20060731 月曜日 7月 31, 2006

Project Keifer


Intel さんの Server 系 Chip の責任者である Pat Gelsinger氏も、Backlog これで終わりだよね、の Tulsa やっている Stefan Rusu氏にしても、プロセス技術依存の品のない Chip 作ろうか、という人達ではない。Intel さんの「プロセス技術上の Advantage」は、上手に同期取れば CPU Architect としては百人力であり、そこが魅力で Intel さんで Architect やってる、に違いないんですが、でも、それに振り回されたようなケバい Architecture の限界、はよく分かっているから、Backlog 処理が一段落、の後の Intel さんの方向、は、楽しみですね。見ておられる方向、は、間違いなく Many Core で、Many Core に向かおう、と考えた場合、Clock ガンガン上げましょう、や、Core 当たりのトランジスタ増やしましょう、は、どう見てもソッポでしょう。勿論、折角の Advantage と、そこを上手に折り合い付けた製品を捨てる必要はないし、そこは Sustaining Development で行こう、当然の選択で、しかし、「Many Core の時代」に向けた開発、は別途進んでいくんだろう、が、自分の想像、でした。

どこまで信憑性があるのかは、ちょっと、というところもあるんですが、Intel さんは、2,010年に 32-Core の CPU を、なんて話があります。具体的なのは Keifer という Project name だけじゃねぇか、という記事ですが、方向性としては当然そうだよね、があるんで、案外信じられているのかな。自分には Woodcrest はお里が Mobile で、Mobile 用にキレイにまとまっている石の上手な流用、に見えるんで、Woodcrest 二個をマンマ Package にした Clovertown までは (これは、Opteron Quad Core が出てくるから、なんちゃって、でも Quad 出さない訳にはいかないし) よいとして、Server / WS 用としてはそこまでのツナギかしら、と思っていたんですが、この絵を見ると何とか Town には随分先があるみたいに見える。どうも 64-bit は付け足しじゃないの、とか、発展途上とは言え先のありそうな Hyper Threading はとりあえず無視、とか、Mobile 用としては Good Choice そうだけど、Server / WS 用にずっとこれで行くのかよ、は、悩ましいところで、Dual Core (なんちゃって QC 含む) / Dual Socket に特化して考えれば、それで十分、かも知れないし、その延長での Many Core なら InterConnect は FSB の延長では話にならないからそこはがらっと変えないといけないにしても、「そういう Many Core CPU」もあっても良いかも知れない、という説に 100% 反対、ではないんですが... Merom ちゃんは Pat さん好みの冗長性の高い Concept で、だから、Merom ちゃんと Woody くんは、別の道、というか Interconnect 強化の道を歩んでいく、ということかも知れませんね。まあ陰謀史観で見れば、Dual Core 止まりの Architectureじゃないか、Clovertown だってどうなんだろう、という「世間の見方」に対して、この絵は美しい Counter なので、そういう高級作戦、であっても不思議じゃない、色んな取り方のできるところだと思います。

この情報の信憑性はひとまず置くとして、2,010年、は、年号というより 32nm の時代には、でしょうが、「何らかの Many Core」が当たり前の CPU Architecture に、は、もう決定的だろうと考えられます。この記事の絵、は、Dual だ Quad だ、という Level で、Core 毎の性能追求、では、Niagara III たら言うカタマリで勝負の石には勝ち目がない、だからこっちも Many Core やらないと、の説明資料、だと考えれば、分かりやすい。まして、2,015年にムーアの法則五十周年を祝う予定にしておられる Intel さんとしては、まあ 2,015年のコトなんか誰にも分からないんですが、今見えている世界としては、Many Core 以外に「ムーアの法則は今も生きている」を言えるネタはなさそうです。(ムーアの法則的、ではないでしょうが、今の Note PC の進化形、を、コプロセッサーやメモリさえ、一つのダイに閉じこめた、「究極の One-Chip Computer」の方向性、はあるかも知れない) Sun ゴトキに、ムーアの法則の恩恵を独り占めさせておく、はそんなバカな話はない。Woody くんの独自発展、にしても、Tulsa の De-Tune にしても、あんまり Many Core 用の Core とは思えないのですが、まるっきり Brand New な Many Core 用 の開発、では、なかなか 2,010年には間に合わない。Tulsa の De-Tune で八個、とかは、それなりのものになるような気もしますが、いくら Core 単位の性能が出ても八個じゃねぇ、32nm だから 32個でしょう、という世の中になるとすれば、Woody くんしかない、のかも知れませんね、は語呂合わせの好きな某氏の説です。

( 7 31 2006, 09:00:27 午前 JST ) Permalink
20060728 金曜日 7月 28, 2006

1.7B Transister


今回の Montecito の発表では、ダイサイズに言及しているものが見当たらないのですが、言われていた 600mm2 前後、はそう簡単に小さくなるモノではありませんからそうなんだと思います。熱い石、は、今となっては害悪みたいな言われますし、「熱くはなっても早くはならない」なら害悪なんですが、「熱くても (安定して) 動く」は、プロセス技術的には大きな Advantage であり、それは実際に Intel さんの「強み」として機能した、が、ある時期までの NetBurst の「成功」でもあります。悔しかったら、熱くても動く石作ってみろよ、ですね。ただ、「熱くても動く」の熱さには自ずと限度があり、しかも、熱くすることで得られる Performance の向上、も「どこかで頭打ち」は見えている話ですから、「どこで」を別にすれば、「熱くすること」に限界があるのは始めから明らかです。(その方向で走っているときに、10GHz とか、今となってはヨタ、を言うのはMarketing 的には、良くある話であり、それを「話半分 (前後)」に聞くのが常識、というものだと思っています。強いて言えば、半分以上に聞くのか、半分以下に聞くのか、が、ご意見の分かれるところ、なんでしょう)

「大きなダイサイズの CPU を (そこそこ以上の歩留まりで) 製造することができる」も、プロセス技術的には大勝利、です。だからといって、Prescott をそのまま二個並べたダイ作って嬉しいのかよ、はあるんですが、キャッシュ大きくすれば Performance が向上する、は、キャッシュミスで相殺される、はあっても、うまく Meet すれば劇的に向上する場合もあるし、平均すれば(平均するようなものでもないですが) そこそこの効果が期待できる。現に、Montecito お待たせ、の言い訳、の感じもあった Madison 9M が、結構評判よかったのは、その辺も大きかったと思います。あの頃は 130nm ですが、世の中では 400mm2 超え、凄ぇ、だったような気がするんですが、ダイサイズを大きく「できる」プロセス技術が、生で Performance 向上に貢献した好事例ですね。90年代の始め、Sun の日本法人の (エンジニアではない) 一般ピープルの Desktop は SPARCstation IPC とか、ELC とか、当時の Entry WS ですが、メモリ (勿論メインメモリ) は 8MB で、それでも世間様からはRich な環境でうらやましい、と言われたものなんですが、それを Single Core のキャッシュで乗せるのか、は、もともと大容量キャッシュ指向だった Sun の人間にとっても、おっ Intel さんもか、ヘェーでしたね。 ただ 4M -> 9M で、おおっ、だったものが、じゃあ 9M -> 24M (というか、コア当たり、では 12M) で、また、おおっ、かどうかは、ないとは言いませんが、常識的にはその範囲はぐっと狭くなる。また Madison 9M の 400mm2 でもびっくりなのに、Montecito の 600mm2 (90nm ですから、24MB 載せても 1.5倍のダイ面積に「止まっている」は計算合っているんですが) は限度に近いのではないか。それも、Montecito のような市場向けだからこそ許される (?) 600mm2 で、汎用の二桁のドルで売るような石、は、ダイ面積が小さければ小さいほど良い、であり、この方向でドンドン行きましょう、じゃあ 65nm では 64MB キャッシュ行ってみよう、にはなりっこありません。

Intel さんのプロセス技術的な Advantage である、多少の発熱ではヘタらないや、多少ダイ面積大きくなっても Yeild 下がらない、みたいなことは、今後とも「Intel さんの強み」であるのは変わらないと思いますが、下世話に言えばそこに「悪乗り」して、プロセス技術に依存して Perforrmance を稼ぐ、は、もう「ない話」です。だからこその Merom 系三兄弟、であり、Montecito (や、多分 Tulsa もそうだと思いますが) のような Backlog 的な開発でも、トランジスタ数は三倍以上でも、発熱は Madison 9M より抑え気味、のようにそこは十分意識しておられるのだと思います。「悪乗り路線」の収拾、にも、Resource が必要だし、Deep Submicron 時代の Architecture も模索していかないといけない、これは、さすがの Intel さんでも Resource はいくらあっても足りません、に違いないと思います。

( 7 28 2006, 09:03:56 午前 JST ) Permalink
20060727 木曜日 7月 27, 2006

Tukwila


Merom / Conroe / Woodcrest のトリオ、は、ナカナカ、であることはその通りですが、これで AMD64 に勝負あったか、というと、とてもとても、で、CPU 本体だって、Socket F だ、QuadCore だ、で、AMD64 の進化、も、これからいくらでもあるわけで、個別に見れば、Server / WS 用でどっちが、とか、デコボコはあるんでしょうが、これからの勝負です。そこに ATi さんという強力な援軍登場、ですから、Intel さんとしても、ウカウカしてられないどころか、これからが正念場でしょう。だから、デキるヤツ、なり、使える Resource は Intel さんだって欲しくてたまらないに決まっているんですが、AMD さんの ATi 買収に対抗して nVIDEA さん買収して、という訳にも参らない。昔なら AMD さんが買収された NexGen のようなダイヤモンドみたいな会社が転がってもいただろうし、Alpha の Team が草刈り場、とか、食わせモノ、も交じっていても、まあ外の Resource を Pick する、が可能だったと思うんですが、今や 56億ドル、ですから...

