Excessive Adaptation (3)
NetBurst は過剰適応、と書いたことに、「Sun は自分が Process Technology 持たずに CPU 設計しているから、Process Technology が Given の環境に見えるのかも知れないが、世の中の主要な CPU Vender (Intel / IBM / AMD) にとっては、Process Technology こそが生命線であり、主要な遺伝子じゃないのか。進化論の顰みに倣うとすれば、CPU Architecture は、まあたまたま発現する形質、に当たるのでは」という Mail を頂きました。確かにそういう面はあると思います。特に Intelさんの場合は、ゲノム解析すればどこにもここにも「ムーアの法則」と書いてある、みたいな遺伝子なのでしょう。Process Technology の進化、とりあえずは「微細化」についていえば、突破しなければ次に 進めない「大きな壁」が幾重にも重なっているのを Break されて来た、それは何も Intel さんだけの功績、ではないにしても、それを袋小路にしないぞ、の Momentum をリードされてきたことは誰も否定できない、と思っているし、その Development の上に CMOS Logic 素子の今日がある、もその通りです。
しかし、微細化 = 薄膜化 -> Switching 速度の向上、から、ほら 10GHz だ、は、どうみても「過剰な発現」を目指していた、としか言いようがない。それは CPU Architecture そのもので考えても、Clock 上げていけば Linear に処理能力が上がる、にはほど遠いんですから、そこでも明らかな過剰、であり、いつかは Clock に処理能力が追随するようになるとしても、「過早な突出」でしかない。しかも、遺伝子の正統な発現である、Process Technology の進化をどう「形質」で ある CPU (CPU が CMOS LOGIC の「王様」であり、Technology の進化を尖ったところで発現させる Field であることは、その通り) に発現させるか、でも、薄膜化による Switching 速度の向上、は、何の Trade-Off も、何の Penalty もなく実現されたものではないどころか、むしろ Trade-Off や Penalty の方が大きくなっていますから、形質の発現に際しては、そこに十分留意しないと「Technology の進化による恩恵」の享受より、「進化に伴う Penalty の増大」に足を引っ張られることになってしまう。進化、は、常に Vulnerable なものであり、しかも進化の速度が早ければ早いほど、Vulnerability は増大する、は、自然則としても、社会則としても、割に一般的だと思いますが、Vulnerability が高いからそこに背を向けるのか、はそれも情けない話であり、どう注意深く上手に料理するのか、が醍醐味というものでしょう。Intel さんはできる筈だ、できるとすれば Intel さんだ、の期待を逆手に取った、というと語弊があるでしょうが、繁殖戦略寄りに暴走、で、結果として期待を裏切ったのは、繁殖戦略としてもとってもマズかったのでしょう。
Intel さんの場合は「Total としての実力」が卓越していて、Vulnerability が高くても、Vulnerable な諸要素、を個別に克服なり隠蔽 (まあ、乱暴ですが克服も隠蔽も似たようなもんです) する Capability もお高い。だから「過剰適応」であっても、なんとかこなしてきた、はあるのだと思います。世の中には、ほどほどの適応でさえ、適用できる力がなくて、発現させられない、はいくらでもある話です。長い牙、だって、大きな動物が持つ場合は、大きな動物は全体としての冗長性が高いから、ちょっとやそっと長くても、小さな冗長性の低い動物が持つより持ちやすいし、「持てる牙の長さ」は絶対的な 長さの前に、体長比で制限がありそうです。体長比で同じ長さの牙、なら牙を武器に戦う場合は、体長の大きい = より長い牙の方が勝つ、でしょうから「長い牙」の適応は、より体長の大きい動物で進む = 「実力」がある方が、過剰適応は起きやすいし、過剰適応が一時的にせよ成功する可能性があるのは、Total の実力なり冗長性が支えている。長い牙で勝ち残った動物、は現存していないので、現存例で言えば、キリンの長い首、は、それを支えるプラットフォーム (躯躰) が大きいからこそ、長い首が維持できているんですね。そこら辺のヤギさんが、首が長い方がよさそうだ、とちょっとやそっと伸ばしたところで、「効用」になるほど伸びるモノではない。キリンさんのご先祖が、ちょっと大きめのヤギさんだったから首を長くすることができたのか、先に首が長くなってそれに躯躰もついてきたのか、は、別として、「ただの過剰適応」ではありません。
( 8 09 2006, 09:05:47 午前 JST ) Permalink

