOは発注書 に1つ条件を付け加えたのです。それは自宅の電話番号を教えるという条件でした。彼は、こういったのです。「もしクリスマスに問題が起こったら、電話する ので問題解決に全力で当たって頂きたいのです。」私は喜んで電話番号を渡しました (それ以降、私も直属の部下の自宅電話番号を聞くようにしています)。その年のクリスマスは、何事もなく過ぎました。

1年後、この企業はいくつかのソフトウェアを発注してくれました。私はCIO (とサンの販売担当者) を少し驚かせようと思い、彼が発注書を渡す前に、それらの製品はすべてオープン・ソースなので無償でダウンロードできると伝えました。

CIOは私を見て、それから販売担当者の顔を見て尋ねました。「えっ?それならこの100万ドルはどういうことですか?」私は、「すべてまったく無償で 使ってください。その代わりクリスマスに電話しないでください。ご自身で対処してくださいね」と答えました。すると、CIOは、発注書を私に渡しました。 この企業にとって、ダウンタイムのコストはライセンスやサポートのコストをはるかに上回るものだったのです。

統計上、開発者やテクノロジー・ユーザの多くは、時間よりお金の方が貴重です。このブログの読者の皆さんの多くは、サポート・サービスのないソフトウェア に満足していると思います。サンもそれを喜んで提供しています。しかし、一部のユーザはダウンタイムのコストが、ライセンスやサポートの価格を大幅に上回 ります。企業によっては、ダウンタイムのコストが1分間で数百万ドルに相当します。数多くの小包のトラッキング、無数の航空機の追跡、緊急時対応ネット ワークの運用、商品・証券取引所の運営などに関係する人々にとって、ほとんどの場合お金より時間が重要なのです。サンのビジネス・モデルは、このような層 をターゲットにしています。優れたサービス、サポート、企業向けテクノロジーを、お金より時間が重要なお客様に提供しています。そして、このビジネスは成 功しています。

サンのソフトウェア・ビジネスは、サンの中でも最も成長著しい部門の1つです。このブログの最後に、最新の決算報告書を掲載しました。サ ンが提供する製品は、ネットワーク・アイデンティティ (OpenDSコミュニティとの共同開発) からアプリケーション・インフラストラクチャ (GlassfishおよびOpenESBとの共同開発)、データ管理 (MySQL、ZFS、Lustreとの共同開発)、および組込みソフトウェア (Javaや新しいJavaFXなど) さらにはコア・オペレーティング・システムと仮想化ソフトウェア (Solaris、OpenSolaris、VirtualBox) まで多岐にわたります。このようなオープンソース・プラットフォームは、付帯サービスを除いて年間10億ドル以上を売り上げており、世界最大のオープン ソース・ソフトウェア企業としてのサンの地位に貢献しています (Javaで利益を得ているのかという質問に対する答えはイエスです。Javaのビジネスは順調に成長し、今年はサーバを除くコンシューマ・デバイスのみ で2億5,000万ドルに届く見込みです。社内で最大のビジネスの1つと言えます)。

これらの製品は、毎日世界中で導入され、大学のカリキュラム、企業内での試用、デザイン・ウィン、スキルへの影響、...さらには大統領選の選挙運動までもサポートしています(英語)。 ソフトウェアのダウンロードがすべて収益につながるわけではないのは理解していますが、サンの認知度を高め、ソフトウェアの試用につながります。そして、 その中の少数ではありながら、貴重な一部分が収益と利益率に寄与しているのです。サンの販売担当者が意識しているのは発注書の額であって、ダウンロード数 ではありません。収益はサービス契約期間にわたってもたらされます。これが、少なくとも大量販売市場にいる同業他社がいずれとらざるを得ないビジネス・モ デルなのです。無償のオープン・ソフトウェアに勝とうとすることは、無償のニュースや無償の検索さらには重力に勝とうとするようなものなのです。そして、 不況下ではこの重力が通常より大きくかかるものです。

結論
このブログでは、ターゲットを絞った高価値の技術革新により、製品の導入から収益を上げる方法を簡単に紹介しました。

サンは、x86/SPARCサーバ、ストレージ、ネットワークなどの世界で最も効果と効率に優れたシステム・ラインナップに加え、組込みソフトウェアから高性能ファイル・システムまで、世界有数のソフトウェア製品とサービス製品を提供しています。