以前、IA-64 の開発が Intel さんから日本勢へ、というウワサが出た時に、関係者の方を冷やかしたら、「そんな Power や SPARC に、それ見たことかと思われるだけでも損だから、やるわけないでしょ」と言下に否定されましたが、ついでに、これはある部分はイヤミで言われた、もあるにせよ「でも Sun さんはウマくやったよね。今やマトモに CPU を開発できるような Resource が浮いている国、は日本だけですよ。海のものとも山のものとも知れないにしても、これから面白そうな Many Core は自前で、SPARC64 のような石は頑張っておられる富士通さんと Partnership 組む、は、Resource と Risk の Portfolio として、Best Mix じゃないの」みたいなことをおっしゃってました。汎用 CPU は作っていなくても、デジカメや液晶テレビの画像処理エンジンに代表される、民生用の Logic LSI の設計リソースは、余っているわけでは全くないにせよ、日本ほど豊富な国はない、それは米国から見れば、垂涎モノだろう、は想像に難くありません。

製造技術、という意味で、大きな壁、が 45nm で来るのか、それとも 45nm は何とか既存技術の発展で Cover できても、32nm ではガラッと変えないと、なのかは、まだ何とも言えないにしても、そうなると製造技術だけでなく、CPU 設計の基本コンセプトだって随分変わってくるに違いありません。今から設計する石、は、そこを先取りできていないと、チグハグになってしまう。「Montecito の次」の Codename だった Tukwila は、そもそもは Alpha の Team がやっていた、HyperTransport なんか目じゃありません、の高速バスを始めとするメクルメク石、だった筈なのに、いつの間にか Montecito x 2 みたいになっているんですが、今 (90 -> 65nm 世代) ならピカピカの石、は、次世代ではアナクロ (アナログ、ではない) な設計思想になっているかも知れない、それなら 90nm -> 65nm で Dual Core から Quad Core へ、という Sustaining Development を、は平仄が合っています。CPU 開発に、常に「凄ぇなぁ」という製品が出てくることを期待するのは、ファン意識 (これは何も Intel ファン、を意味しない。強いて言えばテクノロジー・ファン意識) としては当然で、Montecito x 2 じゃ詰まらない、Tukwila はそんな石じゃなかったはずだ、から、Intel さんは IA64 をどうしようとしているのか、みたいな話になるのは、無理もないところなのでしょうが、今、「旧 Tukwila」のような、言ってみれば三桁の nm から二桁の nm を眺めていた頃の思想、に、大きな Resource を注ぎ込むのは、Intel さんですから「お金」は何とかなるにしても、人的な Resource からして、どうも割に合いそうもありません。

( 7 27 2006, 08:58:12 午前 JST ) Permalink
20060726 水曜日 7月 26, 2006

Another View Point


昨日、違う View Point で、をお勧めしたら、早速実行頂いた (?) 方から「この一年で、Intel さんの従業員数、は、一万人以上増えているんですね」という Mail を頂きました。確かに、前年同期比末の 91.8K 人、からこの Q2 End では 102.5K人、ですから、一万人以上増えている (Q1 End からは微減) のは、相当の数です。Mail 頂いた方も「人員、は、買収とかでも 増えるし、Intel さんは製造業だから新工場でも建てれば増える。なので、どこで増えたかを見ないと、余り正確なことは言えないが、この一年大型買収の話は聞かないし、工場は増えているにしても、一万人、は、いかにも一般部門でも人が増えていそうな数字に見える」とコメントされていましたが確かに一万人増える、は、スゴイ数字ですから、程度は別としてその傾向はあるのでしょうね。Andy Grove 氏の時代でも、Intel さんは「デキるヤツを採る」には貪欲な会社だったと思いますが、Marketing Man が Top になると勿論「デキナイ人を採る」という意味ではありませんが、どちらかというと、「Head Count が欲しい」みたいなのが Marketing People の Nature ですから、「デキるヤツ」指向だと、Andy Grove 氏のおメガネに適うような「デキるヤツ」なんて、そうは居ない、だから社員数が激増したりはしないが、Head Count 指向で、それを Fulfill しましょう、になると、玉石混淆は言ってられない、だから人数が増える、はアリガチですね。
月曜にリンクした記事の「大きな組織再編」も、Co-General Manager とか、Co-lead とか、何かよくわからない Position が一杯あったのが「誰が Leader か」がすっきり分かるようになりました、が一番実質的な内容みたいに見えて、当たり前だろ、という感じだし、管理職クラスの 1,000人規模で削減、も、このごろリストラを管理職クラス中心に、は、世の中一般にハヤリではあるんですが、Andy Grove氏の時代の Intel さん、って、いわゆる「管理職」的な肩書の人の少ない会社だったのに、世間のハヤリに Follow しないと、になってしまったのは、同じような意味、なのかも知れません。

この組織再編で Sales / Marketing 系の "Sole New Leader" になった Sean Maloney氏は、昔 Andy Grove 氏のオフィスのスタッフとして働いていたこともある、いわば Andy Boys のような経歴の持ち主で、Intel さんが Andy 回帰、というと語弊があるかもしれませんが、そういう方向に舵を切ろうとしていることを覗わせる面がありますね。Intel さんのこの決算数字、は、ドットコム・バブル崩壊の時のような「世の中悪いんだもんね」ではなく、テクノロジーでも市場でも、AMD さんと正面競合になった、の結果、に他なりません。長年、Jerry Sander氏率いる AMD さんは、Andy Grove 氏の「Intel 帝国」に歯が立ちにくかった、しかし、両氏が表舞台から去って、 Sander 氏が集めた「デキる人々」が、決算書、から見れば惨憺たる状況、の中で、ある意味では「Sanders氏のクビ」を担保に、歯を食いしばって投資を維持してここまで巻き返した。これはスゴイことなんですが、どうも自分には、AMD さんが相性悪かった「Andy Grove氏の Intel」から、そのイロが薄れて来ていた、それが AMD さんにとって大きな Chanceになった、は、あるんじゃないかという気がします。その意味では、Andy Grove 回帰をはかる Intel さん、はWoodcrest / Conroe が強敵、とは別の意味で強敵として再登場、かも知れません。

AMD さんもそこは怠りない、というか、ウワサは出ていたのですが、ATi さんとの統合、はゴツい話で驚きました。AMD さんと ATi さんはよい組み合わせ、だと思いますが、それにしても 56億ドル、ですからね。これは、「事業」として、もさることながら、AMD さんにとって一番欲しかったのは ATi さんの開発リソース、言葉を換えれば「デキるヤツ」ではないか、と。事業としてみれば、GPU は尖ったところだし、ちょっと無理な比喩ですが、NetBurst 路線の nVIDIA さんに苦戦気味、を巻き返すも大事なんでしょうが、AMD さんは AMD64 の HyperTransport は Co-Processor との連携(別ダイ、とは限らず、オンダイで Note PC Focus の軽い石から、ガンガン 数値計算回す石、まで、も面白そう) でもとっても有効、をもっともっと活かしたい、が大きな戦略としてある筈で、そこでは ATi さんの「デキる Resource」の価値は非常に大きい、と考えられます。

( 7 26 2006, 08:43:56 午前 JST ) Permalink
20060725 火曜日 7月 25, 2006

Q2 Earning of INTC (2)


BS を見るときに Inventory (在庫) が気になるのは、昔の職業病の後遺症みたいなこともあるのですが、期末の総在庫は $4.3B で、四半期の回転で見ると 1.85回と、これは前年同期末の総在庫 $2.7B、3.37回転と比較すると、かなり悪化しています。これは、大きな製品の切り替え時期ですから、新製品と旧製品の両方の在庫を持たなければいけない、新製品を作り貯めて、発表と同時に市場にどっとタマを出す、その準備をしておられるのだと見るのが常識的なところかと思います。ただ、この一年間ずっと Q'ter ごとに Inventory が増えてきて、この Q'ter でまたぐっと増えている、が推移ですから、「本格的な新製品」のための健全な在庫、は良いとして、この一年間、には、ちょっと目先を変えるための、と言っては語弊がありますが、いわゆる Marketing Products 寄りの「新製品」も出されていて、まあ、品番が増えると在庫が増える、はよくある話なのですが、「本格的な新製品」の登場で、ここをうまく収束させられるかどうか、は「腕の見せ所」なのでしょう。あと、目立つのは、いわゆる Cash が、前年同期末の $12.6B から、$6.4B と半減していることで、これは殆どが自社株の買い入れ相当、ですが、ここは米国流のやり方で、自分にはあんまりよく分かりません。(買い入れやっても、株価は前年同じ頃の $20 台後半から $10 近く下がってるんじゃしょうがない、と思うんですが、株価の低いときにちゃんと買い入れやっておくと、良くなったときの Rebound が大きいから、結果として正解、もあるのだそうで、そう言われればそういう気もしますが...)

製品グループ毎の数字、は、わかりやすい、というか、売上で見ると、Digital Enterprise Group (デスクトップ、サーバ系) の CPU 本体の売上が、前年同期の $4.6B から $3.3B (-23%) と急降下、が、ほぼ Intel さんの売上減の全て、とくっきりしています。Mobility Group は、CPU 本体は微減ながら、Chipset 等「その他」は増加していて、Group 全体では、むしろ微増 (+2.5%) の $2.7B で、売上の構成比でいうと 28% から 34% と存在感がますます高くなっています。もともと収益性が高い Mobile 系の石が、デスクトップやサーバー系と比べれば AMD さんに荒らされているわけでもないので、高収益を維持 (グループ別営業利益、では、それでも若干下がっていますが、これは原価配分の問題もあるかも知れない) されているのが、減益減益と言ったって、まだまだ Q'ter $1B あるんでしょ、の Intel さんの屋台骨を支えているんですね。

出荷地域別の売上比率、で見ると、Asia-Pacific 50% / Americas 22% / Europe 17% / Japan 11% で、Share の数字にすると、それほど大きな変化はありませんが、ここでも一番 AMD さんに押されている、と言われる Europe の落ち込みが大きくて、「Intel さん好き」で、Note PC の比率の高い日本、は、前年同期比で微増ですが増えている、とか、それぞれの特徴が出ていますね。こういう数字の見方、は、面白い、というか、Old Boys は、「天下の Intel さんとは言え、 まあ部品屋さんといえば部品屋さんだから当然、かも知れないけど、やっぱり組み立て工賃の安い Asia-Pacific で半分、なんだね」なのに、若い衆は、「へえー、今でも Americas + Europe + Japan で、まだ半分あるのですね」で、同じ数字見ていても、随分受け取り方が違います。
まあここまで「正反対」ではないにしても、数字、は、それぞれの View Point で別のことを語ってくれるもので、今まで書いたことはあくまで、A View Point ですから、是非自分でも眺めてみられるとよい、と思います。

