Jonathan Schwartz JP Morgan's House
  

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The Future of IT?
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20060511 2006年 5月 11日 木曜日

The Network is the Computer (Japanese Translation)

(このエントリは 2006 年 3 月 20 日: The Network is the Computer の日本語訳です。)

長々としたブログである事を前もってお詫びします。 これこそ私がもっとも書きたかったブログなのです。

数年前、私はウォール街の CIO (私がニューヨークで訪問していた多くの方々の一人) の向かいに座っていました。 私は、彼のような人々に同じ質問を繰り返していました。 「あなたの構築しているグリッドはビジネスに競争的利点をもたらすと感じていますか?」 (ご存じない方に説明すると、グリッドとは低コストのネットワーク、 ストレージ、コンピューティングとソフトウェア要素の集合体であり、 これまで非常に高価なプロプライエタリ・テクノロジーを必要としていた作業のために活用されています)。 私は、石油を発掘するためグリッドを使用する、とあるエネルギー産業の CIO にも同じ質問をしました。 また薬やタンパク質モデルを発見するためにグリッドを使用するライフサイエンス産業や、 映画のレンダリング (描画) にグリッドを使用する映画産業の人々にも同様の質問をしました。

それに対する回答、 典型的にはグリッドの構築に 1 年を費やした情熱的な CTO からの答えというのは、 きまって同じものでした。 「もちろん。我々のグリッドは、競合のどこよりも相当優れていますよ。」

私はしばらくその質問をし続けましたが、 約 1 年前、Sun が (まさに電力会社の運営するような) 一般向けのマルチテナント・グリッドを 1 CPU あたり 1 ドル / 1 時間で提供することを計画し、 そして業界の著名な企業が検討しはじめると、 次第に以下のような声が聞こえてくるようになりました。 「うーん…。 おそらく私のグリッドは、 他社のものとさほど違いのあるものではないでしょう。」

現在、 ジョン・ゲージが最初に言葉にし、 Sun のキー・メッセージとなっている 「ネットワークこそがコンピュータ」 というフレーズ、 それは時間を超えてより一層真実味を増している、類まれなビジョンなのです。 そして来週、 我々は世界初のオン・デマンド・スーパーコンピュータによってこのビジョンを証明するつもりです。 そしてオン・デマンドがなにを意味するかというと、 それはクレジット・カードでブラウザを通じてのアクセスが可能となるということです。 これは過去のオン・デマンドの定義とは全く異なるものであり、 顧客をファイナンス契約や、棚卸の準備や、 ぱりっとした青いスーツのセールスマンとの交渉準備などに巻き込むものではありません。 私たちの定義する 「オン・デマンド」 とは、まさに eBay のようなものです。 ブラウザとクレジットカードをご用意いただければ、私たちはサービスを提供します。 大騒ぎすることではありません。 私達はこのサービスのもつ明快さ、アクセスの容易さ、手ごろさこそが、 規模の大小や公共 / 私企業を問わず、 全ての組織におけるコンピューティングのありかたに変化をもたらすと信じています。

Sun Grid (二、三日中に公式に公開されます) は、 我々とパートナーとが今後何年にもにわたって拡張し、 提供し続けるサービスです - その他の優れた製品と同様、 可能な限りのイノベーションが続きます。 これは Sun における製品開発の将来を代表するだけではなく、 Java プラットホームやインターネットが体現する様に、 コンピューティングの未来を象徴するものです。

奇妙に聞こえるかもしれませんが、 ことグリッドを使うということに関しては (そしてそれに料金を支払うことに関しては)、 ほとんどの企業より一般消費者の方が先進的なのです。 多くの人々がすでに長いことグリッドの上に暮らしています - Google と Yahoo! を使い、eBay がお気に入りで、 写真映画をアップロードしたり共有したりして、 さらに、 Web いろいろな ソース から ニュース を集めています。我々のほとんどは家から振込みをし、 電子メールサービスを活用しています。 そして考えてみると、 その変化はここ 10 年以内で全て起こったのです。ほんの一瞬、 まばたきする間に。

