Katsuya Tanaka - 田中克哉 のブログ

思いついたこと、発見したこと、そしてビジネスになりそうなこと。


« 前の日(Jul月 10日, 2007年) | 日付別メイン | 次の日(Jul月 12日, 2007年) »
20070712 2007年 7月 12日 木曜日

不正循環取引の詳細

ニュース自体はちょっと古いのですが、加ト吉の1061億円にものぼる不正循環取引に関しての、詳細な内部調査レポートとなる「改善報告書」が東京証券取引所に提出されました。提出されたレポートは 昨日、加ト吉のホームページにupされましたので、ぜひ読んでいただければと思います。

このレポートによれば、「帳合取引」(取引の確定している二業者間に、第三者(例えば当社)がその信用力を背景に一定の手数料を得る目的で介入する取引で、水産業界においては通常かつ頻繁に行われていると認識していますー改善報告書P4より引用)は3社以上の企業の間で商品取引をするものの、現物の商品を動かさずに(倉庫内などにとどまったまま)その商品の所有者の名義を即日変えていくというビジネス形態ですが、その取引を使って不正な売上があげられる仕組みがあったようです。

上述の引用にあるように業界内では通常の取引、商習慣とされているらしいので、同じ業界内ではもしかしたら叩けばホコリが出てくる会社があるかもしれませんね。

ここで注目しておきたいのが、その原因とされている6点(以下も同報告書からの引用)だと思います。

1.帳合い取引が実質無管理状態で行われていた

2.見かけの売上高拡大のために帳合取引が利用された

3.帳合取引にとどまらず、取引に伴う債権債務や在庫増減についても表面的な管理に終始し、定期的な事後チェック機能が働かなかった

4.上記の各側面からの管理機能を発揮するのに必要な業務システムと管理部門の陣容が脆弱であった

A. 業務システムの不備
会計等の業務処理システムに対するIT投資が長期間なされておらず、そのためシステムを活用した問の早期発見ができなかった
(ロ)管理部門の陣容が脆弱であった

5.内部牽制による緊張感をもった運営が可能な組織体制となっていなかった

6.規程の不備
「コンプライアンス規程」及び「職務権限規程」は書面だけで機能していなかった。また、「決裁権限規程」及び「与信管理規程」は内部牽制の機能が欠如していた

また、間接的な要因としてあげた中に次のようなものもあります。

コンプライアンスを含め全社的な内部統制機能が脆弱であったこと。
・内部統制監査室があったにもかかわらず、担当者が1 名しか配置されず実質的には殆ど機能していなかった


以上からわかるように、形だけのJ-SOX対応やコンプライアンス対応内部統制監査では 機能しない場合が多いということではないでしょうか?

先日も、「J-SOX対応としての内部統制や監査対応は文書化さえしてあれば問題ないと社内で決まったので、新たなシステム投資は今のところ予定はありません。」とおっしゃった会社の方がいらっしゃいました。

よそ様の会社の内情に口を出すつもりはありませんが、大丈夫なんですかね? ちょっと心配です。

また、この報告書の最後に再発防止策が載っていますが、ここでは

組織の見直しの観点から
・仕入業務と販売業務の分離(水産事業部)
・業務手続の処理者と承認者の分離(水産事業部)
・商品統括部を新設による商品企画・製造・販売の統括管理(冷凍食品事業)

規定の見直し ということで
・コンプライアンス規程
    ・職務分掌規程
    ・決裁権限規程
    ・与信管理規程

 の改定を行うそうです。ということはやっぱり職務の分掌が必ず必要だと言うことですね。できれば、検証を正しく行うためにも弊社の Identity Manager も使っていただきたいものです。


Posted by ka28_tnk ( 7月 12日 2007年, 09:46:14 午前 JST ) Permalink


Today's Page Hits: 58