( 7 25 2006, 08:56:08 午前 JST ) Permalink
20060724 月曜日 7月 24, 2006

Q2 Earning of INTC (1)


Intel さんの Q2 の決算で、Net Income が $0.9B と $1B 割れ、前年比 -57%、が話題になっているんですけど、1-cent でいいから (恥ずかしながらEPS ではなくて) Plus 出したい会社の社員から見れば、何か違う世界の話のような... 広範囲な製品ラインで、がらっと中心になる製品を一新されようとしている最中ですから、そういう時期にウハウハ儲かる、なんてありえない話ですし、常勝 Intel は神話と言えば神話で、Intel さんだってドットコム・バブルのはじけた年は、結構ヒイヒイ言って居られたと思いますから、そんなにとんでもないことが起きている、とは思わないんですが、管理職クラスの大胆な整理とか、大きな組織再編とかも行われていたりするので、どうしても話題には なるのでしょう。話題に乗り遅れないように、ではありませんが、Financial Statement を眺めるのは勉強にもなりますし、 Intel さんの Earning Report はなかなか見やすいですから、ざっと拝見してみます。

まず、売上は、$8.0B と、前年同期比 -13% (- $1.2B) で、ただこれは前年がとてもよい数字だったから、も大きくて、一昨年同期、から見れば、ほぼフラットです。総利益、は、半導体の製造原価には製造設備の償却など固定的な要素が高いし、製品の平均売価も下がっているのでしょうから、売上減少分がほぼ直撃の $4.2B (前年同期比 - $1.0B) は致し方ないのですが、それでも総利益率 (Gross Margin Rate) は 52% と、50% 台を守っているのは、まだまだ悪くない数字、に見えます。
経費のところで見ると、R&D が $1.5B (前年同期比 +27% / + $320M)、MG&A (マーケティング費用を含む一般経費) が $1.6B (前年同期比 +19% / + $251M) といずれも著増しています。R&D が増えるのは、CPU は新しい Architecure への全面切り替えだし、プロセス技術も、従来の Technology では解けない Deep Sub-Micron の世界に突入、ですから、ここでリキ入れないと競争に勝てない。「苦しいときにこそお金が必要」がこの産業のいわ ば宿命で、苦しいときに、でも R&D にお金を注ぎ込める体力、が Intel さんの強みですから、その顕れ、と見ることもできますね。MG&A だって、特に Marketing 系のお金は、順調なときには黙っていても売れる、競争が激しいときこそ注ぎ込まなきゃ、は、同じといえば同じ、で、増えるのは当然、かも知れないのですが、これは使い方次第の面もありますね。

総利益が売上減直撃で大幅減、一方ただでさえ巨額な費用系はガンガン、ですから、当然、営業利益 (Operating Income) は、前年同期比 - $1.6B / - 60% と激しく傷んでいるのですが、その分税金が安くなったりもするので、税引き後の Net Income では、$1.1B の減に「止まっている」が全体の姿です。

( 7 24 2006, 09:03:52 午前 JST ) Permalink
20060721 金曜日 7月 21, 2006

Long-awaited Montecito... (2)


CPU ベンダー、というより、Logic LSI と広くとっても、総合的な開発力なり、掛けておられる投資で、Intel さんに「匹敵」するのは、IBM さん、は、誰しもご異論のないところだと思います。しかし、IBM さんの開発力、なり、その投資、は、何も CPU Chip なり LSI だけを Target にしておられる訳ではない。一個 1,000ドル order の CPU Chip を作ってますよ、なら、到底取り戻せるものではない開発努力や投資があるからこその Power 5 であり、その Follow-On への期待、がある、が姿だと思います。それが可能なのは、IBM さんの場合は、「Power x の売上」は、(Power x は、「メインフレームクラス」に特化した石ではありませんが) システムボックスの 5% とか、精々 10% 以下の CPU Chip の売上ではなく、Power x ベースのシステムボックスの売上全体、であり、もっと言えば、Middleware や Database のような自社の SW の売上、や、Integration や Consulting の売上、も、Power x がドライブしている、と見ることもできる。(勿論、これらの IBM さんの「総合的な実力」が Power x を支えている、も一方ではありますが) システムボックスの開発、にも、小さからぬ投資が必要だし、色んな直接原価がかかっているし、いくら良い箱を作ったからと言って、黙って座っていれば売れるというものではありませんから、CPU Chip の売上、とは性格が違うのですが、「Power x ベースのサーバ市場」の市場規模、は、その大きな部分が IBM さんそのものの市場、の規模であり、実際には、それに SW にせよ、Integration にせよ、「別の市場」が乗っかっていますから、そこまで含めた「市場規模」だと考えれば、もっともっと大きい。それが Power x なり、LSI への投資の基盤になっている、と見る事が出来ます。

Sun は、Intel さんと IBM さんの中間、というとちょっとおこがましいかな、中間やや後方、くらいにして置きますが、CPU Chip の設計は自前でも、製造は Partner さんにお任せ、ですから、開発投資も両社と比べれば小さいし、箱は自前でも、SW は OS 周りには自信がありますが、RDB 持っているわけではない。それでも設計だけでも Sun の甲斐性からすれば大きな負担である CPU (だけではなく、昔は Network 用の LSI も汎用品がなかったので、その辺も含めて) 開発を割りに手広くやってこれたのは、High-end の Workstaion と大きめの Server の CPU 性能への Requirement に共通点があったからで、まあいってみれば、伝統的な Sun の WS 市場からの上がりで、大きめの Server用 SPARC の開発費を支えていたみたいなところもあります。これは、ある程度は、HP さんの PA-RISC でも事情は同じでしょう。RISC WS の世界、は消えてしまった訳ではなく、Internet の発展で、「昔のパチョコン」が今や描画性能にせよ、Network への対応にせよ、かつて RISC WS の世界、だったものが、汎用デスクトップや下手すれば Note PC でも当たり前、になってしまって、居場所は狭くなる、お値段はお安くなる、で、とてもじゃないが、投資を支える訳にはいかなくなった。この辺の話は、機会があれば触れるとして、Sun は自前の開発は、Network Facing な汎用サーバ用の CPU 開発に特化して、いわゆる「メインフレームクラス」用は、富士通さんとの Partnership を選んだし、HP さんは Intel さんと、になったのですが、自前の CPU 開発、は、Computer 屋なら誰だってやりたい、それがそうは思うに任せないのは、投資が大変で、しかも回路が大きくなれば投資額は加速度的に拡大するからに他なりません。

逆に言えば、Intel さんは LSI としての CPU の販売、だけで、IA64 の開発を支えておられる、は、並大抵でできる話じゃないですね。IA64 Server の市場占有率、は、日本では Power や SPARC に匹敵していますよ、は、Intel さんだけではなく色んな方のお話に出てきて、Sun の日本法人の粟を食むものとしては、しっかりせんかい、と言われているようなものなのですが、それでも強力な Customer base を擁する何社さんもかかって、匹敵する、や僅かにリードでもいいですが、その程度の話でも、日本「では」と殊更に言われるのは、世界「では」そこまでも行かない、でもあります。SPARC は「Sun 自身の実入り」の部分がどれだけ、はあるにしても、IBM さんは Server の市場占有率がほぼそのまま自分の実入り、なだけでなく、SW や SI 分まで含めれば、それ以上のものを手にされるだろう、に対して、Intel さんは、世界で見れば IBM さんよりもどうみても低い IA64 Server 市場占有率の一桁の % が実入りで、にも関わらず、頑張って居られるんですから、これは普通の会社 (Intel さんは「普通の会社」じゃないよ、は承知してますが) に真似の出来るようなことではなさそうです。
折角の「待ちに待った」Montecito の Debut なんですから、イヤミ言うのも何ですが、お披露目 Event での Big Iron 群を背景にしての Pat さんの晴れやかな表情、は、これからもガンガン行くぞ、よりは、やっと借金返したよ、の方に寄っているような気もしないではありません。

( 7 21 2006, 09:02:04 午前 JST ) Permalink
20060720 木曜日 7月 20, 2006

Long-awaited Montecito...


待ちに待った、と言っても、首を長くして待っていたのは市場ではなくて HP さんを始めとする (中には、待ちくたびれて Chapter 11 の某社、も含めて) Server Venders じゃないの、という気もしますが、Dual Core / 24MB Cache / 17億トランジスタの Montecito のお披露目が US 時間の 18th に行われたようです。いつも Itanic 呼ばわり、の東スポさんも、さすがに 17億トランジスタに敬意を表されたか、単純にもうアキアキしたということかも知れませんが、珍しく見出しもおとなしくて (サブ見出しは、"Tired of me, myself and HP" と相変わらずですが) まあ散々言われてきたことばかりで News という意味では、Cache Size が三種類 (24 / 18 / 8MB)、Lower Clock 版が二種類 (なぜか、FSB 400MHz 版あり) に Single Core 版、と、Variety に富んでいること位ですから、淡々と、なんでしょうかね。

先月、Intel さんの Server Chip の責任者である Pat Gelsinger 氏の Stanford での講演、のところでも言っているように、IA64 は、今や、志に反して、かも知れないのですが、Mainframe 市場のリプレース向け、が主要な Target で、今回の発表でも、「軒並み1トンクラスの鉄の塊」(Big Iron) を 7社 (HP / Hitachi / "SGI" / NEC / Bull / Fujitsu / Unisys) ずらりと並べて、Focus Area はここだ、こんなに大きな市場を狙っているんだ、がご主張だったようで、San Francisco の高級 Hotel でもステージの床の補強が大変なんじゃないの、なんて冷やかしもあるようですけど、壮観だっただろうな、と思います。ずらっと Big Iron 並べて頂かなくても、メインフレーム (やスパコン) 「クラス」のサーバの市場規模の大きさ、は、承知しているんですが、Chip の数ではなく、System Box の市場規模をアピールせざるをえない、ただ、その市場規模、は、残念ながら「Intel さん自身の市場規模」ではない。そこは痛し痒し、のところでしょう。