しかし企業ファイアウォールの内側での、 マルチテナント・グリッドに向けての変化は遅々としたものでした。 率直に言って、 パブリック・グリッドが魅力的な将来を象徴していると大手の企業に信じさせることは難しいものでした。 ジョージ・ウェスティングハウスはその当時、自社の発電環境を優先し配電網 (グリッド) からの電力購入を拒否した最高電力責任者 (Chief Electricity Officer) たちに振り回されてしまいましたが、 これと同じ現象がビジネス界で起こっていないとは、 私は言い切れません。

Salesforce.com - あるいは RightNowPayPal の、 きら星のような勢いを目の当たりにしてください。 または他の、 企業のファイアウォールの内側にあった従来の基盤をリプレースするために開発されたサービスをみてください。 とくに中小企業は、 自らデータセンターを設計し所有するという頭痛の種を取り除くために、 グリッドに殺到しました。

しかし大きな企業に対しては、確信させることはさらに困難でした。 たとえば過去 15 ヵ月の間、 私たちは我々のグリッドを活用することに興味を持った、ある金融機関と交渉していました。 彼らの目的はポートフォリオ・シミュレーションの急増する負荷に対応することでした。 あるとき彼らの調達部門は契約を一時延期し、グリッド施設を囲うチェーンリンク (金網) の規格や、 ネットワーク・ケーブルを供給するベンダはどこが認定されているかといった交渉をはじめてきたので、 私たちは慎重にその案件を従来の販売チャネルへ引き継ぎました - そのようなお客様というのは、 自分自身でインフラストラクチャを構築したいとはっきり望む人達なのです (金網に関して PayPal に文句を言う、なんてことがあり得るでしょうか?)。 それならそれで仕方のないことです。 それは今日の一般的な 「IT」 の購入方式であり、 そこでは今後何十年もそのようにあり続けるでしょう。

しかし、起こりつつある変化を否定することはできません。

私の親友の一人は生物情報工学者 (素敵な肩書です) ですが、 あるとき、 大学のスーパーコンピュータ施設に関し彼がどれくらい待たされフラストレーションを感じているかについて解説してくれました。 「もしオンラインで利用できるグリッドがあるのだったら、全部の予算をそこにつぎ込むよ。」 彼の予算は四半期につき 1 万ドル程度にすぎませんが、 良質なビジネスはそういったロングテールの中にあるといううわさです。 私の私見では - 大部分のコンピューティングは、 そのロングテール (を構成する人々) によって購入されるのです。 小さな金融機関は大手をはるかに越える数で存在します。 同じことが映画スタジオ、製薬会社、学術機関などに限らず、 世界中のほとんどすべての産業にあてはまります。 私は数量がもたらす価値 (規模の経済) と、より小規模の企業がネットワーク・サービスを通じた競争優位の獲得のために、 自らの意志で企業文化、プロセス、ライフスタイルを変化させることに自信を持っています。 ちょっと 10 年前を振り返ってみてください - 私が会った大部分の企業が、 業務システムをインターネットに置くというアイデアを笑ったときのことを - 今グリッドを否定するのもそれと同じことです。

今週までの道のりは決してなだらかなものではありませんでした。 私たちは発表後、多くの企業と話をしました。彼らは先に書いたような、 金網フェンス的な交渉事に興味を持っていました - どの商談にも、IBM グローバル・サービス (それと HP の類似サービス) が存在していました。 私たちはさまざまなことを学びましたが、その中でも大変参考になったのは、 今日の大部分の企業が、 オン・デマンド・コンピューティングをホスティングと同義に考えているということです。 彼らはサード・パーティにコンピュータ、ソフトウェア、ネットワークとストレージを用意させ、 それを期間あたりの定額で借り上げるのです。 しかしそれはまるで、電力会社が発電機と独自の電力供給機をそろえて、 自身の施設の外にグリッドを構築するようなものです。 それは私たちがやろうとしているビジネスではありません (ましてやテクノロジーが重要な役割を果たすものでもありません - 我々の知りうるかぎりでは、 それは不動産やコール・センターを管理すること以外のなにものでも無いわけです)。 グリッドの本質は標準化と透明性なのです - そして規模の経済を創出するものです。