サンでは、これらの製品を「ネットワークの技術革新」と呼んでいます。これが業界の一般的な分類でないことは承知しています。しかし、一般的な分類に挑むことこそ革新ではないでしょうか。

今回のブログでは、大量導入によって生まれる3つの販売チャンスのうち、2つまでを紹介しました。このシリーズの最終回では、最も重要な点として、ここで 紹介した技術革新によってどのような市場が生まれるのか、また市場全体が大きく変化するのはどの市場かについてお話したいと思います。The Network is the Computerを具体的にご説明します。

またお会いしましょう。

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i学生ユーザを軽く見ているかもしれませんが、世界最大のインターネット企業やデータセンターのいくつかは、学生のラップトップから始まりました。このような傾向は今後加速するものと予測されます。

iiたとえば、サンのx86システムの業績は、前四半期に11%以上増加しました。一方、HPとIBMの両社は10%減に終わっています。サンの差別化戦略については、実際にお使いのお客様に尋ねてみてください。

iii業界内の標準的なサーバ・ベンダとの比較によります。

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火曜日 3 24, 2009

テクノロジーの選択 (2/4)

前回のブログ(英語)で述べたように、私は現在、サンの3つの重要な戦略的責務と来年度に向けた進捗を再確認しているところです。サンの戦略的責務を優先順に挙げると次のようになります。

1.テクノロジーの選択
2. 市場革新
3. 1と2の効率的な関連付け

今回のブログでは、最優先課題である「テクノロジーの選択」に焦点を置きます。選択は非経済的な事象です。費やされるのはお金ではなく、時間だけですが、それでも多大な経済効果をもたらします。例を挙げてみましょう。

去年、重要なお客様とお会いした際、ミーティングの前にアカウントの概要に目を通して、両社の関係が順調であることを確認しました。その企業のダウンロー ド・アクティビティの分析を見ると、SolarisとOpenSolarisを多く利用しており、社内にはMySQLユーザの大きなコミュニティもありま した。ミーティングの席で、そのCIOは「Solarisの方向性を好ましく思っている」と語りました。そこで、MySQLでお手伝いすることはあります かと尋ねると、「MySQLの利用は私が禁止しました」という返事が返ってきたのです。

どうやら「買い」信号が出ているとは言えないようです。

私は驚き、「なぜですか?」と理由をたずねたところ「当社の標準はOracleで、2万人の開発者を抱えており、スタッフはその規則に従う必要があるので す」と答えました。私は、サンがOracleと非常に良好な関係を持っていることも伝えました。そして、Oracleがサンの新しいオープン・ストレージ 製品上でいかに高速に動作するかを説明しようとすると、彼は私をさえぎって、「でも、私が禁止したことは失敗だった」と言うのです。「毎年、新卒を採用し ていますが、みんなMySQLの知識を持っています。私のプロトタイプはすべてMySQLに書き込まれています。現在では、大規模な基盤のMySQLアプ リケーションを抱えるようになっており、それを手放すつもりはありませんし、これだけ多くのMySQLプログラマを再教育するつもりもありません。という わけで、ぜひビジネスを進めさせていただきたいと思います」。

これが、現場における選択です。ITにおける変化は、組織のトップダウンで推進されることもありますが、多くの場合、ユーザと開発者から推進されるのです。

技術革新 対 技術革新の再販
このような選択を間違うことによる損失は何でしょうか?サンが、Microsoft WindowsまたはRed Hatを実行する1Way x86サーバを再販する場合、売上総利益率は (最善でも) 10%です。この利益率で生き残れる会社は多くはありません。さらに重要なことに、他社の製品を再販する場合、カスタマー・リレーションシップは、CIO や技術担当ダイレクタとの間に構築されるのではなく、リバース・オークションのWebサイトで構築されます。テクノロジー企業が、自社が所有しない製品を再販する場合も同様です。価格を下げる以外、他社との差別化を生み出すことは不可能です。サプライヤは価格を引き下げることができるし、また常にそうしているのです。

一方、ユーザがストレージをZFSで構築する、ネットワークをCrossbow(英語)で構築する、アプリケーションをMySQLで構築するなど、サンの製品を選ぶ場合、お金を払ったかどうかにかかわらず、サンにとっては機会が創出されています。将来的な可能性が生み出されているのです。これは、「プラスのオプション価値」と呼ばれます。

