日曜日 9 16, 2007

それって本気?(Sun と Microsoft の提携)

先週、Sun は Microsoft との契約書にサインしました。まあまあ、興奮なさらずに。

ポジティブな点は、世界中が注目したという点です。ネガティブな点は、疑問の声や質問がたくさん寄せられたことでしょうか。それにここでお答えしたいと思います。

今回の発表は、次のような内容でした。まず、近日中に発表を予定している Sun のハイパーバイザープラットフォーム、Virginia プロジェクトを、Microsoft が支援します。つまり、(Linux と Solaris に加えて) Windows の統合管理が実現されます。一方、Sun が Windows の仮想化を支援し、逆に Windows による Solaris の仮想化も可能にします。さらに、Sun は、Windows を直接 Sun から 購入したいというお客様やパートナーのために、Windows の梱包とサポート (いわゆる「OEM」) を請け負うことに同意しました。

この発表に対して、(Sun がティッカーシンボルを変更したときのことを思い出しますが) 劇的な方向転換だ、これで Free Software Foundation の大理石のロビーにジョナサン・シュワルツの銅像が飾られることはないだろう、という声がありました。一つ目の点は明らかに当たっていないので (二つ目は当たっているかも)、背景についてもう少し説明しておきたいと思います。

まず、たった 2 年前のことを振り返ってみても、Sun は x64 サーバの世界では取るに足らない存在でした。ユーザは、他社製のハードウェアで Solaris を実行したいと思っても実行できず、Sun から x64 システムを買いたいと思っても買えませんでした。Sun のパートナーは、いずれの組み合わせを扱うこともできず、どの産業ランキングを見ても Sun は「UNIX」か「独自 OS」の分野 (どちらも馬鹿げた分類ですね) にしか入っていませんでした。

Sun は、以前から Solaris や Sun システムをその枠を超えて成長させたいと考えてきました。Solaris を使っていないお客様でも Sun からシステムを購入できるように、また、Sun 以外のシステムを使っているお客様でも Solaris が購入できるようにしたかったのです (Solaris とシステムのビジネスがベン図の 2 つの円だとしたら、交わりを大きくするための一番の方法は、両方の円をくっつけることではなく、両方の円を大きくすることです) 。最初、誰もが「それって本気?」と反応しました。この疑問こそ、販売する上で最大の妨害となりました。

その後、Sun は、AMD と x64 分野で最初の提携関係を結び、Sun のソフトウェアとシステムを Opteron プラットフォームに合わせて最適化しました。しかし、世界を相手に戦おうという意図ではありません。お客様と市場に焦点を当て、エンジニアリングと設計分野での Sun の能力をミッション・クリティカルな大規模コンピューティングに役立てるのが目的でした。タワーサーバには手を染めませんでしたし、歯科医院や町の靴屋に特化することもしませんでした。今までと同じようなシステム同じような顧客層に対象を絞ったのです。その結果、商談が舞い込み始めました。大きな商談が、です。もちろん、Solaris と Linux がベースですが、それに Exchange や SQL Server、Microsoft の IPTV スタックなどを加えたものです。

さらに後には、Intel 製品が加わり、他社製も含めた Intel プラットフォームに合わせて Solaris を強化しました。私たちは、業績に拍車をかけ、野心的に前進を続け、Sun だけでなくコミュニティ全体のために市場を拡大させました。すると、「それって本気?」という言葉を取り巻く猜疑心は、徐々に消えていきました。私たちは本気でした。本気も本気、大まじめなことは、今では周知のとおりです。

似たような製品があふれる世界で、Sun は、設計で差をつけました。Andy Bechtolsheim と John Fowler 率いるチームがリーダーとなり、性能、密度、効率を大幅に改善し、管理性と保守性のより良い統合を実現しました。Sun の現在のラインアップには、SPARC システムと x64 システム、サプライチェーンが完全に統合されています。ですから、ユーザが Sun からこの図のようなブレードシステムを購入する場合、SPARC、AMD、Intel のブレードを混ぜてすべてを同様に管理し、Linux、Solaris、Windows を実行することができるのです。これは、Virginia プロジェクトでも VMWare 製品でも同じことです。Sun は、市場の 100% を対象に製品を提供できるようになりました (Sun が常にターゲットを絞ってきたのはそのためです。市場規模がこれほど大きいと、注意散漫になりがちですから)。先ほど書いたとおり、Sun 製品の重点は設計革新です。

