StreamStor
Sun は Workstation 屋だったころから、WS は Hardware に他ならないんですが、HW を売っている、というよりは、Computing Paradigm ("The Network Is The Computer") 売っているつもり、で、お客さんも TCP/IP と Network File System のプラットフォームとして、とか、AdvanceCAD なり CADDS なり... の箱として買って頂いていたんだろう、と思います。HW としての Workstation 屋としては、Price / Performance が目標になるのは当然で、当時としては安かったし、安いことでプラットフォームとして普及して、なんですが、目に見える Sun Workstation という HW の「普及」より、TCP/IP の Network なり、NFS の広がりの方が、余程急速、かつ広範で、それがまた Sun の HW の売上に戻ってくる、だったり、A-CAD や CADDS が広がる中で (ついでに) Sun の WS も売れる、だったり、どちらにしても HW でオマンマ頂いているのではありますが、自他共にあんまり HW Oriented に考えていたわけではなかった。箱を軽視している、という意味ではなくて、The Network Is The Computer をお題目として唱える、だけでは引っ張れない、それを具現化する箱、と Set になって、始めて新しい Paradigm になる、が、大げさに言えば Sun の DNA でしょう。
Paradigm を具現化する箱、と漠然と言っても、本当に具現化して、かつ「売れる」("The Network Is The Computer" というからには、一台や二台売れる、では具現化とはほど遠い) 箱を作る、は、言うは易く、ですね。Sun の初期の HW Architect というか、チビ会社ですから他に誰もいなかったでもありますが Andy Bechtolsheim が何を考えて最初の Sun WS を作ったか、は、多分「自分が使うならどんな HW が欲しいか」であり、「自分が欲しいような Computer なら皆 (皆、の範囲には色々あるでしょうが) も欲しいだろう」のような単純なところが出発点です。それで成功してしまう、は、普通世の中そんなに甘いモノではないんですが、それには、「これ (BSD 4.2) が機能を発揮する HW なら」の「これ」の卓越性や、HW Architect としての才能 (単に Technology を Implement する、だけではなく、デザイナーとしての「箱のカタチ」のセンスや、部品の調達性、組み立てが易しい etc.) はいうまでもないとして、やはり "Computing Paradigm" の方向性をつかんでいて、それと「自分が使うならどんな」が的確にマッチしていたからだろうと思います。
Andy が Sun での Desktop 周りの開発、から Network Switch の世界、に「転進」したのは 95年なんですが、これも The Network Is The Computer の実現に当時一番必要なのはそれだ、という判断は的確だし、これも「自分が使うなら」に引きつけて考えれば、自分の Desktop が (Mobile でも構わないとして) もっと高速で、広範囲な Network に (安価に、かつ安定して) 繋がっていたい、は、一つの起点なのでしょう。その Andy が、Cisco 辞めて、AMD64 ベースの StreamStor (初期の開発コードネーム) なる Video Streaming Server をやる Kealia という会社を作ったらしい、を聞いたときは、もう一つピンと来ませんでした。当時、やはり Desktop 周りの User の心をつかむセンスでは (Andy とはかなり方向性が違うにしても) 卓越したものがある Steve Jobs氏が音楽配信サービスにぐっと舵を切っておられましたから、そういう流れなのかなぁ、みたいな... 何にせよ、Andy が Sun に戻ってくれる、は嬉しいし、Kealia 系の製品は、まず誰にも分かりやすい Rackmount から Release されて、まあ「当たり前の機械」といえばそうなのですが、いかにも Andy らしいすっきりした機械で、おかげさまで好評を頂いています。でも、「本来の Kealia 製品」である StreamStor は原形はとっくにできていたんですが、今まで「温存」されてきました。
( 8 02 2006, 08:51:33 午前 JST ) Permalink

