Soft-Biomas Ethanol (2)
「食用部分」以外の植物産物を利用したバイオマスエタノール、のソースとして考えられるのは、大きく言って三つのカテゴリーです。一つは、「農産物」の食用以外の部分の利用、ですね。わかりやすい例としては、トウモロコシで言えば、軸や茎、葉をエタノールに持っていこう、が挙げられます。軸や茎葉だって、飼料に用いられたり、畑に戻して地力の維持に用いられたり、で、全部をエタノールにしていいのか、という問題はあるし、第一完全に集荷できるというものでもないので、トウモロコシの軸や茎葉からのエタノールがどれだけ、は難しいのですが、米国で三億トンのトウモロコシ穀粒の生産に見合う、軸や茎葉の 80% を仮に五億トンとして、内、セルロース系成分のみがエタノール発酵原料になる (いずれにしても製造の際に燃料は必要なので、リグニンなどセルロース系以外の成分は燃料に) としても、まあ一億 Kl にはなりそうです。80% を利用、は過大かもしれないんですが、小麦や大豆など、他の農産物の茎葉とかも利用可能ですから、Total で一億 Kl なら、そんなに非現実的な数字ではありません。
既存の農産物の栽培不適地に「エタノール用の作物」を植える、も有力なソースとして検討されています。水や土地の条件が悪くて、(現状での) 商品作物の栽培不適地でも、主にセルロースを利用するつもりの植物を粗放に栽培するなら可能な土地は、米国のような広い国ではいくらでもありそうです。候補になっている「作物」は、ソルガム (コウリャンの類) やヘンプ (いわゆる大麻)、スイッチグラス (現在は土壌浸食防止用に植えられることが多い) などで、いずれも、成長が早く、病害虫にも強くて、粗放に育てても生産性の高い植物です。もう一つのソースは木本で、これは成長に時間のかかる話でもあるし、構造材や製紙原料としての需要との競合もありますから、直近で大きいのは、端材や製材クズのような未利用資源ということになります。長い目で見れば、構造材や製紙原料としては価値の低い、従来「有用樹木」とはみなされていなかった樹木の荒蕪地への植林を進める、は、何もエタノール用だけでなく、その成長過程での CO2 固定効果も大きく「有用樹木」にこだわる必要がないことは大きな Merit です。「エタノール用作物」や「木本の利用」の規模感、は、多くの部分が「これからの話」ですからまだ何とも言えませんが、全世界的に見れば、大きな Potential があることは間違いなく、2012年には間に合いそうもないとしても、どこかで「エタノールエンジン」の時代が来る、を量的に支えるベースは「何となく」見えてきていると思います。
残念ながら、日本でのこれらの「植物性資源」の利用には、そう楽観的にはなれません。一つは、やはり国土が狭いことで、日本の主要な農作物であるコメの生産量は FAO ベースで 800万トン強、であり、茎葉やモミ殻の量だってそれ見合いですから、やはり「家畜の飼料や輸出」の米国トウモロコシとはケタが違いすぎます。資源としてソコソコなのは、樹木ですが、これも以前述べたように、伐採や集材のコストが地形の問題と人件費から異様に高く、とてもエタノール原料としては引き合いそうもありません。
( 12 25 2006, 08:47:42 午前 JST ) Permalink

