なぜ、SOXは制定されたか?
今日は 立法の背景についておさらいしたいと思います。
立法のきっかけはご存知のようにエンロン事件とワールドコム事件です。これらの2つの事件の際にいったいどういうことが起きたか改めて思い出してもらえますか?
この事件では会社は大打撃をうけました。いわゆる倒産状態です。しかし、アメリカでは倒産あるいは会社更生法適用(CP11)は日常茶飯事です。実はこの2つの事件の問題はあまりにも多くの投資家がこれらの会社の株を買い、その株の資産があっという間に消滅してしまったことです。エンロンの場合には従業員持ち株会でも大量に社員が購入していましたし、確か401Kでもかなり購入していたと記憶しています。
なぜ、多くの人たちがこの会社の株を買ったのでしょうか?
値上がりすると思ったからです。
なぜ値上がりすると思ったのでしょう?
それは企業が発表する財務諸表の数字が良かったからです。そして、それらの数値を元にあるいは企業の幹部に直接ヒアリングを行ったアナリストが「BUY」あるいは「STRONG BUY」というポジショニングを設定していったからです。
もっと、企業の中身を良く見るべきではないか?あるいはもっと会社の業績をチェックする方法をとるべきではないか?という意見があるかもしれません。しかし、上場企業はSECを通じてしか業績発表をしてはいけないことになっています。あるいは「全投資家に公平かつ同時に情報がいきわたる方法」を使って付随する情報を発信するしかありません。
これは全投資家(既存の株主であるか、潜在的な株主候補であるかを問わず)に同じ情報を与えないのは「不平等」であり、そういう方法をとらずに発信した場合は対象となった一部の人たちへの優遇策、すなわち「インサイダー情報の漏洩」ということになるからです。
話を戻すと企業の業績を判断する基本は「財務諸表」です。これは日本でもアメリカでも同じです。財務諸表すなわち、P&L、B/S、キャッシュフロー計算書の数値をみて、判断するわけですし、これらの数値に間違いがないことを担保するために監査法人が監査を行うわけです。
しかし、残念なことに、エンロン事件まで、これまで行われてきた監査を含む行為が、結果的に不正行為あるいは事実とことなることが記載されてきたことを看破できなかったわけですから、エンロン事件のあとは当然のように厳しい規制をしようということになったわけですね。
ですから、302条や404条のような条文をもつSOX法制定ということにつながったわけです。
次回は SOX法対策と内部統制を防ぐ仕組みの矛盾について話したいと思います。
Posted by ka28_tnk
( 6月 07日 2006年, 01:01:31 午前 JST )
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