さて、その結果はどうでしょう。Sun は、OS と x64 サーバの両方でランキングを上げています。毎年、1 センチずつ、1 ドルずつ、1 ラックユニットずつ。そして今では、市場第 5 位の x64 ベンダーとして年間 10 億ドルのランレートを記録しています (最新四半期報告による)。取るに足らない存在だった 2 年前に比べ、かなりの進歩といえます。Solaris も、同じように勢いに乗っています (アナリストの中でも注意深く観察している人は、Solaris を Sun のハードウェアと切り離して追跡するようになりました)。それも、Virginia プロジェクトに着手する前だというのに、です。

x64 の分野で年間 10 億ドルのランレートを達成したにも関わらず、いまだに反発の声があります。最大の反発といえるかもしれません。「競合会社によれば、Sun は真剣に Windows に取り組んでいない」というのです。しかしそれはたわいない批判に過ぎません。SQL Server だって Sun の x4500 といった製品に載っているのですから。実際、Windows の展開としては米国最大規模である AT&T での展開を (Microsoft IPTV キャンペーンを支援する形で) 裏で支えたのは Sun です。Sun は、ハードウェアとソフトウェアの両方の分野で Windows 関連のビジネスを大規模に行っています (Java の開発者は、当然ながらほとんどが Windows を使っていますし、Sun のソフトウェアも常に Windows に焦点を当ててきました)。

しかし、Sun を市場全体に向けて開放し、根強く残る反発の声を失くすべきときが来たと思います。Microsoft と契約を結んだのはそのためです。この契約には、2 つの側面があります。

まず、Sun の Virginia プロジェクトで Windows が 動作することを Microsoft が保証することです。お客様やパートナーは、Sun 製品で安心して Windows のインスタンスを統合し、仮想化することができます。これは Sun にとって有意義な取引であり、Sun の顧客層が Linux と Solaris のユーザだけでなく Windows のユーザにまで広がることになります。そのお返しとして、Sun は、Windows での Solaris の仮想化を支援します。お客様にとっては、選択肢が増えます。はっきりさせておきますが、Sun は、(銅像を飾ってもらえなくても) フリーソフトウェア・コミュニティの中に身を置いてできるだけのことをしていく所存です。それは、今回の提携によっても一向に変わりません。

2 つ目の側面は、Sun が Windows プラットフォームを OEM 提供し、サポートすることです。Sun が販売する Windows には、Java 実行環境、Sun のツールチェーン、Java Enterprise System ミドルウェア (おまけに OpenOffice スイート) を組み合わせます。これで、お客様やパートナーが Sun から直接購入できるようになります。Microsoft との契約にサインしてから、お客様やパートナーから喜びと期待の声がたくさん寄せられました。さらに多くの業務を Sun 製品で統合管理できるようになるからです。これこそ、私たちの望みでした。競合会社は、プレゼンテーションから (「当社から購入しましょう。Sun は Windows には真剣に取り組んでいません」という) スライドを 1 枚取り除く必要に迫られるでしょう。

それで、この提携が Sun にとって利益あるものかといえば?もちろんです。この提携によってさらなる機会が拓け、過去の問題が葬り去られ、誰もがそれぞれに Sun の仮想化、Solaris、Sun システムのポートフォリオに重点を置くようになるからです。これは、Sun の方向転換を意味するでしょうか?いいえ。人間は、歩きながら、同時にガムを噛むことだってできます。Windows を実行し、仮想化し、サポートすることで、たくさんの門戸が開かれます。

では、私たちが本気かと言えば?Windows の仮想化を本気で支援したいのでしょうか?Microsoft の顧客に対し、本気で良き OEM パートナーになろうというのでしょうか?Solaris を本気で取引ハードウェアのすべてで実行したいのでしょうか?本気で全プラットフォーム向けのソフトウェアを提供する会社になろうというのでしょうか?データセンター設計のリーダーになりたいのでしょうか?企業としてフリーソフトウェア界に最大の貢献がしたいのでしょうか?

もちろん、本気です。

次の質問をどうぞ。

(先日開かれたアナリストの会合でなぜこの提携について発表がなかったのか、疑問に思う方もいるかもしれませんが、その時点ではまだ契約が完了していませんでした。それに、とりとめなくニュースを流すのが、関係を育てる上で有効な手段となるのは稀です。たまには有効なこともありますが、今回は違うと判断しました。)

(追記: Glassfish の最新ニュースについても触れたかったのですが...)

Share this post  del.icio.us | digg.com | slashdot.org | technorati.com | reddit | facebook | stumbleupon

No Comments

Post a Comment:
Comments are closed for this entry.