Big Iron の「システム価格」に対する、CPU 単体の構成比、を考えてみましょう。ざっと申し上げて、Superdome のクラスの Full CPU の箱の値段は、CPU あたり 10万ドル前後、が相場、というか、Full CPU で 600万ドル、とかそんなところだと思います。これに対して、Montecito の最上位である 9050 (Superdome の Full CPU なら常識的には最上位 CPU でしょうが) は、一個 $3,652 ですから、この場合で 3% から 4% 相当、と言うことになります。いわゆる「定価」の考え方が、メインフレームクラスのサーバ、と、2-CPU の汎用ラックマウント、では、同じではないにせよ、Woodcrest と Woodcrest のサーバ、での CPU のシステムボックス価格に占める割合は、30% 内外、が相場で、Woodcrest のサーバなら、Intel さんの「実入り」は Woodcrest だけではなく、チップセットや、小銭ではありますが、FB-DIMM 用の AMB (Advanced Memory Buffer) 等からも期待できます。あんまり品の良い比較、とは言えないかも知れませんが、「メインフレームクラス」と「Woodcrest Server クラス」では、Intel Value / Box Value は、ざっと十倍違う、この市場が Intel さんにとって「おいしい市場」かと言うと、なかなかそうは行きそうもないように見えます。

( 7 20 2006, 09:03:23 午前 JST ) Permalink
20060719 水曜日 7月 19, 2006

DCMX


モバイル Suica は、今までは Credit Card 機能とセットの View Suica としてケータイに搭載されて来たのですが、十月から SF カード単独の「普通の Suica」を選択してケータイに搭載することが可能になります。これと合わせて、銀行口座から直接 Suica にチャージする、モバイルバンキングとの連携、も、みずほ・三井住友・東京三菱 (時代遅れな言い方ですが、旧 UFJ 口座とは十月時点では繋がらないらしいので悪しからず) の三行との間でスタートします。View Suica の Credit Card からの自動チャージと、モバイル Suica の銀行口座チャージのどちらが便利、は、また銀行チャージサービスの詳細が発表されていませんので、何とも言えないのですが、自動チャージの方が、定型的な分だけ単純に便利、と、銀行チャージは非定型的な処理や他のサービスとの組み合わせも可能だから、発展余地があって、これから便利になる、は両方言えるところだと思います。

モバイルフォンと「電子マネー」の合従連衡、の話を始めると、またとりとめがなくなってしますのですが、Docomo さんが、ケータイクレジットと銘打って DCMX という新しいサービスを開始されているのはご承知の通りです。DCMX には、Credit Card 型と、「与信型」の二つのサービスがあって、Credit Card 型にも Docomo さんは三井住友カードさんに 33.4%、みずほ UC カードさんに 20% 弱出資されていることでも分かるように、リキが入っているのですが、「与信型」は上限一万円、とはいうものの、DCMX の「電子マネー」である iD の利用が、本来のケータイの利用料金と一括請求、という仕掛けで、これは Docomo さんの強大な課金・請求システムを活用した、ユニークなサービスだと思います。ケータイは、端末自体にも (例えば指紋認証機能付きのケータイ) 通信の仕掛けの中でも、様々な Security を掛けることができて、いわば Secure なおサイフ、としての技術的な基盤は整っています。しかし、おサイフ、は、紐が堅いだけではおサイフの役には立たない。おサイフケータイに入っているのは「お金 (紙幣や硬貨)」ではなくて、電子マネーですから、それが自由自在に使える交換価値じゃないと意味がなくて、だから、Suica や Edy のような既存の「電子マネー」とも組むし、自前の電子マネーである iD も始めようとされている訳ですね。しかし、おサイフ、で一番大事なのは、中におカネが入っていることで、それは Credit Card でもいいんでしょうけど、「与信型 DCMX」は、いわば、借金のできるおサイフ、で、まあ、でも一万円だけでしょ、と言えばそうですが、Security が高くて、どこでも使えて、しかもお金が湧いてくるおサイフ、って夢のような話ですね。

DCMX のこれから、で、重要なのは、「どこでも使える」の展開で、Credit Card として、の方は、三井住友カードさんや、みずほ UC カードさんの加盟店さんに浸透していくことで、十分成算があるんだろう、と思います。電子マネーとしての iD は、「他の電子マネー」との共用化、を、どう確保していくか、が鍵で、すでに Suica との共用化は、単に FeLiCa の受信端末としての共用化だけでなく、バックエンドの「共通利用センタ」も含めて動いておられます。どう見ても一番利用頻度の高い「交通マネー」との共用化、がないと、「電子マネー」としてはしんどいでしょうから当然、ですが、「交通マネー」の側から考えても、「電子マネー」全体の普及が多角的に進むことは大歓迎、でしょう。

( 7 19 2006, 08:50:39 午前 JST ) Permalink
20060718 火曜日 7月 18, 2006

Green Car Reservation System


交通カード問題、は、我ながらまずいところに踏み込んでしまいましたね。割に旬な話題でもあるらしくて、色んなニュースも次々出てくるし、で、なかなか足抜き出来なくて、のたうち回っている感じになってきました。イーテックでご指摘頂きました、を書いたんですが、その他にも、一々ご指摘を頂きましたとは書いていない「ご指摘からの反映」のおかげで話題にハバが、はありがたいとして、一番多いご指摘は、いつまで交通カードバナシ書いてるんだ、なんですけど...

モバイル Suica の話、を書こうと思っていたのに、先週一杯そっぽに行ってしまったのですが、JR-East さんが、モバイルとの結合、をどう生かして行こうとされているのか、を、「今できていること」から見てみましょう。一般的な予約、がモバイルフォンや PC からできます、は、JR-Central さんと基本的に同じで、ここはむしろ JR-Central さんの方が (予約して乗車、の新幹線が主要事業だから当たり前、でしょうが) 「価格メリットでネットワーク経由で予約、に誘導」のメリハリや JR-West さんとの連携、など進んでいる部分もあります。モバイルフォンを利用した Ticketless では、これは、ご指摘を頂いて分かったのですが、なんと中央ライナー、青梅ライ ナーで、「携帯の画面が指定券代わり」がもう実現しているんですね。前に、携帯の画面突き出して切符代わりはないだろう、と書いた時に頂いたご指摘、なんですが、これは感心しました、というか、ちょっと大胆すぎませんか、というか、とりあえず、不明を恥じておきます。
素直に、これはスゴイ、なのは、このグリーン車 Suica システムです。普通列車のグリーン車、は、予め券売機でグリーン券買っておく場合と、車内検札で購入する場合、では、車内検札の方が高い、が基本的な仕掛けで、これは込んでるからグリーンで帰ろうか、のハードルが高くなるんですが、車内検札、は、交通側からすれば余計な工数だし、合理的な仕掛け、だと言ってよいでしょう。ただ、グリーン券用の券売機 (正確に言えば「券売機」兼 Suica にグリーン券情報を書き込む機械) は、改札の中、にもあるのですが、乗り継ぎや、思い立って、には、「事前に」は便利な仕組みとは言えません。モバイル Suica では、「モバイル通信」で、この「グリーン券情報を購入する」ことができる、がスグレたところで、勿論料金は「予め料金」です。仕様としては、「乗車前に」購入というか情報登録、が必要、だと思いますが、実質的には始発駅なら着席後 / 出発前、でもできそうで、グリーン券買っているのに、席がないとはどういうことだ、も回避可能ですね。何よりスグレているのは、グリーン車には席毎に Suica の受信端末があって、着席 するときにその受信端末にタッチすると、その席の Status Lamp が赤から緑に変わって、それで「検札完了」になる、車掌さん (グリーンアテンダント、と言うらしい) は、にっこり笑って (くれるかどうかは知りませんが) 検札省略です。これは Digital な Ticketless 予約システムとしては、ほぼ完結していますね。今後は、新幹線でも何でも、車両側に Suica 受信端末をどう設置していくかだけで、「予約」と Suica は、もう繋がっている、と言って良い、モバイル Suica は「予約端末であり、乗車券・指定券でもある」は、検札まで含めて実現が見えてきています。

笑ってしまうのは、東海道線函南以西に行くときは、必ず紙のグリーン券を買って下さい、で、単に、東海道線沼津行きの編成は JR-Central さんの車両だから、Suica 受信端末がありません、ではなく、普通乗車券部分も含めて Suica のシステムが熱海 (East さんと Central さんの境界、伊東線は East さん) で切れているから、その上に乗っかったグリーン車システムも当然使えない、なのですが、そこで急に「紙に戻る」のは面白いですね。

( 7 18 2006, 08:58:58 午前 JST ) Permalink
20060714 金曜日 7月 14, 2006

Thru Way Card


昨日の Post を、自己破産から ETC システムの「義務づけ」という文脈で流してしまったので、「あれが万全の対策、とは思わないが (笑)、ETC パーソナルカードと称する与信カードではない ETC カードがありますよ」というご指摘を頂きました。はい、存じてます、なんですが、一言触れておけばよかったですね。ETC も PiTaPa と同様、割引制度のプラットフォームが大きな位置づけなので、ポストペイの Implementation は必然で、しかしそれを「与信カード」しか認めない、は、うまくない。ETC にも PiTaPa にも「保証金型」の非与信カードは制度上存在しています。与信カードの方が使い勝手が良い、は、あるんですが、 それは、「与信カード会社の営業努力」としてやっておられる部分もあるのである意味では当然でしょう。ただ、非与信カードがあれば、それで「義務づけ」が正当化されるか、というとそうではないのは、PiTaPa だろうが Suica だろうが、それを直ちに「義務づけ」って、そんなのできっこない。有料道路での人手を介しての料金徴収、は、排気ガスにさらされるのをどうしてくれよう、という問題もあって、ETC を推進しよう、の意義は、「鉄道カード」より大きいのかも知れないし、クルマをナンバープレートというアナログ iD だけでなく、ETC を含むデジタル iD で二重に iD 化しましょう、には、面白い展開が豊富なのに、それを「義務づけ」と言ってしまうとブチ壊し、みたいなところもあるのではないか、が言いたかったところです。

