20061228 木曜日 12月 28, 2006

The Power of Dreams


Honda さん、で書きたかったのは、航空機事業のお話だったんですが、そろそろ押し迫って来て、年賀状も作らないといけないし、で「簡単に」触れさせて頂きます。戦後日本の自動車産業 (だけではなく、機械系一般 でもありますが) の人材的な原動力になったのは、大戦期までの、当時の日本としては「人材の宝庫」だった航空機産業が文字通り「翼を奪われて」地上に舞い降りざるを得なかった人々、は、よく言われるところです。スカイラインの中川良一さん、スバルの百瀬晋六さん、パブリカの長谷川龍雄さん、なんかは皆東大航空から中島や立飛で活躍された方です。Honda さんでもそれは例外ではなく、初期の四輪事業の推進者であり、世間的には「F1 のナカさん」だった中村良夫さんも、同じく東大航空から中島、そして Honda です。

Honda さんは、宗一郎御大の「いつかは飛行機だ」が草創期からの理念だし、古くから埼玉県川島町に自前の空港を持ったり、この分野にも「情熱」を傾けて居られたのは知っていても、「事業」としては遊覧飛行とか、で、まあ「世界の Honda」としては地味なところでした。Honda さんにとっての最大のメリットは、「御大が飛行機やるんだと言ってるぞ」で、航空工学出身の、元副社長の入交昭一郎さんや前社長の吉野浩行さん、のような Brilliant な人材を獲得できたことで、まあ充分モトは取れているんだ、は、これはこれで充分納得、ですが... その Honda さんが、遂に本格的に、というか、小型・軽量・低燃費の航空機用エンジンの開発を十年ほど前から続けておられて、いよいよ日の目を見ようとしています。Honda さんですからレシプロもやっておられるんですが、ジェットの HF118 はなかなかの傑作で、丁度この辺の製品では P&W や Williams にリードされ気味の GE さんとの Partnership (エンジンは高度な保守のネットワークとか、エンジン屋としての足回りが必要で、そこは GE さん、なのでしょう) も成立して、これから大きく育っていくんだろうと思います。ちょっと「びっくり」だったのは、十月に発表された「飛行機としての HondaJet も本格的に売っていく」宣言で、もう何百機もの受注を獲得されているようです。びっくりだったのは、単に自分が不勉強というか、HondaJet は HF118 シリーズ開発のための「実験機」兼 Promotion 用 Platform だと「誤解」していたから、ですが、その思い込みの理由は、 HondaJet のエンジン搭載方法がいかにもユニークで、どうです、いいエンジンでしょう、を強調している、に見えたことも一つです。ただ、大戦期日本の中島や三菱は、機体もエンジンも、の飛行機屋さんでしたが、これは世界的には例外で、機体とエンジンは分業、が、航空機産業のいわば「常識」に近い。(他に例外は、これもお古いんですがドイツのユンカース) B747 のようなベストセラー機の場合、GE も P&W も RR も挙って B747用エンジンを開発するし、ボーイングさんにとっても、航空会社の「好み」でどこのエンジンでも付きますよ、は Merit になります。

そこをあえて、エンジンも機体も、なのが、さすがは Honda さん、なのかも知れませんね。分業の大きな理由は、開発リスクの分散、だと思いますが、小型機だし、コンパクトなエンジンですから、十兆円企業の Honda さんにとっては、「両方」でも過大なリスクではない、も大きいにしても、どうせやるなら徹底的に、というか、航空機事業は本田宗一郎さんの、まさに「百年の夢」であり、いよいよ (宗一郎さんの生誕百年である今年に) それがビジネスとして実現する、宗一郎さんがご存命なら、両方やれとおっしゃるに決まってるじゃないか、みたいな部分を感じます。Honda さんの Corporate Tagline (Sun で言えば "The Network Is The Computer") である The Power of Dreams は「夢こそが力だ」だと思っているんですが、ホンダスピリットはますます健在、で心強いですね。

( 12 28 2006, 09:08:37 午前 JST ) Permalink
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