財務的な側面について細かい説明はしませんが、耐年制限における収益循環の純現在価値(英語)が1回の購入の価値を上回る場合、金銭的な価値を生じさせる製品やサービスは、無償で配布されるか (ソフトウェアのように、制限額がない場合)、助成(英語)さ れる (ハード・コストがある場合) ようになります。だから、無償のクレジット・カードや、無償の銀行口座、無償の携帯電話、1か月無償の家賃、無償のソーシャル・ネットワーキングなどが、 これほど存在するのです。テクノロジーの世界では、無償であるということは新しい基準になっています。

無償のマーケット
また、Amazon、Google、EBay、Skype、Yahoo!、Facebook、Hi5、 MySpace、Baidu、TenCentなど、インターネットで最も価値の高いブランドが「すべて」無償なのもそのためなのです。これらのブランド は、他の大多数の消費者ブランドよりも訴求効果が高く、より親しまれています。テクノロジーの市場では、同じことがLinux、Java、MySQL、 Firefox、Apache、Eclipse、NetBeans、OpenOffice.org、OpenSolaris(英語)について言えるでしょう。無償こそがユニバーサルな価格です。通貨の換算も必要なく、幅広い市場に訴求しています。

ところで、Amazonはお客様が買い物をする際に手数料を取れるでしょうか?銀行は口座開設のときに手数料を取れるでしょうか?Googleは検索のと きに手数料を取れるでしょうか?サンはMySQLやOpenOffice.orgをダウンロードするときに手数料を取れるでしょうか?可能は可能ですが、 それによってこれらのブランドは数日のうちに崩壊してしまうでしょう。無償にしないということは、当然のことながら、費用をかけることができない、また は、その準備がないユーザにはサービスを提供できないということになります。つまり、対象が限られたものになり、競合他社がすでに無償の場合には、崩壊の一途をたどることになります。

Microsoftは、私が上記の企業に含めなかった唯一の会社です。私はMicrosoftを優れたブランドとみなしていますが、Microsoftは 製品の配布から利益を上げながら実際にほとんど「無償」とみなせる唯一の会社です。実のところ、Microsoftは世界中のすべてのPCにバンドルされ ており、これらのPCを使用するユーザには無償に見えます。Microsoftは配布により強固な力を蓄積しているため、PCを購入するときに Windowsの代金を支払っていると思っているユーザはほとんどいないのです。

そのため、WindowsのPCを使用する開発者 (サンの対象市場) にとって、Microsoftの製品は、事実上すでに無償なのです。(補足: Microsoftですら新しいユーザに訴求するために、いや応なく無償配布に移行(英語)してきていることを考えてみてください。ある時点で、すべての製品をすべてのコンピュータにバンドルすることはできなくなります。それは、日曜版を毎日欠かさず発行するようなものです)。

サンが主なソフトウェア資産を世界中で無償配布しているのは、まさにそのためです。無償でない場合、ユーザと開発者は他社の無償製品を選択する (または、無償と思われる製品を単に使用する) 可能性があります。そして、ユーザが他社の製品を選択し、ビジネスやアプリケーションを構築すると、サンは再販業者になります。それは、サンのミッション でもビジネス・モデルでもありません。我々が目指すのは、あらゆる意味において無償のマーケットなのです。

私が、ブログの最初で触れた顧客は次のように言っています。

「サンを訪問したことは過去5年間ありませんでしたが、突然、サンは我々の開発者にとって重要に位置づけになっているようです」。この顧客は、 VirtualBoxからMySQL、Glassfish、ZFSまで、彼らの開発者が使用しているサンの製品が増加しているということを言っているので す。一部のユーザ、そして、ほとんどすべての開発者にとって、予算は金銭的に測られるものではなく、時間と注目度によって測られます。こうした顧客層の時 間と注目が欲しいのであれば、それを獲得しなければなりません。獲得すれば、そこに好みによる選択が生まれてきます。サンでは、主にプロプライエタリな製 品である競合他社の製品よりもこの好みの選択を推進しています。

サン製品はサンの看板
「選択の推進」という用語は、マーケティング業界でブランディングの説明のときに使用されます。ビジネスで は、自社製品の認知または好みを高めるために、ブランディングまたは広告を行います。Nikeやトヨタの場合多大な費用を費やして「メディア(放送時間) を購入」したり広告スペースを獲得します。これらを通じて、企業は自社ブランドを最適に表していると感じる、イメージやコンテンツを無償で消費者に提示し ます。

