土曜日 1 19, 2008

渦中に身を置く

「渦中」。この 30 日間は、他に表現しようのない状態でした。第 2 四半期を終了し、MySQL の買収取引をまとめました。その経緯についてお話します。

「絶対に無理だ。これまで何年も試みてきたんだよ」 - 6 ヵ月前に Rich Green (Sun のソフトウェア担当 EVP) が「買収したい企業を 1 社挙げるとしたら、MySQL だね。すばらしい企業だよ」と断言したときに、私はこう答えました。それには理由があります。

ほぼ 5 年にわたり、MySQL の CEO、Marten Mickos とディナーをともにしてきました。業界情報を交換し、トレンドやビジネス・モデルについて話し合い、そして、デザートが出されるころになると、こう切り出ししたものです... 「なんてことだ、私たちの会社は本当に共通点が多いね、Marten。本当に似た展望を持っているじゃないか。Sun に加わるつもりはないかい?」

この時点で Marten はいつも、そう言ってもらってうれしいし光栄に思うよ、とコーヒーにミルクを注いでかき混ぜ、フィンランドについて話し始めるのです。

「それでも試みる価値はあると思う」と Rich。そのようなわけで、Marten、Rich、そして私の間で 12 月上旬に会食の席が持たれました。ここで、いつものように、市場と業界に関する最新情報を交換し合い、両社にはどれだけ共通点が多いかを話し、デザートが出される寸前で、私があの質問を投げかけました。そして何が起こったかというと...

... ほほ笑み、コーヒーをかき混ぜ、私たちはまたフィンランドについて話し合ったのです。

レストランを出てから、半年後のディナーの予定について話しました。私は「わかったろう?」という顔で Rich を見やりました。

ところがそれまでと違ったのは、翌朝 Marten が電話をかけてきて、「少し考えたのだが、君はまだ合併の話に関心あるかい?」と言ったのです。ええ、あります。ありますとも。過去 4 年間そうだったように。

このようにして、すべてが始まったのです。

努力は報われ、これで Rich も「ほら、言っただろう」カードを出せるようになりました。このカードを持つ人は増えつつあります (念のため、私は喜んで間違いを受け入れます。間違いに気づいたほうが、気を緩めずにいられますから)。

「どのようにしてこの取引が実現したのですか」の他にも、ここ数日の間にたくさんの質問を受けました。そのいくつかに、ここでお答えしようと思います。

まずは、いちばん重要なものから。

製品を無償で提供する企業に 10 億ドルを支出するのはなぜですか。

Facebook も製品を無償提供しています。同社は広告から収入を得ていますが、Sun はサービス、サポート、インフラを通じて利益を挙げています。MySQL は急成長を遂げる大きなビジネスです。将来に投資することは、過去を買うより価値があります。そのため後者の方が安価な場合が多いのです。

PostgreSQL に対する取り組みはどうなりますか。

より強化されます。Sun が MySQL の買収を発表する前日、この取引に署名するまであと 1 時間というところで、Sun で Postgres を担当する Josh Berkus のところに立ち寄りました。次の点をできるだけ明確にしたかったのです。つまり、MySQL との取引は、当社のオープンソースおよびオープンソース・データベースへの投資を増やすもので、これにより Postgres やデータベース業界全般への取り組みも強化されます。同じことが、Apache Derby や Sun の JavaDB に関する取り組みにも言えます。

Josh が自分のブログでずばり的確に述べているように、Sun はデータセンターの主要プロバイダでありたいと考えています。これは、MySQL データセンターに限りません。まさにそのとおりです。

次はどこを買収することになりますか。

これはいい質問ですね。終わったらお伝えします (^-^)

もう少し真剣にお答えすると、Sun が MySQL を買収したことでオープンソースのビジネス・モデルの価値が証明されたという意見には賛成です。この取引によりベンチャー・コミュニティから真のオープンソース技術革新への投資が活性化されることを期待しています。対価は大きいでしょう。MySQL の投資家に聞いてみてください。

