Jonathan Schwartz JP Morgan's House
  

JP Morgan's House
The Future of IT?
All | General | Java

20051202 2005年 12月 02日 金曜日

Free Grows Revenue - Just Ask Your Carrier (Japanese Translation)

(このエントリは 2005 年 12 月 2 日: Free Grows Revenue - Just Ask Your Carrier の日本語訳です。)

私の感謝祭での抱負はより短いブログを書くことでした。 いまのところまだ達成できていませんが、 試みているということだけはご理解ください。

昨日の発表 (訳註: 米国サン、ソフトウェアの無料化とオープンソース化でさらに先行)、 すなわち Java Enterprise System を Solaris に統合し、フリーかつオープンソース・ソフトウェアとして提供することが、 かなりの話題になっています (私がブログを好きな理由は、 それによってマーケットの反応をただちに見定めることができるからです。 - 開発者やブログを書いている人々こそが私のブログの対象読者であり、 いわゆるメディアではありません)。

しかし今回の発表により、 ほとんどの人々 (とくに何人かのジャーナリスト) が 「企業にとってのフリー・ソフトウェア」 - 場合によってはそれによる減収 - に関して何点か根本的に誤解していることも同時に明らかになりました。 Gavin はこの落とし穴にはまってしまいましたね。 そこで私はフリー・ソフトウェアに関する最も象徴的な話を挙げ、 なぜフリー・ソフトウェアが売上の減少ではなく拡大につながるのかということをお伝えしたいと考えました。

以前、およそ 3 年前でしょうか、私は急成長をしている顧客のところに訪問していました。 その打ち合わせは楽しいものではありませんでした - 私たちはその顧客との間に、品質、サービス、およびさまざまな価格 / 性能問題を抱えていました。 それらの問題によって、CIO、CTO の生活は一気に惨めなものとなっていました。

およそ一時間ほどその顧客と話した後に、 ミーティングに参加していた担当幹部が私をみて言いました。 「私たちはクリスマス・シーズンに突入しようとしている。 その一日だけで、 ここ一年間に獲得した顧客数を越える人たちが新たにサインアップすることになるだろう。」 なるほど、大きなビジネスチャンスですね。 「だから私に、あなたの自宅の電話番号を教えてくれ。」

「何ですって?」 私は言いました。 「なぜあなたは私の自宅の電話番号を知りたいのですか?」 彼の答えは全く論理的でした。 「なぜなら私はあなたに賭けているんだ。 もしクリスマスになんらかの問題が発生したらあなたへ電話するから、 そのまま対応してほしい。」 OK、いいですよ。私は彼に自宅の電話番号を教えました (もちろん私のスタッフ全員の自宅の電話番号が短縮ダイヤルに登録されているのを確認してからですけどね)。

クリスマスが訪れました。 彼からの連絡はありませんでした。 やれやれ。

ちょうど数週間前、私は自社でこの顧客と面会しました。 彼らはこの 2 年間で大きな成長をおさめました。 (そして我々のアカウント・チームもまた、Sun と顧客との間のパートナーシップ構築に関してめざましい仕事をしました)。

彼の来社は大口の注文を Sun に発注するためで、 そこに私も同席することになりました。 発注処理の過程で、彼は自社で利用し始めていた Sun のあるソフトウェア製品に関して問い合わせをしてきました。 しばらく会話している中で、 彼はそのソフトウェアも今回併せて注文したいと言いました。 彼の期待に応じるために、 私は彼にそのソフトウェアがフリー / オープンソースになることを伝えました。 彼は Sun の担当営業を見て言いました。 「ほう! 私はタダになるものへ 50 万ドルも支払うつもりはありませんよ!」 その Sun の営業は、私が正気をなくしたかというようにこちらを見つめました。

そこで私はその顧客を向いてこう言いました。 「まあちょっとしたことなんですが、 もうひとつあなたにお伝えすべきことがあります。」 「もし保守契約無しにそのフリーになる製品をお使いになるということであれば、 クリスマスの日に私に電話するのはご遠慮ください。 あなたが頼りにする先はコミュニティになるということです。」

顧客は一瞬沈黙し、次に微笑み、そして言いました。 「OK、ok - 今回の商談の話に戻りましょう。」

ここでの要点は、 世界中どこであれ、Sun のお客様の中で保守契約を結んでいない製品をデータセンターで運用するような方はいないということです。 そのような顧客は存在するのでしょうか? はい、たしかに存在します。 開発者や、あるいはスタートアップ企業と呼ばれる人たちです。 もしくは、自らの組織内にサポート・チームを構成したいと考えている会社や経済体などです。 Solaris Enterprise System のターゲットはそこです。 つまり、保守契約なしにフリー・ソフトウェアを使う人々です。 そしてフリーかつオープンソースな製品を彼らに提供しないことには、 彼らを首尾よく味方に引き入れることはできないでしょう。 またもしあなたが自由に使うことができる技術を提供しないなら、 彼らは何かほかのフリーな製品を見つけるでしょう。

Solaris Enterprise System を公開し、無償で提供することが、 これらの機会を得るための障壁を低くすることにつながります。 フリー・ソフトウェアはボリュームを創出し、 そのボリュームが本格運用への需要を喚起します。 この本格運用こそが、 製品を無償化する前と同様のライセンスおよび保守という収益を生み出すのです。 フリー・ソフトウェアによって収入の機会が拡大するのです。

Solaris を公開しフリーで提供したことが、 Solaris にかつてなかったほど大きな導入の一波を引き起こしました - 今年 (2005 年) 2 月以来、340 万ライセンスになります (興味深いことに、一番多いのは HP 上です)。 このことが、これまでで最大となる収入ベースの拡大に結びついています。 私は同じことが Java Enterprise System、 その中でもとくにアイデンティティ管理およびビジネス・インテグレーション・スイートでも当てはまるだろうと信じています。 なぜでしょうか?

それは、 誰かの自宅の電話番号をを知らないまま自社の中核システムを運用するフォーチュン 2000 企業などというのが、この世界には存在するはずが無いからです。 またあるレベルと同等かそれ以上のフリーでオープンなソフトウェア製品を利用することができる開発者や新興国が、 それに代わるプロプライエタリな代替品を選ぼうとするわけがありません。

これら二点がマーケットの現実です。 そして本日一日、顧客 (世界でも有数の規模の通信事業者の方々) との会議の場でこれらの考えについて講評を受けたところ、 強く同意するというご意見ばかりをいただきました。 結局のところ彼らはみな、 大量のフリー・ハンドセットを広めるディストリビューターなのです。

FOSS に逆らうことは重力に逆らうようなものです。 そしてフリー・ソフトウェアが収益につながらないかというとそうではなくて、 フリー・ソフトウェアは収益に対する障壁を下げることになるのです。 ためしに、みなさんが契約されている電話会社に訊いてみてください。

Posted by tkudo ( 12月 02日 2005年, 01:20:12 午前 JST ) Permalink


アーカイブ
リンク
リファラ