Facebookはなぜ広告を出さないのでしょうか?それは、Facebook自体がブランド媒体だからです。Facebookを使用し てもらうことで、Facebookへの好みを促します。ユーザ数で測られるFacebookの顧客層は、世界中のほとんどすべてのメディア企業を凌いでい ます。Facebookがメディアを購入することは意味がありません。Facebookがメディアだからです。

サンは、テクノロジーを構築、展開または購入するユーザや組織など、焦点を置く顧客層に対して類似の手法を採用しています。無償で配布することにより、サ ンの製品は独自の顧客層を構築しているのです。そして、Glassfish、ZFSまたはNetBeansまで、製品を使用することにより、ブランドエク スペリエンス (サンが自社のビジネスをうまく進められれば、非常にプラスのブランドエクスペリエンス) が創出されます。それでは、なぜ従来の販路で広告を出さないのでしょうか?それは、毎日サンの製品を使用し、ポジティブなブランドエクスペリエンスを得て いるユーザ数が、世界中のほとんどすべての主な新聞の読者数よりも上回っているからです。

サンの技術革新を増加させ、サンには利益をもたらさない派生商品さえも推進することで、サンはオープン・ソースへの選択を生み出し、イノベーター としてのサンの認知度を高め、これらに匹敵する顧客層を構築できないプロプライエタリなベンダーに取って代わっています。好みによる選択は、サンとサンが 参加する巨大コミュニティにとって大きな価値があります。その価値には、認知度、市場浸透度、スキル開発、エコシステムの拡張が含まれます。健全なコミュ ニティとは成長するコミュニティのことです。

選択または好みが価値を持つ状況には、他に何があるでしょうか?多くのユーザと組織に選択されると、アプリケーション開発者を引き付け、 急速な選択をうながすでしょう。ISV (独立系ソフトウェア企業) の1社が自社のプラットフォームを選択すると、そのISVと連携する他のISV各社も選択するようになります。良いビジネスをすれば、自社のプラット フォームを選択するISV���ますます増え、エンド・ユーザにとってより魅力のあるプラットフォームになります。Red Hatが息の長いLinuxモデルを持っているのはそのためです。Oracleが、Oracleのデータベースを初めて認定するLinuxとしてRed Hatを選択すると、Oracleデータベースに依存するISVも、Red Hatだけを認定しました。それにより、Red Hatは市場での地位を強固に高めて、Oracleでさえもその支配力を弱めることができません。

つまり、選択がエコシステムを促進し、それによりさらに選択と拡張が促進される、というわけです。これが善循環であり、この循環は大規模な選択により始まります。

選択とは
それでは、選択とはどのようなものなのでしょうか?ここに、世界中に存在するサンの主なデータセンター資産に関し、無償ソフトウェアの選択による増加を表した図があります。

競合の理由から、表示されている製品を特定しませんが、この増加に私たちは非常に満足しており、サン製品に関する好意的なレビューを歓迎しています。それ によって、需要が急激に伸びました。へこんでいる部分は週末です。これらは、データセンター資産 (GlassfishやOpenSolarisなど) であり、コンシューマ向けランタイム (JavaやOpenOffice.orgなど) ではないことを念頭に置いておいてください。そのため、これらのダウンロードはデータセンターの設計に影響を与えます。毎日サンのソフトウェアは、スター トアップ企業、政府機関、大学、ISV、フォーチュン100のIT企業など、インターネットがつながっているすべてのとkろおで優位性を促進するために力 を発揮しています。無償の製品は、興味を抱くすべてのユーザに届きます。障壁はありません。

コンシューマ関連では、サンのオープン規格とデータ形式に関する見解を実際に促進するOpenOffice.orgが、毎週300万人近くの新規 ユーザに到達しています。これによりユーザ数が増加し、サンでは、ユーザ数を1億5000万~2億人と推定しています。これは、グローバルな循環の証拠で す。