別のご指摘は、「首都高速は、義務付け、とかノタまわっているかも知れないけど、阪神高速は、ETC お得でっせ、も一生懸命やってるよ。まあ首都は官僚さまの本場だから、もあるかも知れないけど、文句言わない、と錯覚させている首都圏 ドライバーにも一端の責任があるのでは」で、まあ逆に言えば西では「お得でっせ」を言わないと見向きもされない。現に、 国土交通省の発表でも、首都高速での ETC 利用率は、阪神高速より高い、が四月の実績のようで、ここは阪神高速も頑張らなきゃ、はあるのだと思いますが、「義務づけ」よりは健全かと。駐車場会社との連携、は、今まではお役所の縄張り、というか、ETC は旧建設省の縄張りで、「駐車」はどちらかといえば警察の縄張り、なので超えられない壁だったのが、ようやく超えられるようになったのが、早速反映しているのだと思いますが、これは重要だと思います。道路交通は、クルマや運輸業界は旧運輸省、道路は旧建設省、「交通安全」は警察庁、とモロの縄張りが錯綜している上に、通信、とか、IT とかは別のお役所も絡んでいて、民間のシステムでも部署間の縄張り、は、なかなか解きにくくてシステムを歪めガチ、なのが、お役所、だと、それはそれは大変、は想像に難くない。しかし、パーキングメータなんか、うまく運用できれば、すぐにも強力で有用な仕掛けになると思うんですが、システム、というか端末であるパーキングメータの仕組みが旧態依然でそこがネックになっている。ETC との組み合わせ、で集中管理できれば、随分面白いことが考えられそうですが、ウーン、でもそこは警察の縄張りだから...

速度制限違反の取締を ETC でやったりすると、それこそ「義務づけ」でもしないと、誰も ETC 付けなくなるし、第一、みんなが速度制限遵守するととんでもない渋滞が起きるような気もするので、やるなら「社会システム」 全般の大きな見直しが必要でしょうが、クルマに (通信可能な) デジタル iD が付いている、は、システム屋として考えると、無限に近い展開がありそうで夢物語、は、今までも一杯語られてきました。今のクルマ、は、もうエレクトロニクスというか IT のカタマリだし、カーナビはモバイル最強のグラフィック端末だし、足し算するようなものじゃないにしても、搭載されている MPU の MIPS値を合計すると、もう 10,000 MIPS 超えている、という人も いるくらいで、クルマ本体、は、もう「夢物語」の実現がそう遠くないところまで「進化」しているのかも知れません。実際に難しいのは「社会システム」の方で、それもテクノロジーの問題というより、縄張り、のような、別の社会システムや、義務づけ、のようなレガシーな「システム思想」なのでしょうね。

( 7 14 2006, 08:52:29 午前 JST ) Permalink
20060713 木曜日 7月 13, 2006

ETC (イーテック)


Suica を「金券」から「個人カード」に寄せていこう、は、PiTaPa 方式というか「運賃の弾力化」への基盤、が長期的にはある筈だと思いますが、今のところ動きが目立つのは「カード事業自体の強化」というか、そこでのパートナーリングですね。Docomo さんや JAL さん、だけでなく、銀行やクレジットカード会社、飲食さんのような利用店、とか、多岐に渉っています。利用店 Side で言えば、ビックカメラさん、は大きな目玉ですね。「ポイントカード」と言えば、まず思い出すのは電器量販で、なかでもポイント還元率で業界リードしておられるのはビックさんでしょうが、ビックカメラさんとの提携 View Suica では、ビックポイントを Suica にチャージできる、は勿論、電子マネーとして使うときだけでなく、Credit Card として使う場合も、還元率は変わらない、でスタートして居られて、それもあってか、弊社社員にもなかなかの人気です。この提携での JR-East さんとビックさんの懐勘定は? は趣味悪いとして、やはりビックさんにしても JR-East さんとパートナー組む、は、交通事業者さんとしての East さんのプレゼンスだけでなく、将来、も見て、「電子マネー事業者」としての East さん、にも魅力を感じて居られるからこそ、だと思います。

電子マネーを Credit Card と組み合わせて使う、は、利便性も高いし、色々なサービスが可能、というメリットは大きいのですが、交通事業の公共性、を考えると、「与信カード」ありき、は問題が大きすぎます。入札案件をチェックしている営業で取っている官報見ていると、自己破産や免責の公告がイヤになるほど出ていて、毎年二十万人、ですか、そういつまでもそれが続く、という訳でもないでしょうが、その十年分 (自己破産は、変な言い方ですが、十年経たないと二回目はできないので) とすると、国民のパーセントのケタの人が与信カードは持てないし、未成年や、与信カードは持ちたくない、という人だって居る。 その意味では「電子マネー」は、「与信カード」じゃなくても良いし、「Security の高い (事故があったときに取消可能な) 現金」という特性も持てるわけですから、ここは、「当面の利便性」開発のために Credit Card 連携は、それはそれで進めて頂くのは当然として、折角、公益性の高い JR さんがやられる以上、社会的なインフラストラクチャとしての汎用性、を Suica というか「Suica マネー」には期待してしまいます。当たり前のように使っていますが、紙幣や硬貨の社会的な効用、は、もしなかったら、を考えると、絶大なものがある、「電子マネー」がそれを代替していく、とすれば、JR-East さんや、 Docomo さんのような、本気の公益事業としての DNA と、通信や制御で培ったシステム屋さんとしての実力、を兼ね備えたところが牽引する、じゃないと難しいんでしょうね。

最近、アレアレ、と思ったのが、 「首都・阪神高速、08年度からの ETC 義務づけ表明」というニュースです。看板は「会社」になったとはいえ、お役人さん出身の方が多いはずなのに、「公益性」と「利便性」のバランスを勘違いされて居られる、というか、逆にお役人さんだから「義務付け」とかいう発想が出てくるのかも知れませんが、やはり JR さんのように、デバイスの規格設計から、勿論 Sony さん始め多くの方との共同作業とはいえ、自前で積み上げて問題点も煮詰めて居られる、むしろ「問題点」を基点にシステムを構築して居られるところからは、どうみても出そうもない発想だと思います。できること、できないこと、対策やバック アップがないとやってはいけないこと、を、ちゃんと区分けするのが、IT システムだけでなく、およそシステムというもの一般の出発点だし、ここが解けないと機能しないよ、をどうおさえて行くか、が苦心のいるところです。確かに、「義務付け」すれば解ける、はそうだし、世の中のシステムには、そういう「大胆な」システムも少なくないんですが、社内システムでもそれは邪道というか、運用上の障害を引き起こす要因なのに... 勿論、それなりの対策やバックアップは考えられているのだと思いますが、広義には同じ交通事業の料金システムなのに、進め方がこんなにも違うモノなんでしょうかね。

( 7 13 2006, 09:08:08 午前 JST ) Permalink
20060712 水曜日 7月 12, 2006

Evolution of Suica


JR-East さんの Suica システム、も、「関西の方が進んでいる」部分には徐々に寄せてこられています。子供 Suica は (多分) PASMO との共通化と同時に導入されそうですし、PiTaPa のポストペイとは違いますが、モバイル Suica では、i アプリで Credit Card から Suica にチャージできる仕組みがあります。PiTaPa は、ちょっと不思議な仕掛け、というか、社局側ではポストペイなので、カードにチャージする、という概念はない筈なのですが、プリペイドの ICOCA との共用上は、その仕組が必要で、「プリペイド部分の残高」が一定額以下になると、「PiTaPa 改札が判別して」自動チャージ、という設定が可能です。(主として) ICOCA として使用するための 残高自動チャージなのに、ICOCA 改札では残高チェックはできなくて、残高の不要な PiTaCa 改札でそれを行う、というところが捩れているんですが...
JR-East さんでも、View Suica では自動チャージ可能、を、この秋から実現されるようですね。実際に改札でオーソリかけるのか、自動チャージ分はその時点では裸与信で後からデータ引き上げて使用制限掛けるのか、は、後者の方が楽かな、と思いますが、いずれにしても、関東の人がウルサそうな、ハウスカードへの囲い込みではないか、は、これで「なぜ View Card か」の Reasoning というか、コンマ何秒でオーソリ、は、そりゃ自社カードじゃないと無理よね、でご納得頂ける、もあるのかも知れません。

JR-East さんは、「交通カードの本筋論」へのコダワリが似合う、というか、電子マネーありき、だと、どこかフワフワしてしまいガチなのが、交通カードとして何が必要か、をまず押さえて、それが「電子マネーカード」としての機能につながっていく、というアプローチではないか、は、今までも述べてきたところです。紙幣や硬貨のような、いわゆる「お金」は、「取消不能、持参人払い」でリコースされることがない「匿名性」が本質で、イオカードでもパスネットでもそうですが「単なるプリぺイドカード」は、性格としては (強制通用力はないが) まあ「お金」(正確には金券、か) の特徴を持っています。一方、伝統的な交通カードである「定期券」は、移転不能、記名人限定が原則 (記名人以外が使用した場合の「割増運賃」に関して、法的な議論があって、そこが面倒なので、公営交通では非記名式の定期券を出しているところもある) で、現状は、「お金としての Suica」と「記名式交通カードとしての Suica 定期」がいわば混在している訳ですが、子供 Suica や View Suica (Mobile Suica は View Card と今のところセットなので、一種の View Suica) のような、「記名式」へのシフト、は、「交通カードとしての利便性」追求、の中で、徐々に進行しています。