Oracle との関係はどうなりますか。

Oracle は、非常に重要な Solaris ISV です。Sun と Oracle は、国際的な銀行、小売業者、通信事業者、政府機関などの事業の基盤となるミッション・クリティカルな環境に対してサービスとサポートを提供しており、世界中に共通の顧客がいます。この取り組みに関しては、MySQL との取引によって変わる点は何一つありません。DB2 や Microsoft の SQL Server (ちなみに、当社のシステム上でも問題なく動作します) のサポートに対する意欲と能力が変わらないのと同じです。当社は、お客様が必要とする選択肢を提供する取り組みを維持していきます。

当社の��ービスは、製品ではなくお客様に力を注いでいます。

StorageTek のときのように、難しい統合になりそうですか。

StorageTek は 7,000 名の従業員を抱え、そのサプライ・チェーン、ロジスティックス・プロセス、不動産、工場、人員削減システムは複雑なものでした (大企業はどこもそうですが)。また、35 年の歴史を通して構築された、異なるエンジニアリング・モデルとプロセスがありました。率直に言って、複雑な統合でした。

MySQL の従業員は 400 名、事務所がなく (従業員は在宅勤務)、サプライ・チェーンも工場も不動産もありません。また、同社のエンジニアリング・モデルと業務プロセスは Sun のものとほとんど同じです。

したがって、答えは「ノー」です。統合は複雑ではなく、非常に容易なものになるでしょう。

取引完了後は、Marten Mickos は Sun のソフトウェア部門の直属となって、引き続き MySQL を率い、私が運営する経営管理グループ (Sun における最高責任者により構成される) に加わります。

戦略的には、MySQL を ZFS や Lustre で実行することから、Glassfish、OpenSolaris、NetBeans、Sun の Grid Engine とのより良い統合まで、技術面でのシナジー効果があらゆるところに出てきます。

MySQL の優先プラットフォームを変更することになりますか。

もちろん、そんなことはありません。

なぜですか。

LAMP の L は Linux で、Looney (「常軌を逸する」の意) ではないからです。MySQL の優先プラットフォームは Sun ではなく、お客様が決めるものです。Glassfish と同様、MySQL が最も多くダウンロードされるプラットフォームは今でも Windows です。Sun は、Windows を使用する開発者も非常に大切にしています。

MySQL のライセンス (GPL) を変更することになりますか。

いいえ。Java や Glassfish と同様に (さらに NetBeans や OpenOffice の場合も)、Sun は GPL を強力にサポートします。

この取引では、コスト面でシナジー効果がありますか。

それはありません。

この取引では、収益面でシナジー効果がありますか。

あらゆるところに見られます。

収益面でのシナジー効果はどこに出てきますか。

もっとおもしろい質問に「シナジー効果はどこに見られませんか」というものがあります。ユーザは、有償のソフトウェア・サポートを受けるかどうかに関わらず、MySQL を導入すると、サーバーに加えストレージ・デバイスやネットワーク・インフラを購入し、また高価なオープン・プラットフォームに対するサポート・サービスを購入することになります。私が確認した時点では、これらのほとんどすべての分野で Sun は製品を提供しています。

さらに、MySQL の成長を妨げる唯一かつ最大の障害は、その技術ではありませんでした - MySQL は、オンラインとWeb の世界に地球的規模で完璧に対応しています。最大の障害は、従来型の企業がエンタープライズ・サポートを提供するベンダーとして Fortune 500 企業 (要するに Gartner の Magic Quadrant に記載されているような企業) を採用したがることでした。今後は、MySQL のサービスチームを世界中の優秀なサービス技術者により増強し、グローバルでミッション・クリティカルなサポートを世界最大級のビジネスに対して提供できるようになります。

MySQL を今後どのように持っていくつもりですか。

この質問は、買収の前 (両社がまだ別会社であることを考慮して) か後かにかかわらず、MySQL に向ける必要があります。Sun は、何をするべきかを教えるために MySQL を買収するのではありません。MySQL のリーダー、コミュニティ、お客様から教えてもらうためです。

この数日間で 10 人ほどのお客様に実際に会い、お話を伺ったところ、コメントはいつも同じでした。「おめでとう。みんなにとって本当にすばらしいニュースです。」

これには、私も心から賛成です。

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Rich、Marten、Greg、私の間で交わされた短い対談をお届けします (監督として名高い Anil Gadre によるパーソナルビデオです)... 3分30秒あたりで現れる幸運の使者にご注目ください...

(何度も更新してすみません...)

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