サンの製品は、サンの看板であり、高性能コンピュータとグリッド・スケジューリング、Webデータベース、アプリケーション・インフラお よびデスクトップ仮想化と同様、多様なマーケットのユーザ、開発者およびOEM企業のソリューションにサンを組み込む最も効率的な手段の1つです。ソー ス・コードの無償配布とアクセスは、世界の開発者コミュニティ(英語)に 対するサンの投資です。サンは、コード、アイデアさらに時間を投資し、派生製品を促進および推進しています。サンは、そうすることによってのみ到達でき、 注目と関与を引き出すことができるユーザに訴求することで利益を得ています。お金が支払われなくても、これはプラスのオプション価値なのです。

選択を確認するもう1つの方法として、この「ピンクの点」で示された地図があります。この地図は、サンの製品がオプトイン登録からユーザ を獲得した場所を示しています。私は、サンが営業活動を行っていない地図上の場所にある点が好きです。フォークランド諸島の皆様、こんにちは。 Solarisをお選びいただきありがとうございます。 :)

この選択がもたらす価値は何でしょうか?検索、ショッピング、または銀行口座開設と同様、競合他社に向けるのではなく、サンのエコシステムに時間とエネル ギーを投資することを選択したという事実以外に、即座の価値はありません。世界的な規模では、これによりサンは、特許を持つ企業や真の革新を持たない企業 にとり、非常に手ごわい競争相手になっています。たとえば、プロプライエタリなストレージ企業が世界中のあらゆる場所で直面している状況を理解するため に、Googleで「ZFSはすごい(英語)」という文を検索してみてください。

しかし真の価値は、すべての無償のビジネス・モデルと同様に、「無償」の後にやって来ます。これについては、市場革新について焦点を置く、私の次回のブログで説明します。

この記事を閲覧、視聴、またはコメントいただき、ありがとうございます。

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*私はいつも、CIOの方々に、「Googleで検索することを従業員に許可している方はいますか?」と聞いてみるのですが、手を挙げる人はいません。:)

それから、英語が母国語でない読者および視聴者の皆様、ビデオでもっとゆっくりと話すように努力します。次回はさらに努力します。閲覧ありがとうございました!

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月曜日 3 02, 2009

サンを理解する 3 つのステップ (1/4)

サンは最近、製品や提携に関する多くの発表を行っています。これらの多くは関心を呼び、多数の質問が寄せられました。そこでこの機会にこれらの内容をまと め、ビデオでご紹介しようと思います。今後、サン を動かしているものは何か、というテーマをお送りすることも考えています。これらの情報が有効である場合や、他に情報をお伝えするためにできることがあり ましたら、下のコメントフィールドを利用してお知らせください。

現在は会計年度の終わりに近づいており、またこの経済不況の中、サン が企業としてどこへ向かうのか、を改めて述べ、お客様、パートナー、従業員、投資家の皆様に、サン の方向を示しご理解いただくことは無駄ではないと考えています。明確であるということは有用であり、特に今のような不透明な時期においてはなおさらです。

世界経済を不安視する声が高まっていますが、まずはそのお話から始めましょう。顧客企業の中に、現在は一部政府の保有となっている企業があります。これら の企業の方々とお話しする機会がよくあるのですが、この企業は株価が 95% 以上値下がりし、貸借対照表や基本的なビジネス・モデルは極度に悪化した状態です。どの企業も同様ですが、サン の経営状態はお客様の経営状態の反映であり、当然 サン にも課題があります。もちろん、革新は危機を好む(英語)ものですが、それはお客様が安全な机の下から外へ踏み出した後の話です。

コップの水は半分しかないのではなく、まだ半分あるのです。中にはかつてこれほど好調だったことはない、というお客様もいます。メディアの新興企業や通信企業、資金豊富な政府系機関まで様々ですが、このような企業は運のいい少数派です。

サン は幸い、貸借対照表が非常に良好です。30 億ドルを超えるキャッシュを保有し、20 年近くも正のキャッシュフローを生み出してきています。また一連のテクノロジーや人材を輩出し、経済においてこれまで以上に重要な役割を担い続けていま す。サン の製品は企業の成長と統合を手助けし、また政府による経済刺激策にも役立っています。橋の建設から医療の自動化まで、政府の経済刺激策は技術投資を促進す ることは間違いありません。私たちは世界において、恵まれた立場にいると言えるでしょう。

何が言いたいかというと、IT が経済おいて果たす役割について私は心配していませんし、それに サン の製品が関わっていくことについても心配していないということです。将来を悲観していません。むしろ将来に向けて備えています。

