XE840
一年半前に、Prescott 二つ取りの、ダイの上に二つ CPU が載っている「だけ」の XE840 を、麗々しく「将来のマルチコア時代の第一歩」としてアナウンスされたときは、こんなのを Dual Core っていうなよ、と、愕然としました。AMD64 に「先駆けて」Dual Core を出しました (IBM や Sun はとっくに出してるけど...) を言うためだけに、こんなモノ出すのか、で、「こんなものをワザワザ出せる」は Intel さんの底力と言えばそうだけど、を以前この Blog にも書いていますが、今考えてみると、「将来のマルチコア時代」というご認識は単なる対抗上のマーケティングメッセージではなく、本気でいらしたんですね。NetBurst 思想、は、もともとマルチコア思想、とは対極的な部分があり、また FSB はマルチコアのインターコネクトとしては非力で、まあ贅沢にシリコンコスト無視できる分野 (MP 用の Tulsa や、NetBurst ではないが Montecito) では、それなりの格好が付けられるかも知れないけど、汎用のところでどう落とし前つけられるおつもりだろうか、は想像が付きませんでした。
ですので、正直申し上げると「将来のマルチコア時代の第一歩」は、マーケティングメッセージ以外の何者でもない、第一、「将来の」って何だよ、マルチコアの時代はとっくに来ているし、「将来の」なんてトボけたこと言っているのは Intel さんだけよ、と思っていましたし、XE840 のような「なんちゃって」の Dual Core を「第一歩」と言ってしまうと、「それなりの Dual Core」になるハズの Montecito (当時は「発売間近」と思われていた) や Tulsa がいくら何でも可哀想だろう、だったんですが... 今考えてみると、XE840 で将来のマルチコア時代の第一歩と言われると、XE840 があんまり「トンデモ」に見えるので、 それに圧倒されて何言ってるの、になったのですが、「将来のマルチコア時代」のご認識自体は、もう確信して頂いていた、そこのところの本気度、は読み違えていたかも知れませんね。あの頃、Sun がさせて頂いていた Niagara Technology の「分かりやすいご説明」に電気代のお話、があるんですが、それには「端的な指標として、電気代、はいいけど、電気代なんて Intel さんは時間さえ掛ければある程度は克服してしまうよ。もっとちゃんと Technology (Micro Architecture) として語らないと」とアドバイス頂いたことがあります。そのことは、自分も意識して、パイプラインの段数や Out of Order 処理にひたすら頼って、 動作周波数で Performance を稼ぐ、は Trade-Off が大きすぎて、行き詰まりが避けられない、は言ってきたつもりなんですが、当時、一番わかりやすい Trade-Off は、やはりリーク電流 = 発熱 = 電気代のお話、だったことも事実で、まあ「電気代の話ばかりしてるのね」だったかも知れません。
XE 840 の直後くらいだったかと思いますが、ジョブス先生が「Power Mac から Pentium Mac へ」を宣言された、というニュースはウワサはあったんですが、結構衝撃的、というか「Intel の CPU Road Map が一番優れている」って、相変わらずジョブス先生は訳の分からないことおっしゃるなぁ、が世間の受け取り方だったのでは、と思います。「どう思います?」は、Sunにはジョブス先生のファンも多いので、社内でも話題になりました。自分が「可能性」として考えたのは、
(1) iPod が売れているので、もう Mac に興味がなくなった
(2) Intel Architecture 採用すれば AMD64 も使える
(3) Note 用として開発中の Merom が、ジョブス先生の気に入った
だったんですが、もし本気で Pentium Mac と考えておられるなら、それは(1) 以外にないよな、がタバコ部屋の結論、でした。
( 8 22 2006, 08:54:33 午前 JST ) Permalink