IC カードは、利便性、だけではなく、Security でも有利な面があります。従来の「紙の定期券」は、記名式ではあっても、例えば紛失したからといって、他人が使っていても分からない (うんと乗降客の少ない路線の定期、なら分かるような気もしますが) と見なされて、再発行は受けられないのですが、電子定期券、であれば、紛失定期券を無効化する、は、そういう設計をしていれば可能ですし、現に今の IC 定期券、は、そういう設計になっています。(磁気カード定期券、でもできそうな気はするが、そういう仕様にはなっていない?) 全ての IC 定期券が再発行可能か、や、即日再発行か、翌日以降か、は、ちゃんと調べないと分かりませんが、少なくとも Suica / ICOCA では再発行可能、です。遠距離や、そんなに距離はなくても三社マタギとかの六ヶ月定期、は、平気で大卒初任給近くになりますから、ここは大変ありがたい。正直紛失しようものなら会社へ行けなくなるから割引が悪くなるのを承知で、一月毎に買う、はよく聞く話です。

( 7 12 2006, 08:57:42 午前 JST ) Permalink
20060711 火曜日 7月 11, 2006

ICOCA / PiTaPa


関西人は「文句言い」なので、関西の交通カードは (文句言われないように、というわけではないでしょうが) 首都圏より進んでいるところがあります。先月、子供切符と自動改札問題、を書きましたが、JR-East さんの Suica には「子供用 Suica」はありませんが (子供用 Suica 定期、はある) 関西はナマイキでノリの良いガキ、が、重要な Marketing Target で、West さんの ICOCA には「子供用 ICOCA」があります。券面の意匠が違うのは不正使用防止のためにも当たり前なのですが、気を遣って「子供 ICOCA キャラクター」を設定したり、力を加えると外れるネックストラップを配ったり、やるからには、是非使ってもらおう、は、さすがに関西です。お孫さん連れたおバアさんが、お孫さんと外出する際に切符買うのにゴタゴタしたりすると、「遅れとるなぁ、ICOCA 持たなあかんで」とお説教されていたりするのを見ると、JR-West さんの狙いがよく分かる、とは関西のソースからの情報、ですが昔の阪急さんの轍を踏まない意味で、「子供 ICOCA 改札音」(ピヨピヨピヨ) とかの工夫もしておられるそうです。

社局側の PiTaPa には「子供用」はないのですが (子供 ICOCA は社局側の対応改札で使える) これは、PiTaPa が Credit Card でのポストペイ決済を基本にした「与信型カード」であるからです。子供用 ICOCA も、氏名・生年月日とかを申告して、窓口でしか買えない (チャージは普通の ICOCA と同じ) 個人紐付けのカードなのですが、これは「不正利用防止」が主目的なのに対して、PiTaPa での紐付け & ポストペイは「利用実績に対する割引制度」を実施するために、この仕掛けが不可欠、が理由です。「文句言いの関西人」としては IC カード「乗車券」は「便利かも知れんけど、安うならへんやんか」が、ご不満なんですが、PiTaPa では、例えば、「指定区間で一ヶ月定期の料金を超えて利用した場合、その後の料金は頂きません」(即ち、利用回数が一定以下なら普通乗車券として課金、一定以上なら定期券扱いで課金) のような一種の「事後割引」が可能なシステムになっています。これでも、「三ヶ月定期より高いやんか」とか、文句はキリがないんですが、これは課金が Credit Card のお約束、もあって月単位だから、で、これも例えば「一ヶ月定期扱い」が三ヶ月続いたら三ヶ月目は割引、とか、システム的には (要件定義は大分複雑そうですが) 不可能ではない。「割引料金」を、改札通過のコンマ何秒で課金する、は、今のところは物理的にかなり難しいモノがありますから、ポストペイ以外にシステム的な解はなさそうです。

交通料金のポストペイシステム、は、これは IC カード乗車券、のようなデバイスとインフラスラクチャがあるからできる、なので、当然といえば当然ですが、今まで交通の世界ではポストペイは「ない話」だったんですね。勿論 例えば航空券を Credit Card で購入して、は、あるんですが、これは決済が後になる、というだけの話で、課金そのものは利用より前にある、現金か、Credit Card かだけの問題ですが、PiTaCa では利用 -> 課金、になっているんですから、「交通課金の常識」を覆した、とってもユニークなシステムです。しかも、今はまだそこまでいかないでしょうが、この仕組みを使えば、基本は固定料金で、それに「制度的な固定割引 (定期券や回数券)」という交通料金の Pricing Scheme そのものを変えていくことができる。「利用実績に対する割引制度」は、大半の路線が何らかの形で他社路線との競合、という関西の交通ネットワークの特性からも来ているので、どう各社局の思惑を 合わせていくか、が難しいのですが、「基本料金」はピーク時間料金として高めに設定し、オフピークの割引を深くする、で、混雑緩和とか、弾力的な Pricing を可能にするプラットフォームでもあります。ただ、「交通カード」 のような、本来「誰でも利用できるべきもの」が、ポストペイ = 与信カードになってしまう、は、それで良いのか、は、議論のあるところで、Credit Card のシステムを利用しているので、「Credit Card としても使える」から子供 PiTaPa は今のところ無理かな、とか、欠陥はないわけではない。ICOCA はプリペイドが基本、なので、そこでも相性が悪くて、だから普及が遅れている、という面もあります。(逆に、ICOCA が与信の不要なプリペイド で、しかも ICOCA は PiTaPa 改札通ること、で、与信カードの PiTaPa を補完している、が現状でもあります) まだまだ PiTaCa 方式は発展途上ですが、これからの発展、には、「文句言いの関西人」気質、が大いにプラスに作用する、こう言っては何ですが、やっぱり「ウルサイお客様」が居て下さるからこそ、色々と知恵も出てくる、というもので、ここは大いに期待できるところだと思っています。

( 7 11 2006, 09:01:20 午前 JST ) Permalink
20060710 月曜日 7月 10, 2006

PASMO


Suica の交通カードとしての利便性、の一つのゴールは来年三月に予定されている PASMO の供用開始と Suica との「共用化」です。PASMO はご承知の通り、現在のパスネットとバス共通カードの IC カード化、で、これで、首都圏の交通カードは、ほぼ完全に共用化します。関西では、JR-West さんの ICOCA と、当初は阪急 + 京阪連合だった PiTaPa の相互利用化が、今年一月から始まっているのですが、PiTaPa は「ポストペイカード」の思想で、まだこなれきっていないところもあって、私鉄側での普及はイマイチ、です。(プリペイドの ICOCA は PiTaPa 改札で使えるので、現状でも ICOCA side のメリットは大きそう) PASMO は、IC が FeLiCa なのは勿論ですが、システムの思想も Suica に寄せているし、パスネットがスグになくなるという訳ではないでしょうが (現在でも、パスネットと Suica が両方通る自動改札、はあります) 共有化は首都圏の方が急速に進みそうです。

物理的な作業、でいえば、PASMO 新規導入、のパスネット側が大変であることは言うまでもなく、JR-East さんとしては「受けて立つ」というお立場ですが、一昨年の Suica / ICOCA の「相互利用化」は、いわば IC プリペイドカード部分の「共用化」で、これはシステム的には「大したことない」と言えば大したことないのに対して、「交通部分の共用化」(Suica / ICOCA 共用、は、JR-West の駅から ICOCA で乗って、JR-East の駅でそのまま降りる、は今のところできないので、交通部分は切れている) は、システムとしても大変そうで、そこは JR-East さんも避けて通れない、というか、Lead していく立場でしょうからヒトゴトではありません。「交通部分の共用化問題」は、料金計算一つとってもややこしい。関西圏では、私鉄大手や市交は「標準軌」で、旧国鉄は狭軌ですから、JR-West さんのドメインは (旧国鉄、の三セク鉄道、とかを除いて) 自前の改札口、で閉じているんですが、首都圏では民鉄が貨物 (砂利とかも含めて) 輸送をやっておられたこともあって、狭軌が「標準の軌道幅」ですから、運行系での「共有化」が広範で、ネットワークが改札口でセグメントされていないんですね。これは「交通顧客の流れ」という観点から見ると Latency が なくて優れた仕組みですが、課金システムの側からは、とても面倒そうです。一例を挙げれば、西船橋 - 中野間、は、地下鉄東西線、と、JR 総武線という違う会社の線で二重化されていて、しかも両端である西船橋も中野も共用改札 (パスネットも Suica も通す) 駅構内も自由通行、で、交通ネットワークとしては正しい思想です。しかし、逆に言えば、西船で地下鉄の切符を買って、総武線 - 中央線経由で中野で降りても、 これは「不正乗車」で検札でもあれば摘発されるし、やってはいけませんが、課金システムの Gateway としての「自動改札機」には識別する術がない。それでも切符、なり、交通カードでも、今のパスネットと Suica なら、Unique な Token 持っているみたいなものですから、Suica で西船のと中野の改札通れば、JR 利用として課金、はシステムとして正しい処理でしょう。しかし、「共用カード」となると、発行者が JR である Suicaだからといって、経路を JR と見る、は、成立しない。システム的には、「安い方の経路」で課金する以外に解はなさそうです。

しかし、実際の流れとしては、例えば船橋から中野、であれば、JR 内をどう通るか、は別として、All JR で行くのが普通ぽくて、西船で東西線乗換、は稀だと思います。これも課金システム上、切符で買えば All JR の 540円で、Suica (または PASMO) 利用であれば、「安い方の料金」である東西線経由の 430円なんでしょうかね。そうだとして、その「課金」の分け前を、East さん 130円、東京メトロさん 300円、は、ちょっと気の毒な気もする。どうやら相互乗り入れ周りの「取り分精算」は、「顧客に対する課金」とは別の「各社のプロ」の世界があるようで、乗客の側は、安くて便利ならそれでありがたい、でいいんでしょうけど...
こういうのどうするの、の話を関係者も交えて (乗客側、は、興味本位で) 盛り上がっていた時、某氏が、「安い方、というなら、西船 - 新宿は、総武 - 中央線経由も、現実にありうるかどうかは別として、東西線で中野まで行って JR で戻っても同じ料金だよね。こういうのはどうするの」と余計なことを尋ねたら、関係者の方は「ごちゃごちゃ言わずに、東西線で馬場まで行って、改札通って山手線に乗り換えれば、料金も安いし、時間的にもそんなに変わらないから、そうしたら」とのことでした。さすがはプロ。