そこで、サン の今後についての私のコメントを、3 回か 4 回に分けてお伝えしたいと思います。今回はその第 1 回です。ここでは、来年度に行われる一連の発表を一足早くご紹介していきます。サン のオープン・ストレージ製品の拡充から、ネットワーキング分野での同等の製品ポートフォリオの構築について、また、すばらしい可能性を秘めた Solaris や MySQL OEM の新製品の追加や、最新のクラウド製品、スタートアップ・プログラムについてもお話しする予定です。こういったことすべてを関連づけながら、サン の最優先事項や市場へのアプローチができるだけ明確になるようにお伝えしていき、各部分と、それらの全体をご理解いただけるようにしたいと思います。

では早速始めましょう。

私の考えでは、サン のビジネスは非常にシンプルです。私がサン について話すとき、取り組む必要があるのは「3 つのことだけ」ということをよく言います。

1. 世界中のすべての開発者に サン のソフトウェアやサービスの利用を推進。

これは戦略的な意味であり、財務的なものではないのでここで収益のことは考えないでください。このブログでは、テクノロジーの採用を推進す るためのモチベーションとそのメカニズムの紹介、また サン がターゲットとする様々な利用者についての説明に焦点を絞りたいと思います。先週、ある大規模顧客で開発者テクノロジーの責任者を務める方との夕食の席 上、こう言われました。「5 年も サン を訪れていませんが、突然我が社の開発者の間で サン の存在感が大きくなったようです」。この言葉については、次回のブログで考えてみたいと思います。

2. 世界で最も競争力のある商用製品を供給。サン のテクノロジーの選択を左右する導入担当者への訴求が第一ですが、それにとどまらない魅力ある製品を開発しています。

サン のソフトウェアやサービスがターゲットとするのは、一般製品より高額になる可能性がある代替製品に手を伸ばす余裕がある方々です。つまり、ダウンタイムの コストが商用ライセンスの価格を超えている場合です。これはほんの一部かもしれませんが、非常に利益のあがる対象でもあります。企業のシステム面から見れ ば、サン の製品は、ラック・サーバやブレード・サーバ、ストレージやネットワーキング・システムなどに及び、基本的にクラウドを推進するものとなっています。

差別化を進める開発者がこれらに対して抱いている信頼、また売上総利益、そして サン が製品をストレージやネットワーキングへと広げていくときにこの信頼から生まれる競争力について触れていきたいと思います。

3. 1 と 2 の間に、世界で最も効果的な販売 / サービスのつながりを構築。

最初の 2 点については講演などでもよくお話しするのですが、最後の点についてはほとんどお話できていません。一つにはまだ進行中の作業だからであり、サン の販売 / サービス・チャネルの規模がサン最大の戦略的課題の 1 つでもあるからです。

し かし順序付けが大事です。一番の優先事項は、サン の財政面においてはフリー・キャッシュ・フローを生み出すことであり、戦略面においてはサン製品の市場を成長させることです。サンは現在オープン・スト レージのビジネスに取り組んでおり、財政面と戦略面の 2 つの足並みがそろったときの サン に打ち勝つには、まずはフリー・ソフトウェア・コミュニティ(英語)で、お金を支払っているお客様の前で私たちに打ち勝たねばなりません。これは強力な組み合わせです。特に、フリー・ソフトウェア支持を装っている商用ストレージ・ベンダーにとっては脅威です。競合製品があれば大変でしょう。

ご承知のとおり、シンプルさを実現するには多くのエンジニアリングが必要です。ですから、「3 つのことだけ」と言うのは簡単ですが、この 3 つをたやすく達成できると言いたいのではありません。目指すのは、最高品質のネットワーク技術の革新を生み出し、推進し、製品化することです。それも、開 発者、そして導入担当者を魅了するような技術革新です。

サン をご理解いただくためには、サンの財務諸表を読み、またサンの財務実績を促進しているものは何かについて理解する必要があります。これらの視点なしでは、より大きな具体像や脅威が見えず、大きな機会を見逃すことになります。

このようなことを背景に、次回からのブログでは先に述べたいくつかの点についてお話ししていきたいと思います。現在の市場と、今の景気後退は別にして将来の市況を中心に考察していきます。

次回をお楽しみに。

(YouTube ビデオはこちらから(英語))

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