安全で、一般に利用できるマルチテナント・グリッドを造ることが、 並はずれて複雑なこともわかりました - 誰もこれまで実現しなかった理由があるのです。 大部分のグリッドは特定のアプリケーション専用です - 検索やオークション、または決済のような。 汎用コンピューティング・グリッドを構築するということは、 新たな土地を耕すようなものでした - そして可能な限り可用性が高く、 安全なものであることを確固たるものにしたいと考えていました。 グリッドに負荷を加える為、実は私は Sun の全社員にメールし、 (新しいワークステーションを賞品にして) グリッドをダウンさせることができるかどうかチャレンジしてみるよう、 けしかけました。 理論的には、 Sun の社員、とくに我々の製品に対して深い洞察のあるエンジニアは、 乱暴なユーザよりももっと優れた突破方法を示してくれるはずです。

コンテストに参加することのできない、広い地域の従業員を失望させてしまった後に (現在の輸出管理方針は、世界のどの地域の社員がグリッドを使用できるかを制限しています)、 私たちはハードウェア、ネットワークとソフトウェア・プラットホームにおける大量のやりとりによる、 いくつかの脆弱性に直面しました (繰り返しますが、誰も実現したことがないのですから、何がおきても不思議ではないのです)。 また我々は、米国におけるテクノロジー輸出規制に関して監視を行う人々と関わりを持ち (もしこれより厳しい一般官庁職があれば知りたいものです) - よからぬ意図を持った人々のグリッド利用の防止を確実なものにするための協力を仰ぎました。 彼らは、私たちがグリッドをシンプルに、 顧客が eBay に申し込むのと同じくらい単純にしたいということを理解しました - 私たちは今やそのレベルに迫りつつありますが、 一方でより高いレベルの精査は必要となります (これこそが、アカウントを申請してもそれが即時有効になるのではなく、 完了までに数時間かかる理由です - しかしながらこれが私たちの目指すゴールなのです)。

これらは私たちの前に立ちはだかったハードルのいくつかにすぎませんが、 いまや準備は整いました - はじめての、 一般にアクセス可能な未来のコンピューティングをインスタンス化したものをリリースする準備ができたのです。 さて、知っていただきたいいくつかの事柄があります。

最初に、この最初のリリースでは、Sun Grid は米国内のお客様のみご利用いただけます。 なぜでしょうか? 輸出制限です。国際的に使用できるまでいましばらくお待ちください。 そしてご推察の通り、これをグローバルに展開していくつもりです。

第二に、即座にアカウントが用意されるとは期待しないでください。 需要にもよりますが、数時間お待ちください。 最悪でも 24 時間かかるようなことはありません。 しかしながらご理解いただければと思います。 私たちはアカウント生成の簡素化に注力していますが、 リスクとセキュリティの要件も併せて考慮しています。

第三に、我々は 5000 弱の CPU ソケット (Opteron と UltraSPARC の両方です) で初日を迎えました - 世界で最も効率よく動作するサーバです。 需要の創出につれ、我々はキャパシティを増加させていきます。 際限なく。

そして最後に、Web サービス API に関しても楽しみにしていてください。 みなさんに今週お見せするものは、 比較的単純なバージョン 1.0 の基盤です。 我々は何を目指しているのでしょうか? サービスとしてのコンピューティングを提供し、 他のサービスと「マッシュアップ」されることなのです (私には世界中のベンチャー・キャピタルの拍手喝采が聞こえます -『スタートアップ一社につきひとつのデータ・センターを構築する必要なんてもうないんだ!』)。

もしここまで読んでいただけたのであれば、 ここに、未来のコンピューティングにふさわしい、 信じられないくらいぴったりなドメイン名をみつけるでしょう: Network.com です。

実はストレージテック買収におけるデュー・ディリジェンス (買収審査) の過程で、 私たちは彼らが Network.com の所有者であるということを知ったのです。 彼らはそれまでこのドメインを一切使っていませんでした - まさに秘宝です。 結果的には、 このドメインがコンピューティングの歴史でも最も価値あるドメイン名のうちのひとつになるのかもしれません。 そして私たちは間違いなく、その価値を磨くためにできることを推し進めます…。

さあ、お試しください! 今週後半に network.com へ行き、 PayPal のアカウントを手に入れ、 世界最大のスーパーコンピュータを使うとはどういうことかをあなた自身で体験してみてください。 置き場所も、管理も、電源も、運営も、事前設定も… 買うことさえも必要のないコンピュータです。

ネットワークこそがコンピュータ。

繰り返しますが、これは日に日に真実に近づいているのです。

Posted by yonaka ( 5月 11日 2006年, 07:21:01 午後 JST ) Permalink


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