( 7 10 2006, 08:58:02 午前 JST ) Permalink
20060707 金曜日 7月 07, 2006

Mobile Suica


一般の「カード事業」は、「カード顧客」や「カード加盟店」をどう獲得していくか、が、Business なのですが、交通カードの場合は、カード顧客はすでに「交通顧客」がいるし、加盟店、はまずは自分が加盟店で、が Start Point になります。デパートさんのハウスカードもデパートに来て頂くお客様が居て、自分が加盟店であることは同じですが、じゃあ一般カードや現金の使い勝手が悪いか、というと、そんなことしたら折角の「デパートのお客様」が減ってしまうからできっこない。ハウスカードのお客さんを増やして、まずは店内でそのカードを使って頂こう、で、ご苦労されているんですが、交通カードの場合は、極論を言えば、明日から定期券は Suica 方式にします、といえば (そのための設備投資は大変ですが) そうなってしまいますから、そこは全く話が違います。

JR-East さんの場合は、「カードの規格」そのものを Sony さんと一緒に開発するところから始めておられる、が、まずありますし、首都圏での JR さんの長年の Leadership があって、民鉄さんが「独自 Implementation」は、そりゃないだろう、が刷り込みになっていますから、首都圏という質量ともに大きい顧客ベースが最初から「手中にある」。ただ漫然と手中にある、ではなく、交通カードとしての利便性を追求していけば、自然と手中に収まる、ですから、本来の交通事業者としての優先順位と、カード事業者としてのそれが、 キレイに同期します。交通カードと「お買い物カード」は別物、という感じもあるのですが、折柄、駅ナカ、駅チカがブーム、というか、これだって立派な「交通事業」の一部、に発展する中で、何となくバリアがなくなっていく。というか、JR-East さんは、今や立派な「小売業」で、業態が系列会社での直営 (昔ながらの Kiosk もありますが、「ディラ」や「エキュート」のような新しいブランドも) と、テナントビル (「ルミネ」「アトレ」「エスパル」など) がありますので、百貨店さん (百貨店さんも実際は「直営」と「テナントビル事業」の混合なのですが、テナントビル部分も百貨店さんのレジを通る場合は「売上」になる) との直接比較は難しいのですが、少なくとも電鉄系デパートより大きい、そろそろ業界二位の三越さんといい勝負ではないか、とも言われます。駅ナカ、で Suica が使えます、は、当たり前、なのですが、駅チカ (地下、ではなく、近) のテナントビルでも、先月には「アトレ」ブランドの全館で、年内には「ルミネ」ブランドでも、と、Suica が使えます、が、自然に、しかしドンドン拡大しています。しかし、言葉は悪いですが、「家主さんのご威光」をもってすれば、もっと早く「駅チカでも使えます」を言っても良いのに、ここへ来て、というタイミングは JR-East さんらしい進み方、かな。

「おサイフケータイ」は Edy 先行だったんですが、決済用の Edy 端末と、「自動改札機の受信部」としての Suica 端末、は、同じ FeLiCa 規格でも要求が違う (単なる「決済用」なら、うまく通信できなければもう一回、はどうってことないが、自動改札ではとっても面倒、は自分のような素人でもわかりますが、電文の長さ、も違いそうだし、とか含めて Suica の方が難しそう) から、Edy 先行、はまあ当たり前なのでしょう。ただ、 「どうぞお先に」と言えるのは、「Edy 用おサイフケータイ」の実機で、色々テストできるからありがたい、のような Technology 的な意味もあるかも知れませんが、何でも先行すればいいというものではない、環境を整えてからで、十分間に合う、という JR-East さんのご社風、というかSuica の持っている顧客ベースを背景にした自信、と言って しまえばそれまでですが、「交通カードとしての利便性最優先」が、カード事業としての Suica の Core Competence だ、が徹底しておられる、ということだと思います。せっかちな IT 屋さんは、モバイル Suica の発表で、早速「おサイフケータイ」にしたら、モバイル Suica には使えません、と言われてがっかりしたりするんですが...

( 7 07 2006, 09:16:05 午前 JST ) Permalink
20060706 木曜日 7月 06, 2006

Akihabara Crossfield


首都圏は関西と違って、旧国鉄が鉄道の王様だったし、旧営団地下鉄も旧国鉄がメジャーの出資者だったし、Market Coverage だって比較になりませんから、JR-East さんは「競争」というイメージからはちょっと遠いモノがある。中央集権のイロが濃かった旧国鉄の嫡男として大きなものを背負っていて重厚、というか、奥が深い、ということかも知れません。逆に民鉄側は、East さんがヒトタビ動けば、みたいな恐怖感はあって、湘南新宿ラインが始まった時は「黒船来たる」ではありませんが、東急さんにしても小田急 さんにしても、スバヤク動かれましたね。早速、東横線で特急運転、はまあ分かるにしても、菊名には停めて日吉は通過、は、分かりやす過ぎるじゃないか、と慶応の先生がお怒りでしたが、特急運転が始まったときは中目黒だって通過、だったのには驚きました。ダイヤはうまく作ってあるので、特急運転の時間短縮効果、は、乗り換えをうまくやれば「通過駅」利用者にとっても恩恵で、何も渋谷 - 横浜短縮のために途中駅利用者が犠牲になっている訳ではない、はその通りなんですが、「電車の使い方」はドンドン難しくな る。東横線なんか普通に上り下りさえ間違えなければ、普通に渋谷なり横浜に着きます、で五十年間やってきた、東京都立大学はとっくに多摩の山奥に移転したのに駅名はいつまでも「都立大学」のまま、というのんびりした電車だったのに、複々線化とか、目黒線直通運転とか、どんどん利便性が向上するのはありがたいんですが、半年ごとにダイヤが変わってしかも時間帯や平日・土日でパターンが違う、そろそろカーナビならぬ「テツナビ」でもないと、おいそれと電車にも乗れなくなってきました。それも「湘南新宿ライン」のせいだ、は言い過ぎかも知れませんか、かなりの部分がその余波であることは否定できない、それほど JR-East さんは大きな存在です。

昨日、JR-Central さんの Competitor は航空会社、という話を書きましたがここでも、JR-East さんは奥が深い、というか、JAL さんとカード事業で提携されていたり、もしておられる。確かに JAL さんは羽田 - 富山は撤退されたり、East さんと競合する路線は少ないし、まあそんなにおかしくはないんですが、奥が深い East さんだけに、ひょっとして JAL さん抱えて空陸一体企業とか考えてませんか、と関係者の方に伺ったら、「何言ってるんですか、まだ借金四兆円近くあるんですから」と一笑に付されました。確かにそれは妄想に近いだろうし、つくばエキスプレスは 昔は常磐新線、と言っていたんですから、借金は引き受けないにしても運営は関与されるのかと思っていたのに、一線引かれた East さんが、そんなものに手を出す筈はないでしょう。秋葉原デパート、は、駅ビル、の草分けでそういう意味では秋葉原再開発には JR-East さんが Involve されてもおかしくないし、再開発事業者の「クロスフィールド」という社名も、(多分日本で初めての) 立体交差駅である秋葉原駅のイメージなんですが、クロスフィールドは、NTT さんと交通企業といえばそうですが商船三井さんの系列企業が主体で、TX の駅ビルは阪急さんが手がけられる、とか、まあそこがアキバなのかも知れませんが...

しかし、逆に見れば、JR-East さんが Competitor と言えば Competitor の JAL さんと、カード事業では組みますよ、は、それだけ JR-East さんが Suica を核とするカード事業に大きなモノを見ておられるから、は、ありそうな気がします。航空会社さんにとってはカードは顧客の囲い込みのための「手段」であり、事業としてのカード、を重視して居られるのではない。航空会社さんのカードの「システム」もなかなかの規模なんですが、ペイメント系というよりは、主要にはマイレージのためのシステムです。そろそろ JR-East さんも Suica を「交通顧客のためのサービス」とだけ見るのではなく、「カード事業」としても本格的に取り組んで行こう、と考えておられても何の不思議もない。「カード事業顧客」からすれば、Suica の利便性に「マイレージカード」の一種独特の魅力、が加わるのは大歓迎です。JAL さんにとっても、一日数便の羽田 - 秋田や羽田 - 三沢なんか、どうでもいい、という訳ではないでしょうが、まあ秋田や三沢にはまだ Suica の改札があるわけでもないし、「交通カード」としての Suica の巨大な顧客ベースに Reach できるかも、は、比較にならない Merit と考えられます。

( 7 06 2006, 09:13:17 午前 JST ) Permalink
20060705 水曜日 7月 05, 2006

Railway vs Airway


Competitor をどう意識するか、で、会社の性格は随分変わってくるもので JR-West さんにとっては、それは大阪市交通局まで含めた「関西民鉄」でした。福知山線にせよ、片町線にせよ、路線のあるところはそう悪くないし、民鉄はご近所で頑張っているのにタダのローカル線、で、国有鉄道時代から、大鉄局は、福知山線と片町線は繋いでしまえば立派な通勤線になる、で、「片福連絡線構想」(今の JR 東西線) はあったんですけど、ご本社からは無視されていた。関西人にとっても片町線は「難読駅名」が特徴のちょっとギャグ的な存在で、まあ大鉄局の怨念は分かるけど、なかなか The Network Is The Railway とはツナグものがツナグものだけに、そうはいかないんじゃないか、と思われていたんですが、サニアラズで、「放出」(ハナテン、と読むんですが...) も、これだけ運輸量があると難読駅名じゃなくなってしまいますね。山陰本線は、京都駅一番線の切り込みで確かゼロ番線、と言っていたと思うんですが、蒸機の似合いそうなひっそりしたホームから出ていたのがいつの間にかホームの数も増えて、山陰線だから三十番台です、とか、エエー 電車なの、とか、変われば変わるモノです。旧山陰本線の保津峡の辺りは、なかなか風情があったんですが、トンネルで複線化して、旧線は嵯峨野観光鉄道として生き残っています。「国有鉄道時代」はこうだったんだよ、の象徴、という思い入れがあるのかも知れませんが、DE 牽引で、トキ25000系の改造車、はなかなかです。それにしても、キャラクターがトロッキーって、そりゃ遊びすぎでは...

