20060828 月曜日 8月 28, 2006

Banias


また例によって話が逸れてしまいましたが、Mobile PC (省スペース Desktop としてのノート、はちょっと意味が別として) にとって、駆動時間は決定的に重要な要素です。Server や Desktop でも、消費電力は重要な要素ですが、「性能」だと考えられていたか、は別問題で、どちらかといえば「演算能力」の方が圧倒的に性能であり、その性能を発揮させるための Trade-Off と見なされてきました。電力コストが注目されるようになったのは、Server の台数が増え、掛け算の積が大きくなって、一目瞭然にわかりやすくなったから、であり、まあ最近の出来事です。電子部品の熱耐性が低かった時代からの故老 (?) や、運用の現場に長い方は、CPU の熱がコンデンサの劣化を早めたり、Disk の耐久性にも影響することを知悉して居られるので、熱い CPU ってどうなの、は、いわばある種のプロの世界の常識だったと思いますし、運用性への認識は高まっていますから、むしろそちらの方が説得力はあったかも知れません。ただ、「こいつが犯人だ」と特定できるかというと必ずしも単独犯ではないし、IT 屋さんが運用性語ると、どうしてもカタログに書ける RAS 性能を売り込みたくなるから、もう一つ迫力がありません。

その点、Mobile PC は、駆動時間が「性能」(カタログに書ける、誰もが求める) で、Mobile PC 用の CPU では消費電力は「計算能力」よりもむしろ大きい要求性能であり、少なくとも、一時間持ちません、では Mobile PC とは言えないから「絶対性能」の面もあります。幸か不幸か、NetBurst Architecture では、「その性能」が出せない、は自明で、だからこそ、Pen Pro / Pen III の流れに戻った Banias の開発に着手「せざるを得なかった」。これは Ditzel さんが Crusue で消費電力 Focus を打ち出されたので、そういうのにチョロチョロされるのは面白くないから早く芽を摘まないと、も影響していそうで、Intel さんはこういう競合には燃えるご体質 (?) がありますし、金城湯池の Mobile を守るためには、で、丁度手空きだった (P6 時代の Celeron を手がけていたが製品化には至らなかった) イスラエルチームというイケてる設計部隊もいるし、で Banias をやることになった、 Crusue がなければ Baniasは日の目を見なかったのでは、という説にも一定の説得力があります。

Banias は、目立たなかったのですが、優れたところのある CPU でした。早々と NetBurst の限界が見え始めていた三年前の今頃、SunFire V210/240 の発表に際して、元気な SE の I さんのグループに「Pen 4 2.8GHz はタダの周波数お化け、UltraSPARC IIIi は 1.2GHz でも負けません」というのをやって頂戴、をお願いして、まあ年寄りの持論、にもタマには、でお付き合いいただいたことがあります。(このプレゼンは、久しぶりに Sun らしい話で面白かった、と好評でした)その時、ベンチマークの合間に「Intel さんがいつまでも NetBurst で大外しやって呉れているようなら、今の SPARC でもとりあえず負けません、は言えるし、K8 にはイチコロ、なんですが、Banias はナカナカですよ。Mobile 用に留まっている限りは、違う世界だからいいけど、Blade とかあるからServer にも使われるようになると... Intel さんが NetBurst あきらめるのと、Sun が Niagara 出すのと、どっちが早いかの勝負ですね」を I さんが言っていたのをよく覚えています。

( 8 28 2006, 08:52:43 午前 JST ) Permalink