JR-Central さんは「新幹線会社」らしく想定 Competitor は、航空会社、というか、一応地元、の名鉄さんとも親密な ANA さん、なんだと思います。新幹線品川駅開業、は、羽田に便利なところに Business Center ができて、そこのお客さんを逃がしてなるか、で、とっても分かりやすいですね。JR-West さんが 福知山線事故で広告を自粛しておられた頃、本来のテリトリーではない「倉敷へ行こう」のキャンペーンを Central さんが大きく打っておられたのも、鉄道 VS 航空機の主動部隊という意識の表れだと思います。東海地区はトヨタさんのお膝元、もあって、鉄道 VS 自動車、は三大都市圏で最弱、ですから、民鉄と争うよりまずは「鉄道全体」の意識もおありなのかな、と思いますが、在来線の、例えば名古屋 - 亀山間の関西線とかは、未だに単線区間が多くて、近鉄さんに名をなさしめています。ローソクの亀山は今や世界の亀山で、近鉄さんは通ってないんですから、もっと本数増えてもいいような気がするんですが、通勤時間帯は頻繁運転になったにしても、日中、は、まあクルマで仕方ないかな、というダイヤにも見えます。

航空会社との競合、で言うと、航空会社は主として航空会社間の競合があるからですが、「顧客カード」での囲い込みは大げさに言えば死活問題、で、ここには大きな投資もしておられますし、Incentive の率も大きい。鉄道会社の「交通カード」は、「利便性」が出発点で、よく言えば「真っ当」ですから、航空カードとは発想が違います。JR-Central さんも、ポイント制でグリーン車へのアップグレードとか、航空カードっぽい味付けも始められているのですが、まあ迫力にはどうしても欠けるところがある。JR-West さんとは、「東海道・山陽新幹線」で運命共同体的ですから、カードの利用での提携、も進みつつあるし、これからカードサービスでの連携、も進められるのでは、と思いますが、首都圏という最大の顧客ベースを持つ、JR-East さんとは、細かく言えば、東京から富山や金沢間、では競合しているし、なかなか「鉄道カード連合」で、航空カードと対抗、というところまではいきません。

( 7 05 2006, 09:07:06 午前 JST ) Permalink
20060704 火曜日 7月 04, 2006

ひかりは西へ


Suica (や ICOCA) で、近距離電車の「切符」はすでに限りなく Ticketless になっているし、予約も電子化されていて、「予約情報」がモバイルフォンに入っているのですから、新幹線の Ticketless も簡単、という気もするんですが、そう一筋縄では行きません。一つには、「鉄道切符」は飛行機や、まして興行の Ticket と比べると、性格が複雑で処理が難しいこと、もう一つは JR 各社がそれぞれ別々の仕掛けを持っているので、それをまたぐシステム、が、IT 的にも、政治的にもそう簡単ではないこと、があります。現に、東京駅や品川駅から新大阪まで、には非常に便利な JR Central さんの「エクスプレス予約」は、渋谷から乗ろうとすると、渋谷 - 品川 (JR East 区間) は別途普通の乗車券を買う、が標準処理ですし、新大阪までしか予約できない (山陽新幹線内の 予約は出来ない) 仕掛け、でもあります。

JR 旅客会社の地域分割、は、「成功」の面も随分あります。国有鉄道時代は、「中央集権」もあって、民鉄に任せておけばいいんじゃない、で、放置とイジメの中間、が「大阪鉄道管理局」の定位置だったのが、分割民営化以降 は大活性化で、阪急・阪神がメジャーだった阪神間、も今や JR West さんに阪急さんが挑戦、と攻守ところを変えてしまっています。奈良方面、は、大阪からにせよ、京都からにせよ、近鉄さんで行くモノと決まっていて、 わずかに郡山なら国鉄ですかな、だったのが、梅田から「奈良行き」は出ているは、未電化・単線の片町線、は、(片町駅がなくなった、もありますが)死語と化して、今や学研都市線になって、電車がバンバン走っているは、で、大阪市交通局も含めて「民鉄王国」だった関西、は、今いずこ、ですね。
JR-Central さんは、実質「東海道新幹線会社」なのですが、一応「在来線」も持っている「地域会社」という設定になっているのは、仕組上というか「政治」の Factor もあります。旧国鉄では、東海道・山陽新幹線は「一体」の新幹線総局 (東北、上越は地方局管轄)だったし、山陽新幹線は「ひかりは西へ」のキャッチが物語るように、東海道新幹線の「延長線」という色彩が大きいのですから、在来線持たない「東海道・山陽新幹線会社」が合理的、という面があるのですが、それではバランスが悪いんで、地域会社にしてあるんだろうと思います。ただ、東海道新幹線の両端は JR-East / JR-West と「別会社」であり、何となく Central とそんなにうまく行っていない。おかげで、運行上は一体であり、予約システムも共通なのに、エクスプレス予約は (予約そのもの、だけではなく、発券は JR-Central の窓口のみ、代金決済も、JR-Central のハウスカードで、という「業務系」でも) JR-Central で閉じていて、特に大阪以西ではとっても不便、だったんですね。

昨年末に、「新大阪まで」だったエクスプレス予約、が新神戸まで拡大されたのは、「東京大阪間」は新幹線圧勝、なんですが、神戸空港開港で風穴が明かないように「転ばぬ先の杖」かな、と思っていたのは邪推で、今月22日から、JR-Central と JR-West の共同運用になり、例えば東京と広島や博多の予約も出来る、発券も両方の窓口で、決済も両社のハウスカードが使える、になります。新神戸拡大、は、その一部前倒し、だったようです。宇部や板付は、空港と市内が近いし、東京からの距離から言っても、新幹線はちょっと飛行機に太刀打ちできないんですが、岡山や広島、は、頃合いの競合ですし、Centralさんの「建前上の本拠地」である名古屋地区でのセントレア - 板付線との 対抗もありますから、「共同運用まで五年」はむしろ長すぎた、というべきでそれだけ「業務系の共同運用」は難しいということかも知れません。

( 7 04 2006, 09:05:35 午前 JST ) Permalink
20060703 月曜日 7月 03, 2006

Ticketless Reservation


交通系システムとモバイルフォンの結合、は、最初は予約系です。MARS や SABRE でも分かるように、交通 事業者にとって、予約管理や発券は重要なシステムで、かつては「予約発券端末」は IT 屋さんの重要な Business だったのですが、今や少なくとも「予約端末」はユビキタスの時代、で、いつでもどこからでも予約できます、が当たり前になっているんですね。東海道新幹線、のようなビジネス路線では、わざわざ駅の窓口や旅行社で予約、より、PC やモバイルからの予約、は利便性も高いし、JR-Central さんも、料金や列車変更の柔軟性等、そちらへ誘導する設定、にされて居られますね。ただ、そこで問題になるのは、発券や代金決済どうするか、で、新幹線に乗ったら自分の予約した席に変なオジサンが座っている、そこで携帯の画面突き出して「ここは私の席なんですが」という、は、言う方だって気が引けますが、言われる方はもっとビックリでしょうし、車内検札が来たらあわてて携帯の電源入れる、とかも変と言えば変ですから、まだ「発券」の効用は残っているとも言えます。飛行機の場合は、「航空券」をチェックイン時に呈示して、「搭乗券」をもらう仕掛け、で、切符 (チケット) である「航空券」はモバイルフォンかざす、を含めて電子化が進んでいますが、そこで「搭乗券」(アレはTicket ではなく、Pass なんですか) が出力されるので、実感としては Ticketless ではないかも知れません。

予約システムでも、興行系はチャネルにどう席を配分するか、が「興行」の重要なビジネス戦略だし、飛行機だと「早く購入すれば料金が安い」なのに歌舞伎やオペラは「高い席から売れていく」という形ですから大分違うのですが、予約の電子化が進んでいる、はここでも見られます。スゴイな、と思うのは、この「歌舞伎会」で、最上位の「優先予約会員」になるためには、年間 28 公演見ないといけないんですが、歌舞伎座の昼夜だでけでは年間 24 公演しか確保できず、新橋演舞場の公演も加えないと 28 にはならない。演舞場は歌舞伎の公演より歌手芝居なんかも多い小屋ですから、歌舞伎公演ほぼ「皆勤」じゃないと最上位優先予約会員にはなれない。こうなると定期演奏会の会員みたいなものですが、オカネモチの奥様方が最上位なり上位の予約会員になって頂いていて、人気公演だとその方々からの予約の日でほぼ Full Book、一般人民には入手困難、とかあるらしいですね。歌舞伎のファンが固定化してしまうのは長い目で見てどうか、とか、難しいことをいわなければ「上客」である奥様方の利便性と一致して興行政策としては大成功なのでしょう。

興行、と言うとエエッという感じですが、近頃、業界団体の実施する Open Seminar みたいなもので、ローソンチケットさんなどで入場券買ってください、が普通になりつつありますね。従来の会場受付で参加料お支払い下さい方式、は、受付作業が結構ゴタゴタしますし、参加者の方も広い意味で「身内」ですから、アレ大変なんだよな、をご理解頂いてまあ仕方ないよな、でご協力頂いている、ということなのでしょう。ローソンさんのチケットサービス、は、全国に一万軒近いお店があって、そこで発券や代金収納ができる、CVS さんの特性を生かした事業、ですが、チケットぴあさんは、 デジタル・セキュリティ・ポケット、通称「デジポケ」という、紙発券のない入場システムを開発されています。FeLiCa 方式の専用カード、もしくはモバイルフォンとの赤外線通信、で、受付の「電子ゲート」を通過するんですが、ここでレシートみたいな「座席票」が出力されるので、100% のペーパーレスとはいえないにしても、ここまでくるとほぼ「チケットレス」と言えるでしょう。

( 7 03 2006, 08:58:40 午前 JST ) Permalink